【潮目をみる】トレンドフォローは悪手ではない


時たま、時代の「潮目」の変化を感じられるニュースを目にすることがあります。
人によって、心のアンテナに引っかかるところは違うとは思いますが、このコラムはまさしく私にとってそれを感じるものでありました。
中国、世界で最も「扱いにくい貿易相手国」に
中国政府は、貿易相手国が一致団結して反撃してくることはないと考えているかもしれないが、それは危険な想定と言える。習近平国家主席は国内で権力基盤を固めており、今年、対外強硬姿勢を一段と強めている。新型コロナウイルスが流行する中、南シナ海で軍事力を増強。6月にはインドとの係争地域で死者の出る衝突が起きた。中国国営メディアは勝ち誇ったように傷口に塩を擦り込むような報道をしている。米国、カナダ、豪州との関係は最悪。アフリカ諸国も中国国内で自国民が差別されていると神経をとがらせている。欧州連合(EU)は強硬姿勢で中国との投資協定交渉に臨んでいる。日中関係も一時は改善したが、再び冷却化に向かっている。
世界の流れが変わるとき

第二次世界大戦、そして米ソ冷戦を経て、 政治体制としての民主主義と経済体制としての資本主義 は確固たるものとして世界のデファクトスタンダードとなりました。
しかし、民主主義と資本主義の進展により、人々の“欲望"は国境を超え、グローバル化が進むにつれ、様々な軋轢が生じてきました。
それは、環境破壊、貧富の格差拡大、文化単一化、コミュニティ希薄化 と言われています。
確かに統計的には人類全体で見れば、技術革新の恩恵を受けられており、絶対的な貧困は減っているように見受けられます。
ただ、それ以上に安定しない世界。
むしろ、複雑化し、アメリカやヨーロッパで起きているように、問題は先鋭化しています。
仮説はあくまで仮説に過ぎない
今後、中国がアメリカにとって代わって覇権を握るのか、それとも資本主義の最も進展したアメリカが21世紀も覇権を維持し続けるのか。
その答えは誰にも分かりません。
暗号資産の未来も、株価の未来も100%の予想はできません。
あくまで、「仮説」であって、定期的にアップデートすることが大切なのです。
専業トレーダーを除き、資産形成を行っている大半の人は"本業"があるはずです。
私は 本業を疎かにする人はそれ以外も中途半端に終わる という一つの信条があります。
本業で何か結果を出すには、戦略をもって日々、試行錯誤しないと達成できないことが大半かと思われます。
本業も副業(または投資)もフルベットや!というのは実際は余程の多動力がない人でないと難しいのではないでしょうか?
なので、日々、本業がある人が投資でも大きな成功を収めるというのは、確率論的にはかなり厳しいというのが現実的ではないでしょうか。
トレンドフォローは悪手ではない
何か現実的なことばかり指摘し、冷や水を浴びせるようで申し訳ありませんが、だからこそ粒度を大きめに、トレンドを掴み、フォローすることが大切ではないでしょうか?
誰しもが物事の転換点の予測を行うことはできません。
ただ、転換点からの潮目の流れを読み取り、その波に乗ることは不可能ではありません。
テクニカル分析にしても、トレンドフォロー型のものは多種多様にあります。
また、ミクロな財務分析でもキャッシュフローの推移やPSR、ROEといった指標を活用することができます。
もっとマクロな視点では、冒頭のコラムのような各国GDP推移や貿易統計、産業競争力なども活用できるでしょう。
実際、 参加者が多ければ多い程、集合知が生まれる ので、粒度の大きな項目には普遍的な事象や傾向を読み取ることができ、過去の歴史も大いに参考になります。
ウォーレンバフェットやジェフベゾス、ザッカーバーグ、イーロンマスク、孫正義といったような世界トップクラスの人々は、間違いなく時代の"潮目"の変化を読み取るのに長けており、むしろ自ら潮目を作り出すことすらできます。
そんなチート級の人々には勝てないものの、日々の積み重ねである程度、マネジメントができるようになるのは各界の先人たちが証明しています。
「自ら道を作り出す」のは非常にクールではありますが、「道先を読み違えない」のもクールではないでしょうか。
アメリカの19世紀のゴールドラッシュのように、金採掘で稼いだ人よりも、採掘用のツルハシを売った人の方が成功したという事例からも何か感じ取ることはできないでしょうか?
それでは。
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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