ビットコイン高橋1章6話：ビットコイン(Bitcoin)の技術的なリスク
師匠！こないだの約束通り、ビットコインの欠点について教えてください！
そうじゃな。お前の欠点はちょっとアゴが長いところかのぅ・・・
違いますよ！「ビットコイン高橋の」欠点じゃなくて「ビットコインの」です！
否定しないということは、こやつ認めておるな
ふざけないでくださいよ・・・
ビットコイン（Bitcoin）は欠陥品？
ビットコイン（Bitcoin）は現在では暗号資産1.0として扱われ、欠陥部分を改良した次世代コイン、いわゆる暗号資産2.0がどんどん生まれています。
ではビットコイン（Bitcoin）には、本当に欠陥があるのでしょうか？
その「欠陥」であるとされる所以について考えてみましょう。
ビットコイン（Bitcoin）4つの欠点
スケーラビリティ問題
まず真っ先に出てくるのがスケーラビリティ問題じゃ
師匠！「スケーラビリティ」ってなんですか？
拡張性のことじゃな。「ビットコインとしてできることの限界値」とでも言えば分かりやすいかのう
1つのブロックのサイズは大体1M。10分間でMAX2000そこそこの取引を記録するのが限界なんじゃ
この中には10分間に発生した取引記録（トランザクション）が保管されるのですが、1つの取引記録は約2KB（キロバイト）程度ですので1つのブロックで保管できる数は約2000～2300の取引記録しか記録できず、それ以上は次のブロックに保管されます。
（次に回されるということは、取引自体が後回しにされるということです）
この問題は流動性が高くなればなるほど問題視され、これを解消するために2017年8月にsegwitが導入されました。
ビットコイン(Bitcoin)のセグウィット(segwit)をわかりやすく解説
最近、取引のデータサイズを2KBから1KBにちっちゃくできる機能が追加されたから、今は倍の取引が可能ね
え、てかそもそもブロックのサイズを大きくしたらいいじゃないですか？
そうとも限らん。が、まぁ確かにブロックを大きくするか取引記録を小さくするかは議論に出て、結構もめたんじゃ
結局大きくなればなるほど電気や時間がかかり、今度はセキュリティ上の問題がでかくなるから取引記録を小さくすることで収まったんじゃな
ブロックサイズ「1M」というのはセキュリティ面と利便性、両方の良い所取りなのよ
これが1分に1度であれば量は捌けますがセキュリティは下がります。
ブロックのサイズを上げればまた量が捌けますが、それによって感覚が伸びてしまえばセキュリティの問題が発生します。
「10分に1度」「1ブロック1M」というのは、satoshi nakamotoがたどり着いたトレードオフ であると解釈できます。
中国に集中しているマイニンプール
実はビットコインのマイニングは50%以上が中国系企業なんじゃ。これがなぜ「リスク」なのか・・・分かるかの？
団結されたら不正される可能性があるから・・・ですか？
それもそうなんじゃが、中国は今ビットコインに対して規制を張っておる。いわば暗号資産に対しマイナス的動きをしている国なんじゃ
確かに！中国でマイニングが出来なくなった途端にビットコインが回らなくなるかも。これってもはやリスクでしかないですね
タイミングによっても異なりますが、全体の50%以上は中国資本が介入しています。
現在中国政府は、ビットコイン（Bitcoin）を含む暗号資産に対しマイナス規制を張っており、 中国系企業が完全にマイニングを停止した場合新しいブロックが生成されなくなる可能性がある のです。
また、BITMAINのマイニングマシンにはバックドアがあり、これをつかれるとビットコイン（Bitcoin）のマイニングの50%程度のパワーが瞬時にオフになる可能性もあるという事実が発覚しました。
いづれも欠陥と言われる仕組みであると言えるでしょう。
でも安心してくれ。今はかなり各マイニングプールのシェア率が分散されているし、日本からGMOやDMMなどがマイニングに参入し、救世主として現れる予定もあるんじゃ
彼らはTOP3入り宣言をしており、既に何10億円もの多額の資金を投入しています。
