Tether社が発行するUSDTが暗号資産の時価総額で4位に浮上

何かと話題になっているTether社が発行する米ドルとペッグした通貨であるUSDTが、なんと暗号資産の時価総額で4位に浮上しました。
USDTが4位に浮上した背景として、実際に発行され時価総額が上がった訳ではなく、先日発生した暗号資産市場全体の大きな下落が原因で、それまで上位にいたビットコインキャッシュやライトコインの時価総額が下がったことにより、USDTが繰り上がった形となります。
時価総額がどうやって算出されるかと言うと、供給量と価格を掛け合わしたものになりUSDTはドルと連動しているため価格は自体は変わらないですが、新規のUSDTが発行されているため供給量が増え時価総額が伸びています。
しかし、USDTを発行するTether社は本当に発行量分の米ドルを準備金として保有しているのかと言う問題があり、Tether社の弁護士はUSDTは4分の3しか米ドルで裏付けられていないことも認めたため、実際の供給量と異なっている可能性があります。
この他にTether社のグループ企業であり暗号資産取引所のBitfinexはユーザーからの出金リクエストに対応できなくなるという問題や、ニューヨーク州司法長官からUSDTを損失補填に使用したことで訴訟され、その裁判が行われました。
Tether社やUSDTに対する不信感は払拭できないものの、USDTのドミナンス値は上昇しているため、暗号資産市場に与える影響力も大きくなってきています。

このニュース、
伊藤が解説します。
ビットコインは多くの暗号資産と交換をする際の基軸通貨の代表的な存在であり、誕生からずっと利用ニーズは衰えません。
その後、ICOブームの火付け役となったイーサリアムもイーサリアムベースの暗号資産が複数誕生したことでイーサリアムを利用するというニーズが非常に高まりトークン価格の口頭に繋がりました。
直近の暗号資産市場では、ビットコインを始めとした多くの暗号資産の価格下落を受け、一時的に価値を担保する目的で米ドルと価格が固定されているステーブルコインにニーズが集まりました。
代表的なステーブルコインとして多くの暗号資産取引所で交換ペアとして採用されているテザー社発行のUSDTに交換をするという流れが起きております。
直近では24時間の取引高は2兆円を超えビットコインよりも活発な取引量となっております。
テザー社の不正疑惑からUSDTへの不信感はあるものの、米ドルペッグのステーブルコインのニーズは右肩上がりで上昇しており、テザー社以外にも多くの企業が参入しております。
今後、各国のステーブルコインが誕生し、現在のUSDTと同様の利用ニーズに対応をして行くことが予想されます。
USDTの取引高も将来的には分散される可能性が高いでしょう。
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