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【伊藤が解説】SEC訴訟の深層: バイナンスとコインベース、未登録有価証券問題の真相

2023.06.09

仮想通貨ADAとSAND、SECの有価証券主張に反論

SECによるバイナンスとコインベースへの提訴後、仮想通貨プロジェクトエイダ（ADA）とザ・サンドボックス（SAND）から反論が出ています。
提訴の一環として、SECはこれらの通貨を未登録有価証券として挙げました。

ADAのプロジェクトチーム、Input Output Global（IOG）は、訴状には不正確な事実が含まれていると批判し、ADAは有価証券には該当しないと主張しています。
また、IOGはブロックチェーン業界への規制に対して明確性と確実性が欠けているとSECを批判しています。
一方、SANDの共同創設者Sabastien Borget氏も、SANDが有価証券であるというSECの判断に同意しないと述べました。

これらの反論は、SECがどの仮想通貨が有価証券に該当するか、その基準は何かを明確にしていないという批判に繋がっています。

仮想通貨ADAとSAND、米SECの有価証券主張を批判

COINPOST

SEC訴訟の深層: バイナンスとコインベース、未登録有価証券問題の真相

このニュース、 伊藤が解説します。

米証券取引委員会（SEC）が大手仮想通貨取引所、バイナンスとコインベースに対して訴訟を提起した際、未登録有価証券として名指しされた仮想通貨プロジェクトが一連の騒動に対してのコメントを発表し、早期に自らの立場を明らかにしました。

簡単に言えば「SEC訴訟は直接的に仮想通貨プロジェクトの運営に関わらない、従来通りサービスを提供し続けることが可能である」といった安心感を発信しています。

名指しされたプロジェクト側からすれば、「なぜ我々だけが名指しされるのか？他のプロジェクトは良いのか？」という疑問が浮かぶことでしょう。
さらに、今回は仮想通貨プロジェクトへの訴訟ではないため、仮想通貨プロジェクトはSECと直接議論する場がない状況が続くことで、結論が出ず、長期にわたる不満を増大させる可能性があります。

SECが公開したバイナンスおよびコインベースの訴状の全文は100ページ以上にわたり、内容の解釈には専門的知識と時間が必要です。
しかし、専門知識を持たずとも名指しされた仮想通貨プロジェクト側が未登録有価証券という理由については明確にしていないことは分かります。

SECが訴状で言及した未登録有価証券の課題については、ほぼどの仮想通貨プロジェクトにも当てはまる要件で、未登録有価証券であるとの結論が示されています。
それは、『ユーザーを投資家と呼んでいる。』『価格が上がると煽っている。』というレベルです。

ここで注目すべきは、今回名指しされた仮想通貨プロジェクトに対してSECが公開していない追加の内部情報を既に持っている可能性がある点です。
SECが強く攻めてきた場合、更なる問題に発展する可能性があります。結局のところ、名指しされた仮想通貨銘柄は高リスクと判断した方が良いと考えられます。

また、SECが特にICOやIEOという取引所と密接に関連した仮想通貨銘柄を新しく未登録有価証券として指摘する可能性があります。

全てのICOやIEOの銘柄が違法というわけではありませんが、問題は取引所が違法に関与し、投資家をリスクに晒したICOやIEOが存在することです。
普通の仮想通貨保有者は、取引所とプロジェクト間の契約者ややり取りを見ることができないため、どの銘柄が取引所と懇意な関係になっているかは分かりません。
慎重に行くのであれば、2023年以降に公開された仮想通貨プロジェクトに注目するのが良いでしょう。

仮想通貨が有価証券としての性格を持つこと自体に問題はありません。
問題となるのは違法な行為があったかどうかです。

2023年時点で、SECの方針が公開され、仮想通貨プロジェクトを適切に運営するためのノウハウが既にあります。
取引所も同様で、規制前に活動していた取引所ほど、既に規制されたサービスを終了させるのが難しく、違法な期間が長くなる可能性があります。
規制後に取引所業務を開始した場合であれば、ほとんど問題なく事業が継続できることでしょう。

SECは投資家を守るために存在しております。今のようなSECが間違っているという風潮は業界にとっては良くありません。
一連の訴訟が早急に解決し、正しい市場拡大のためのSECの役割が進行していくことを期待します。

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