量子コンピューター対策に成功!──しかし2000万BTCに次の問題

世界で初めて、量子コンピューターの攻撃に耐えるビットコイン取引がメインネット上で承認されました。

ビットコイン最大の将来リスクの一つである量子コンピューター問題に対し、技術的な対策が実際のブロックチェーン上で動いた大きな一歩です。しかし、本当に大変なのはここからかもしれません。これを独自のジャーナリズムで解説します。

伊藤健次
伊藤健次
このニュース、 伊藤が解説します。

量子耐性ビットコイン取引、メインネットで初承認 2026年8月29日

CoinPostは2026年8月27日、量子耐性ビットコイン(QSB)方式のトランザクションが、ビットコインのメインネットで初めてマイニングされたと報じました。既存のコンセンサスルールは変更されていません。

QSBは、ハッシュ関数を用いた第二のロックを既存の署名に追加することで、量子コンピューターによる攻撃への耐性を持たせる方式です。ただし、ビットコイン自体を量子耐性化する仕組みではなく、今回の取引は特定の構成が実際のメインネットで機能した事例となります。

取引は非標準形式のため通常のメンプールを通過できず、マイニング大手MARA傘下の「MARA Slipstream」が直接の経路を提供しました。また、送金前から公開鍵が公開されているアドレスは、この方式による保護の対象外となります。

量子対策の次に待つ「2000万BTCの大引越し」

世界で初めて、ビットコインの量子コンピューターリスクへの対策技術が実際のブロックチェーン上で機能することが証明されました。まだ正式採用ではありませんが、量子攻撃に耐える特定の取引方式がメインネット上で実証されております。

「これでビットコインは無敵だ」と安心する一方で、実はまだ大きな壁が残されております。それは、世界中を巻き込んだビットコインの大引越しです。

現在、発行済みのビットコインは約2000万枚あります。そして、これから技術検証がさらに進めば、量子対策を行ったウォレットや各種サービスがリリースされることになります。

問題は、大量のビットコインの引越しです。ウォレットから量子対策されたウォレットへビットコインを引越しすることになりますが、果たしてどれくらいの量のビットコインが脱落するでしょうか。軽く見積もっても、半分以上のビットコインがこの引越しについて来れず、価値を失う可能性があります。

現時点で、アクセス不能になったビットコインは20%前後とも推計されております。当然、これは引越しできません。総発行量の約5%はサトシ・ナカモトの保有分と推定されており、これも動かない可能性があります。

現在は、移行できないビットコインをどう扱うのかについて議論が続いており、一定期間後に旧方式のビットコインをロックする案も出ています。ハッカーにみすみす取られてしまうよりも、先に使えないようにしようという考えです。

そして、この引越しについていけない一般の方もいることでしょう。この引越しは10年後かもしれません。そういった意味でも、現物でビットコインを持ち続けるという行為のリスクが年々増していることを、しっかりと理解しておきましょう。

量子対策のBTC大移動、自己管理だけが選択肢ではない

どうすれば良いかの選択肢はかなりシンプルで、国内証券会社でビットコインETFとして保有する、または取引所に現物を預けるのどちらかです。あとは金融機関が責任を持って引越し対応をしてくれます。

間違っても海外取引所に入れないようにしましょう。「引越し詐欺にあって全損しました。ごめんなさい」で終わります。

ニュースは、必ずしもすべてが正確とは限りません。 また、誰が発言しているかによって、同じ事実でも意味は大きく変わります。 そもそもニュースは、出来事の「一部」しか切り取って発信されないものです。

だからこそ、ニュースだけを材料に未来を断定すると、判断を誤りやすくなります。 ただし、ニュースそのものが無価値なのではありません。 読み手が、まだ読み方を知らないだけです。

無知は無能ではありません。 ニュースの構造や背景を意識して読み解く練習を重ねれば、誰でも「今の情報」から「これから起きる流れ」を捉えられるようになります。 このメディアでは、そのための視点と考え方を伝えていきます。

この記事を書いた人

伊藤健次

日本最大級の暗号通貨サイト【COIN OTAKU】編集長 1984年生まれ 静岡県出身 慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科 ヘルスケアポリシー&マネジメント集中コース終了 株式会社ソクラテス 代表取締役 / 国内企業暗号資産事業顧問 / 暗号資産取引所アドバイザー / 暗号資産投資アナリスト / Fintechコンサルタント / 暗号資産非公式アーティスト /YouTuber テレビ東京WBS出演 テレビ東京モーニングサテライト出演 NHKおはよう日本出演 BS11 真相解説 仮想通貨NEWS!出演 その他各メディア取材、出演

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