分散型ストレージを提供するStorjが米国で破産申請を行う一方、Ondo Financeは新しい実行レイヤー「Ondo Network」を発表しました。
Web3プロジェクトの評価基準は、理想から事業へと変わり始めています。
これを独自のジャーナリズムで解説します。

分散型ストレージのStorj、米国で破産申請 過去の債務を整理して再建へ 2026年7月28日
分散型ストレージサービスを提供するStorj Labsは2026年7月26日、米国で連邦破産法11条にもとづく申請を行ったと発表しました。
申請の目的は、事業を継続しながら過去の債務問題に対応することです。
同社は、事業、サービス、ネットワークの運営を通常通り継続する計画だとしています。
Storjは100カ国を超える地域にストレージを分散し、運営にはSTORJトークンを活用しています。
CoinGeckoのデータによると、STORJトークンは日本時間2026年7月27日の朝に0.074ドル台から0.059ドル台まで下落し、一時19%を超える下落となりました。
Ondo Finance、新執行レイヤー「Ondo Network」発表 2026年7月28日
Ondo Financeは2026年7月27日、新しい実行レイヤー「Ondo Network」を発表しました。
Ondo Networkはすでに稼働しており、第一弾のアプリケーションとして無期限先物取引プラットフォーム「Ondo Perps」に利用されています。
取引の実行と決済を分離し、実行部分は信頼実行環境内で高速かつプライベートに処理します。
決済は、ほかのパブリックブロックチェーン上で検証可能な形で行う設計です。
Ondo Perpsは、24時間稼働の取引環境や、トークン化された実物資産を担保として利用できる機能などを提供しています。
Web3は「理想」より「事業」が評価される時代へ
一世を風靡したプロジェクトの明暗が分かれました。
片方は、IPFSなどの分散型ストレージ技術を活用し、世界中にデータを分散管理することで、あらゆる履歴を長期的に保存し続ける世界を目指したStorj(ストレージ)です。
このたび、破産申請を行いました。
もう片方は、金融商品をブロックチェーン上で管理し、世界中で24時間売買できる仕組みを作ろうとしているOndoです。
こちらは需要が拡大しており、さらに高速・低コストで世界へ提供できるよう開発を進めています。
一見すると、どちらも需要があり、大きく成長しそうなプロジェクトです。
しかし、幅広い理想を実現しようとしたプロジェクトよりも、お金が集まる市場に特化したプロジェクトが生き残っています。これは世の常です。お金が流れるところでしか、ビジネスは成り立ちません。
Web3には理想論や綺麗事が多すぎます。
そのため、道半ばで終わってしまうプロジェクトも少なくありません。応援していた投資家が判断を間違えたのではありません。投資家は、その理想の実現に賭けたのです。
今の世の中は金融市場です。理想とは真逆の論理で動く世界です。
アルトコインが軒並み失速している背景には、資本主義という仕組みが想像以上に強く働いていることも影響していると、私は考えています。
アルトコインは価格ではなく「事業」で選ぶ時代
今回のニュースは、Storjが悪く、Ondoが良いという単純な話ではありません。重要なのは、Web3業界全体が新しい評価基準へ移行していることです。
これからアルトコインを見るときは、トークン価格や話題性だけで判断する時代ではありません。
そのプロジェクトが継続的に事業を成長させられるのか、世界中で利用されるサービスを提供できるのかという視点が、これまで以上に重要になります。
ニュースは、必ずしもすべてが正確とは限りません。 また、誰が発言しているかによって、同じ事実でも意味は大きく変わります。 そもそもニュースは、出来事の「一部」しか切り取って発信されないものです。
だからこそ、ニュースだけを材料に未来を断定すると、判断を誤りやすくなります。 ただし、ニュースそのものが無価値なのではありません。 読み手が、まだ読み方を知らないだけです。
無知は無能ではありません。 ニュースの構造や背景を意識して読み解く練習を重ねれば、誰でも「今の情報」から「これから起きる流れ」を捉えられるようになります。 このメディアでは、そのための視点と考え方を伝えていきます。