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暗号資産バブルの恩恵を受けるGPUメーカー、ブームが過ぎ去った後の対策は？！

2018.06.15

暗号資産が流行ることによって、その恩恵を最大限に受けるGPUメーカー。
過去2017年には、品薄により一時的に価値が5倍近く膨れ上がったこともありました。
各メーカーとも、ブームが過ぎ去った後の対策は取られているのでしょうか。

GPU（グッラフィックボード）メーカーNVIDIA、マイニングバブルにより業績絶好調

GPU（グラフィックボード）を製造しているメーカーNvidiaは、2018年5月に財務実績を発表し、第1四半期（1月下旬〜4月下旬）の売り上げ高は32億ドルとの報告しました。
これは前四半期比で10％の増、前年比66％増となる数値。利益で見ると、前四半期比で11％増、前年同期比で145％増加となります。
更に、第2四半期連続で暗号資産ブームが財務見通しの改善に重要な役割を果たしたことも報告しております。
また、NVIDIA同様GPUメーカーとして有名なAMDも暗号資産ブームの恩恵により過去最大の売り上げ高と利益を上げることが出来たと報告しております。

アルトコインバブルにより、GPUの需要が急激に高まる

GPU（Graphics Processing Unit）通称グラフィックボードとは、通常はPCで高解像度のゲームをプレイする用に開発されたボードで、通常のCPU（Central Processing Unit）よりも高い処理能力を持っています。
当初ビットコインが誕生した際のマイニングは、通常のCPUを利用して処理を行っていましたが、GPUを使用した方が遥かに早いスピードで処理を行えることが分かり、GPUを使用してのマイニングが一般的となりました。
更に歴史をたどれば、
ビットコインのマイニングは
1台のPCで1枚のGPUを搭載したマシンでマイニングを行うことから、
1台のPCで数枚のGPUを搭載したマシンを使用するようになり、
GPUよりも早い処理が行えるチップが開発され、
現在では ASICというチップを使用してマイニングを行うのが主流です。
これによりマイニングにおけるGPUの需要が無くなると思われましたが、EthereumやMONERO、Z-CASHなどのアルトコインは未だにGPUを使用したマイニングが主流で、その需要が落ちるどころか、アルトコインが新たに生まれ続けている現在では、その需要が無くなることはありませんでした。

アルトコインは現在も増加の一途を辿り、まだまだGPUの需要が無くなることは無いでしょう。

ブームによりGPUメーカーには大きな変革が訪れる

アルトコインバブルにより、GPUの需要は高まります。
特に2017年の中旬にはEthereum上でのICOが多く行われ、一時的にGPUが品薄となります。
この頃は中古のマシンも高値が付き、型番によっては新品価格よりも高値で売買されたこともありました。
当時確認できている情報では、最大5倍以上の値段がつく型番もあると言われており、その需要の高さが予想できます。

各メーカーは増産を行いますが、売れ残ることは無く増産した台数はキッチリと捌けています。
これにより最も困ったユーザーは、マイニングを行うユーザーではなく当初の利用目的であるPCゲーム用に購入しようとしたユーザー。
最新のゲームが発売されたとしても、それをプレイするための環境が整わなければ遊ぶことができません。
間接的には、そのゲームを開発したメーカーの売り上げにも影響が出ていたことは間違いないでしょう。
必然的に、その売り上げを見れば2017年以降は高解像度のゲームをプレイする用に開発をするのではなく、マイニングを行う用に開発をしなくてはいけなくなったのです。

マイニングバブルによるメーカーの量産体制が、GPU産業の底上げを加速する

マイニングを行うとしても、高解像度のゲームを行うとしても、どちらの用途であっても需要があればそれに勝る製品を開発しなくてはいけないのはどのメーカー、どの産業も同じです。
今より高性能のGPUが、今より安価で手に入るようになる。
これは客観的に考えれば単純に利益を切迫しているようにも見えますが、どの時代もこのような状況を乗り越えて技術は進歩していくもの。
例えマイニングブームが過ぎ去ったとしても、GPU産業には明るい未来が見えているでしょう。