暗号資産取引所Fcoinが破綻


中国の暗号資産取引所Fcoinが破綻しました。
現在、Fcoinは「ハッキングではなく、データのエラーと判断ミスによりシステム回復ができない状態である」と創業者の一人である張建氏語っており、顧客の資産返却ができない状態にあります。支払いができない金額は7,000BTCから1万3,000BTCに上ります。
Fcoinは2018年にローンチし、取引マイニングシステムと高額な配当が人気となり短期間でホルダーが増加しました。予想以上の成長と変化にシステム負担が限界に近づいていました。
そのため、運営はシステムの維持に注力しており、財務問題を蔑ろにしていました。
実際、取引マイニングに関する不正データが見つかり、誤った額の報酬を顧客に与え続けおおむね1,000万~2,000万元の損失を生んでいましたが、システム維持をすることが精一杯だったと言います。
さらに、上場当社価格が上昇したが、その後下落し続けたFcoin Tokenを自らの資産で買い戻し続けた影響で最終的にFcoinの資産は尽きてしまいました。
顧客の資金引き出しに関してはシステムの回復を行っているが、1年から3年かかると予想されます。

好調に見えた取引所のいきなりの破たん劇に巻き込まれた日本ユーザーも多いです。
今回はFcoinの経営上の判断ミスとなりますが、他の取引所においても、ハッキングや資金管理者の身体的なトラブルにより取引所の運営を止めざるを得ない状況に陥る可能性はあります。
特に日本のユーザーは大手海外取引所のアカウントを開設出来ない傾向にあるため、どうしても海外の中堅取引所を利用せざるを得ません。
そのような場面では、必ずウォレットを活用する、資産を分散するなどの自己防衛策を取る必要があります。
これから取引所からの資金の引き上げが始まります。
暗号資産の市場は現物がメインであるため、取り付け騒ぎが起きたとしても問題は起きにくいですが、暗号資産派生商品・デリバティブ商品(証拠金取引や先物など)を積極展開している取引所はリスクは高まります。
いま一度ご自身の資産がどのような環境に置かれているのか見直しすることをお勧めします。
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