ベネズエラ大統領が国内銀行に政府発行の暗号資産「ペトロ」の取り扱いを発令

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ベネズエラのマドゥーロ大統領は、ベネズエラ国内の最大手銀行「Banco de Venezuela」に対して、全ての支店で政府発行の暗号資産「ペトロ」の受付と取引ができる窓口を設けるようにと発令しました。

『ペトロ』とはベネズエラ政府によって発行される暗号資産で、アメリカの経済制裁を迂回するため、 国内の石油に裏付けられた通貨となります。 

マドゥーロ大統領は自身のツイッターで、若者にペトロの利用を促進させるために9億2400万ボリバル(約1443万円。1ボリバル=0.016円で換算)をデジタル青少年銀行および学生会に割り当て、若者向けにPTR用100万ウォレットおよび口座を開設するなど、ペトロを利用した支援キャンペーン「Airdrop Venezuela」も行っています。

ベネズエラは5月のインフレ率が年率81万5194%で、ハイパーインフレ状態が続いておりますが、1月に記録した268万8670%をピークに下落傾向にあり、4カ月連続で前月実績を下回っています。しかし、経済の不安な状態は変わらず多くの国民が近隣国に移住する状況は続いているようです。

もともとベネズエラではインフレによる自国通貨不安定の逃避先としてビットコインへ資産が流れており、2019年で10億円もの取引がされています。今回の大統領の発令は現在の経済状況を脱却するための施策となり、近いうちにビットコインとペトロを取引できるようになりそうですね。

最近ではベネズエラの同盟国キューバでもアメリカの経済制裁を回避する目的で、暗号資産の使用を検討しています。

 

伊藤健次
このニュース、 伊藤が解説します。

 

直近の国際緊張状態で、より一層自国通貨での運営が危なくなっているベネズエラの苦肉の策と言えます。

暗号資産という法定通貨から独立をしたデジタル通貨を国家主導で浸透させたとしても、結局は旧法定通貨と同じ結末を迎えるでしょう。

国家の信用から現物(今回は石油)の信用に置き換えておりますが、実際に石油の埋蔵量は不明であり第三者による現物価値の裏付けは必要となります。

  中央集権的に発行される暗号資産の価値は、発行主体の信用や裏付けされる資産により担保される為、もともと発行主体の信用が破たんしている場合は、暗号資産にしたところで根本的な解決になりません。 

それよりも、ベネズエラ国民のコミュニティを生かし、個人間の信用を価値として非中央集権的な暗号資産を発行したほうが価値を維持できる可能性があります。

今後、  自国の通貨価値が毀損している国はベネズエラの暗号資産発行とその行く末を参考にするでしょう。 

近隣国のキューバも暗号資産経済を作ろうとしておりますが、彼らは国外の企業の信用をもとに暗号資産発行をする目論見のようです。

 

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