政治的緊張にもかかわらず、イランの取引所のビットコイン取引量は低いままです

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イランは6月20日、アメリカ軍の最新鋭の無人機をホルムズ海峡上空で撃墜しました。撃墜に用いたミサイルは、国産のものだとイランは主張しており、今回の事態は、アメリカとイランのあいだに起こりかねない衝突の複雑さを浮き彫りにしています。

いわゆる不正国家に対する政治的および経済的制裁によっても悪化しているイランとアメリカの間の緊張が高まっているにもかかわらず、イスラム国家の ビットコインの価格は国際的な価格とほぼ一致している状態 です。

トルコやブラジル、アルゼンチンなど経済危機に陥っている国や米中戦争によるビットコインの取引量と価格は高騰してきましたが、イランでは認知度が低いためか世界の取引所との価格差は今のところ生まれておらず、イランの暗号資産取引所である「Exir」のマーケットレートによると、ビットコインのプレミアムは特になく、ビットコインの他にイーサリアムとビットコインキャッシュの取り扱いがありますが、これらも世界のマーケットの価格と変わりはありません。

イランの国内通貨は「IRR(リアル)」と「TMN(トマン)」の2種類があります。IRRは一般的には使用されておらず政府当局者のみが使用しており、公用通貨はTMNが使われています。

また、1USD:42,000IRRのレートのままで、この価格が適用されると1BTCの価格は約30,000ドルの計算になりますが、IRRはUSDに対して取引を停止しているので、この価格は適用されません。

現地で取引が行われているのはUSD:TMNのペアで、1USD:13,350TMNのレートになります。イランの暗号資産取引所Exirでは1BTC:141,000,000TMNで取引されていて約10,600ドルになるので、世界中の取引所とほぼ一致しています。

さらに政治的および経済的危機に苦しんでいる国のビットコイン取引量の劇的な急増を経験していますが、Exirでの24時間のBTC取引量は約50,000ドルに過ぎません。

 

伊藤健次
このニュース、 伊藤が解説します。

国際緊張が高まると金価格やビットコイン価格が上がるのが今までの流れでした。

金(GOLD)は実際に売買されている履歴が全て開示されることはなく、誰がどれだけ持っているかがブラックボックスです。

ビットコインは実際に市場で売買され、匿名と言えどもどれくらい資金が移動したか見ることができます。

そのため、過去もこのような緊張状態ではビットコイン価格は上がったことが確認できておりました。

今回同じような状況で価格へ変動が見られない要素として考えられる点を挙げます。

 

一つは、暗号資産側の課題によるもの。

現在、世界的に行われているマネーロンダリング規制によりビットコインの自由度が削れてしまっているのは事実です。これによりビットコインを保有したのは良いが他国で換金することに苦労する可能性が高くなりました。実質富の持ち出しに使用しにくくなってきております。

もう一つは、イランの国の問題によるもの。

ビットコインはデジタル通貨ですので、デバイスや通信環境なども必要です。もちろん銀行口座やデジタル法定通貨の整備も影響されます。さらに、イランでは自国通貨の信用が著しく低く米国ドルなども流通しております。さらに、資産を海外に飛ばしたいニーズは一定の富裕層しか持ちえません。

このような事情によりイランではビットコインの高騰は起きにくいものと想定されます。

世界は今不安定であり、今後も多くの国により同じような事象が生じるでしょう。その際に、 国の危機がそのまま代替資産の高騰を招くというほど単純な図式になっていないことを改めて認識しておいた方が良いでしょう。 

 

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