エール大学のロバート・シラー教授が説く、秩序に縛られない通貨の魅力とは

相次ぐ暗号資産取引所のハッキングや各国の規制で、暗号資産の将来性に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、暗号資産の今後について、ノーベル経済学賞の受賞者でバブル研究の第一人者としても知られる、エール大学のロバート・シラー教授が、暗号資産の将来について語りました。
目次
100年後にはビットコインは無くなっている可能性が高い
暗号資産の大元を支えるブロックチェーンなど金融とIT(情報技術)を組み合わせたフィンテックは非常に革新的な技術だ。ただ、ビットコインについてはその価値が何なのか、説明することが非常に難しい。例えば、金は希少さ、美しさ、利便性を備え、数千年にわたり代替通貨の役割を担ってきた。しかしビットコインには発行上限はあるが、ほかの暗号資産もあることを考えると、そのいずれにもあてはまらない。今のビットコインが今後100年間存続できる可能性もあるが、そうではない可能性のほうが高いと思う
引用元:日本経済新聞 「秩序に縛られない通貨の魅力」エール大シラー教授(2018年2月8日)
ビットコインは送金詰まりや取引手数料の高額化など、問題点を多数抱えています。
また、ビットコインが世に出た時ならいざ知らず、現在では多種多様な暗号資産が流通しており、潜在能力でいえばビットコインを超えているものもあります。
そのため、 ビットコインがなくなり、他の暗号資産がそれに取って代わるというのは十分考えられる でしょう。
暗号資産を保護する為には規制が必要
暗号資産の先物取引もできるようになり、投資家の裾野は一段と広がっている。適切な保護策がなければ、大きな過ちが起きる恐れがある。特に、暗号資産技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)については、きちんと規制されるべきだ。資金洗浄(マネーロンダリング)や詐欺行為への悪用を防ぐための国際的枠組みも必要だ
引用元:日本経済新聞 「秩序に縛られない通貨の魅力」エール大シラー教授(2018年2月8日)
暗号資産市場は未熟ながらも、急速に拡大しています。
しかし、厳格な規制を設けてないため、政府は詐欺行為などから投資家を守ることができず、投資家たちは「自己責任」で行動するほかありません。
こうした状況を見て参入を諦めている投資家も多いため、 市場を拡大する意味でも規制は必要 になってきます。
暗号資産を規制する動きが世界的に高まる
シラー教授が語ったように、暗号資産を保護するためには規制が必要ですが、現在、世界的にその動きが高まってきています。
2018年3月19日~20日にかけてG20が開催され、暗号資産の規制強化について話し合われる予定です。
G20の動向は世界各国の暗号資産業界から注目されているため、その結果次第では相場が大きく左右されることになりそうです。
取引所やICO、匿名通貨の規制について具体的に言及されれば、相場だけでなく、 今後の暗号資産業界の在り方にも大きな影響を与えるなることは間違いない でしょう。
各国の暗号資産の規制ついて知りたい方はこちら
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