【転活/就活生は必見?】6月は資本主義の仕組みを実感する月


世の中の企業活動にはFY(Fiscal year)、つまり会計年度というものが存在します。
365日稼働している企業でも、任意の締め月を決め、管理上の区切りを設定しています。
資本主義社会、いや共産主義でも何らかの区切りは必要で、区切りがない集合体はまずありえません。
日本では一般的に3月が年度末(英国も)、米国では9月、独仏中は12月と国によって様々です。
大半の日本企業においては3月が年度末で、企業決算と株主総会は5~6月に集中しています。
なので、 5月末にレターが届き、6月に株主総会を経て配当金や優待が届く という流れが風物詩と化しています。
下記のように、企業の株主への姿勢が如実に出るようなニュースがこれから増えていくでしょう。
経営再建中の大塚家具は10日、株主優待制度を導入し、自社商品の割引券を配布すると発表した。同社は2018年12月期の純損益が3期連続の赤字となり、無配に転落したため、新たな株主還元策を導入して株式の長期保有を促す。
出典:2019/6/10 時事通信社 大塚家具、株主優待で割引券=無配転落受け還元策より
就活生(転活者)こそIRを見るべし

株をしていないし、株主総会なんて興味ないんだけど。と考えるあなた。まだまだあなたは未熟です。
多数の就職浪人が出る中、幸い、複数の大手企業から内定を頂き、その当時の私としては納得できるものでありました。
それは私だけの力ではなく、仲間の存在も大きいのですが、「違いを生み出す違い」を持とうとしたことが大きな勝因の一つだったと振り返ることができます。

就職活動では旧帝大のようなスペックや、帰国子女といった錯覚資産をお持ちの人が多かったのは事実です。
錯覚資産とは、結果的に相手に勘違いさせる武器のことを指す。受け取り側が認識しているか否かは置いておいて、一つのモノごとに秀でていたら、他もその水準にあるのだろうと、錯覚させる。典型的な例はブランド品や高学歴が該当し、~だからXXに違いない、と思わせる大きな武器となります。
採用担当者も人なので、客観的な評価を下せない。なので 明確に客観視できる武器が必要 だと当時の私は考えました。そこで、当時、今ほど盛んではなかったインターン経験を積む(①)、企業の業績分析を行う(②)、そしてIRを活用し会社のビジョンを知る(③)、これらの合わせ技で企業の求める人材と方向性がマッチしているか確認していました。
特に③IRまで見ている学生はそこまでいなかったので、『君は熱意があるのだなぁ』と志望度が低い企業でも、そう思わせることができました。
これぞ、錯覚資産ですね。
IRは宝の山

IRなんて初めて聞いたんだけど? そう、学生はそれが普通です。だから、差別化ができるのです。情報は武器で、今振り返ると大半の学生はその程度であったのかと思います。
企業が株主や投資家に対し、財務状況や投資戦略、業績見通しといった投資判断に必要な情報を提供する活動で、近年は専用のHPを作る企業も増えてきています。

サラリーマンの皆様なら分かると思いますが、総じて採用担当は人事か総務、または広報の人間で、社内からは「実務も知らないくせに、資料ばかり求めやがって」と思われている人たちです。
今の会社でも、私は付加価値を生みにくい彼らに冷淡な対応をしてしまっているので、そこは少し反省ですが、総じて彼らは「綺麗ごと」を言いがちな人種です。
あの人達の言葉を額面通りに受け取るのは止めましょう。
一方、IRは株主や投資家への情報提供。
綺麗ごとは基本、疑われ、最悪のケースは虚偽として訴訟リスク すらあります。
なので、企業もきちんとした論理とデータをもって情報提供をします。
インターネットで手軽に入手でき、しかも決算ごとに見直すので情報も新しい。
だからこそ、採用担当者やパンフレットからは入手できない情報が詰まっている宝の山なのです!
経営計画や投資計画を知ることによって、 その企業が、どのような戦略の下、リソースを集め、どの分野にどう投資しようとするのか 、点ではなく、線、いや面となる情報を知ることができるのです。
これを活用しない手はないですよね?
スタイルは千差万別

IRを見ていくと、会社によってカラーが全く違うと気付けたあなたは、いいセンスをお持ちです。正解はないので最後はあなたとの相性に依りますね。
同じ金融機関でも、SBIのように経営者のストーリーと計画、資料が一貫している企業もあれば、名前は出したくないですが、某メガバンクのように何が言いたいのかさっぱり分からないオワコン企業もあります。
私は 企業にしがみついて、自らの個性をアジャストするほど情けないことは無い と考える方なので、自分に合わないなと思った企業には行かないこと、投資しないことにしています。
6月は決算報告書が各企業からたくさん届けられる月ですが、私が一番資本主義を感じる月でもあります。
手始めに何らかの投資を行った方は、いつかこの感覚が分かるものだと信じています。

また、この話は何も就職活動や株式投資だけではなく、本質的には暗号資産も同様であると考えています。
あなたは暗号資産においては何がまずIRにあたるか分かりますか?
そう、ホワイトペーパーとPJT(プロジェクト)進捗報告です。
各トークンごとにホワイトペーパーのストーリーも異なりますし、発行体によって進捗報告の頻度が千差万別です。
私が投資するのであれば、ホワイトペーパーの中身の一貫性と定期的な進捗報告はマストで、残念ながら現時点では、それらが甘い、杜撰なプロジェクトが多いのが実情では?と思います。
典型的な例ではスピンドルのホワイトペーパー。
このようにスタイルは千差万別なので、最後はあなたにフィットするかしないか、に尽きるかと思います。
それでは!
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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