バイナンス BTC取引量の9割を占有 他取引所に圧勝の22年
暗号資産業界のデータ分析を手がけるArcane Researchは12月末、バイナンスのビットコイン現物取引高が9割を超えたことを示す市場レポートを公開した。
レポートではバイナンスがビットコイン現物ペアの取引手数料を無料にしたことがビットコイン現物取引高急増をもたらしたと結論づけており、昨年の一月から45%増を記録している。
さらにデリバティブ(先物・オプション・スワップ取引)取引量が多い点、雇用増加、企業買収にも触れ、業界内でのバイナンスの高いプレゼンスを示した。
また、必要な施策として規制回避を目的として拠点を不明確にしていることへの対応をあげている。
バイナンス、ビットコイン現物取引高の9割を占有=Arcane research
COIN POST
バイナンス独占は悪なのか正義なのか
2022年の勝者はバイナンスであるというニュースです。BTC取引シェア率は2021年よりも倍近く上昇しており90%以上のBTC取引はバイナンスで行われているという記録となりました。
これが何を意味するのかを解説します。バイナンスが世界NO.1の取引所だから安心安全で大丈夫と考えると想定外の結果になるかもしれません。世界NO.1の取引量であることはとても良いことですが、その割合が過剰です。
バイナンスが業界大手と呼ばれる所以はその巨大な取引量にあります。2018年からずっと首位である理由の一つに、BtoBの取引が挙げられます。取引所が取引をカバーする時、すなわち、自前の取引ではグローバル価格が維持できない瞬間的なボリューム増の時の対応にバイナンスを頼ります。
バイナンスは取引所の価格形成をサポートしているということです。バイナンス以外の取引所で稀にグローバル価格から著しく異なる価格を提示されるのはそのためです。
ビットコインの急落、急騰の度にバイナンスの役割は重要になってきました。ちなみに、日本の取引所がグローバル価格からの乖離が少ない理由は販売所のシステムのおかげです。
手数料が高いと否定されがちの販売所ですが、その恩恵は十分あります。そして、2022年の度重なるショックで世界中の取引所は事業が崩壊するリスクにさらされており、バイナンスのサポートのよってギリギリ生き延びているという状況になっております。
結果、BTC取引量の90%以上はバイナンスが行っているという状況になりました。お気づきの通り、ビットコインの価格はバイナンスがコントロールしていることになります。
これが市場では危険ではないか?という議論になります。世界中で独占禁止法がありますので、ビットコインの価格を上げようが下げようがバイナンスの意思が介入した時点で独禁法違反となります。
しかし、証明は難しいためバイナンス社に委ねるしかありません。そこまで大ごとになっていない理由の一つにバイナンスは日本をはじめとした世界中にローカライズした取引所を作り、1社独占の形を自ら分散しようと努力をしている点が挙げられます。
個人的にはバイナンスがビットコインをコントロールしていることで維持できている価格帯でもあるので、市場黎明期のうちは取引所が価格をある程度コントロールすることに賛成です。
その他のおすすめ記事
【伊藤が解説します】日本政府暗号資産(仮想通貨)業者間の情報共有義務付け
【伊藤が解説します】ミクシィ×DAZN NFT二次流通市場を解禁
【伊藤が解説します】グレースケール、仮想通貨投資信託についてSECから調査
この記事を書いた人
-
「暗号資産市場の最前線を知る男」として世界中の暗号資産界隈の人脈を持ち、国内外のイベントに引っ張りだこ。
現在、毎週TwitterとYoutubeにてLIVEを発信中。
▶︎Twitter ▶︎YouTube ▶︎LINE
最新の投稿
- ニュース2024年12月10日【伊藤が解説】量子コンピューターとブロックチェーン技術の未来
- ニュース2024年12月9日【伊藤が解説】ビットコイン保有を検討するアマゾン、日本はどうする?
- ニュース2024年12月8日【伊藤が解説】アルトバブルが到来!情報戦が鍵を握る仮想通貨市場
- PR2024年12月7日[PR]Metaplexプロトコル、2024年11月に過去最高のプロトコル収益を達成‼︎