これにより、このリスクは多少緩和されたとの見方もできます。
大量にかかるエネルギー
ビットコイ（Bitcoin）はマイニングによって存続しています。
このマイニングは膨大な電気量を消費します。
ビットコインのマイニングには大量の電力を消費するんじゃ。
下の写真は1つのマイニング工場の1部屋の写真。こんな部屋を何個も持った会社が世界に20社以上あるんじゃ
下の写真は1つのマイニング工場の1部屋の写真。こんな部屋を何個も持った会社が世界に20社以上あるんじゃ
この写真はあるマイニングプールの写真ですが、1つのプール（団体）でもこの部屋の3倍から5倍ほどの敷地でマシンを稼働させています。
これだけの数のマシンを24時間365日稼働させていたら、値段を言わずともどれだけ大量のエネルギーが消費されているか想像できるでしょう。
これは、ビットコイン（Bitcoin）がPoW（プルーフ・オブ・ワークス）形式と呼ばれる承認システムを取り入れている以上、 決して解決されることのない問題 なのです。
ビットコイン(Bitcoin)PoW（proof of Works）の問題点とは
こんな工場が世界で24時間365日稼働してたら、環境のことを考えるとめちゃくちゃ問題ですね
そうなんじゃ。これはビットコインにとっては仕方ないことなんじゃが、できる限り軽減しようという試みも行われておる
例えば北欧の涼しい地域に工場を建てて冷却装置を使わなくてよくしたり、風力発電などの自家風力発電所を併設したりじゃな
なるほど！みんなでビットコインを守ろうとしているんですね～
satoshi nakamotoの100万BTC
最後にsatoshi nakamotoが所有している100万BTCの存在が問題だとされておる
2010年以降1度も動いた形跡が無く、1度に流出した場合の価格変動が問題視されています。
とは言え、株式市場ではその企業株の全体の5%を保有していたところで大きな影響が出ないのと同様に、変動率も一過性のものであり さほど重要な問題では無い ように考えられます。
全体の5％なんて痛くも痒くもないから問題ないわ
やば！でも既に億万長者じゃないですか！羨ましいなー
まだ価値が上がることを見越して、今まで動かしていないのかもしれないのう
欠点と捉えるか否かは自分次第
以上の問題が騒がれていますが、筆者はこれを 欠陥と見るか仕様と見るかは完全に個人の判断でしかない と考えます。
現にsegwitのような改善策も取り入れられ、マイニングの中国独占市場は無くなりつつあります。
今後のビットコイン（Bitcoin）を育てていくのは利用者であり、必要とされる声が高まればより良いものになっていくのは間違いないことでしょう。
まとめ
☑ ビットコイン（Bitcoin）が欠陥品だとされる所以は４つの理由から
☑ スケーラビリティ問題、マイニングプールの中国集中問題、エネルギー量の問題、そして動いていない100万BTCの存在
☑ 必ずしも問題であるとは限らない
なるほど！色々な見方がありますけど、でも僕はやっぱりビットコインには大きな可能性があると感じますね
それでこそワシの弟子じゃぞ。そろそろ自分で手にしてみてもいいかもしれないのう
ですね！すぐにでも欲しいくらいです。
師匠！次はどうすればいいですか？
師匠！次はどうすればいいですか？
そうじゃな。では次は買う為の準備が必要じゃな。
資産を盗まれない為の技を伝授してやろう！ビットコイン高橋よ、ワシについてくるのじゃー！
1章1話：話題のビットコイン（Bitcoin）について世界一詳しく解説
1章2話：東洋経済で取り上げられた「ゼロから分かるビットコイン」
1章3話：ビットコイン（Bitcoin）の価格（price）を簡単に確認するやり方
1章4話：分かりやすいブロックチェーン（Blockchain）の解説
1章5話：ビットコイン(Bitcoin)のマイニング(mining）を一から学ぶ
1章7話：これだけで大丈夫！ビットコイン（Bitcoin）初心者がやるべきこと
written by yuta takahashi
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