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【伊藤が解説】3メガバンクら国内10社、「ジャパン・メタバース経済圏」の創出へ合意

2023.03.02

企業向けのオープン・メタバース基盤「リュウグウコク（仮）」を構築へ

国内の3メガバンクや富士通を含む10社が、仮想領域を活用したDX（デジタル・トランスフォーメーション）のため、「ジャパン・メタバース経済圏」の創出に向けて基本合意書を締結したことが明らかになった。

各社の技術やサービスを結集し、企業向けのオープン・メタバース基盤「リュウグウコク（仮）」を構築する計画で、プラットフォーム内のメタバース同士の連携や異なるメタバースプラットフォーム同士の相互運用を実現する。

Web3技術も導入される予定で、利用企業はリュウグウコクを活用することで、情報発信やマーケティング、働き方改革などのDXと消費者EX（エクスペリエンス・トランスフォーメーション）を実現できる。

三菱UFJ、損害保険ジャパン、富士通の3社は、Web3関連の取り組みを行う。三菱UFJはWeb3型メタバース金融機能を提供し、損害保険ジャパンはWeb3時代に向けたリスク分析および保険開発、富士通はデジタルデータ権利管理などWeb3関連技術の提供を行う。

今回の構想に賛同する企業を広く募り、経済圏を拡大していく計画であり、2023年夏をめどにメディア発表会を開催する予定だ。メタバース事業に参入する企業にリュウグウコクの利用を促し、事業や利用者の効率性や利便性を向上させることが狙いである。

3メガバンクら国内企業10社、Web3技術を活用してメタバース基盤構築へ

COIN POST

リュウグウコク」の意義と課題

このニュース、 伊藤が解説します。

みずほ、三井住友、三菱UFJのメガバンクを始め、合計１０社の大企業が集まり、日本最大級メタバースプラットフォーム『リュウグウコク』の基本合意が締結されました。

もちろん、ブロックチェーン技術を採用したWEB3.0も取り入れられます。これ以上無い大企業が集まってスタートするわけですが、今のところ賛否両論です。皆さんは成功するイメージが持てますか？賛否両方の側面から解説します。

まず、なぜパッとしないのかです。世界中を探してもメタバースで成功事例はありません。天下のMeta社（元Facebook社）ですらメタバース事業は失敗の雰囲気が出ております。

理由は単純でメタバースで何ができるか分からない点と具体的な顧客像が定まらない点にあります。あまりにも不確定要素だらけなので新規参入する企業がいるのかどうか不安になります。メタバースに懐疑的になる方の意見はこんなところでしょう。

実は伊藤はとても成功するイメージを持っております。まず、ニュースはタイトルで気を引く必要がありますので、過剰な煽りが含まれます。そもそも、この企業の集まりはメタバースを作るわけではありません。今後、メタバースという事業を展開する企業に必要な「保険と金融」という集まった１０社の本業サービスを提供する準備をしようという話です。

『リュウグウコク』が作られることで、企業はメタバース事業に参入しやすくなります。メタバース事業を提供するときに、顧客の決済手段がわからない、想定されるリスクをヘッジできないという状況では大手企業が参入できません。

『リュウグウコク』とても重要な役割を担っております。ではどこがメタバース事業やるの？という話ですが、まだ全然先の未来です。

政府がキャッシュレスを後押ししているように、世の中に存在するサービスの大半をデジタル化するという野望があります。デジタル化しなくてもある程度回っているというのが日本企業です。これではマイナンバーカードと同じで『いらないからやらない』ということになります。

メタバースをとても魅力的なものとして見せることで企業のデジタル化のやる気を促す意図はあるでしょう。ということは、日本中がメタバースの大合唱になる可能性があります。ここで気をつけていただきたいのは、メタバースで成功する企業はごく一部ということです。

デジタル化は全ての企業が行うことになるでしょう。すなわち、失敗するメタバースが過剰に増えることが予想されます。今更メタバースに投資しよう！という方は少ないかもしれませんが、世の中の動きに踊らされないように気をつけましょう。