2023年4月から開始予定
日本銀行(日銀)は、2023年4月から中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロット実験を実施することを発表しました。これは、技術的な実現可能性の検証を行う「概念実証」が予定通り3月で終了し、実際のシステムによるエンドツーエンドでの処理の流れを確認するために実施されるものです。
パイロット実験では、中央システムからエンドポイントデバイスまでを一体的に実装し、民間企業の技術や知見を活用して技術面と運用面の検証を行います。ただし、消費者や店舗が関与する実取引は現時点では想定されておらず、実験の内容や参加者との議論・検討の内容はタイミングをみて公表される予定です。
日銀は、CBDCフォーラムを設置し、個人や企業の決済(リテール決済)に関わる民間企業に参加を募り、議論や検討を行っていくと述べました。また、CBDCを導入するかは現時点でも未確定であり、国民的な議論で決定するとの考えを示し、様々な環境変化に対応できるように準備を進めていくとしています。
2023年度は参加者や実験用システム構築等に関わる委託先を選定し、参加者との議論・検討や実験用システムの開発を進める予定で、必要な場合に実験の内容や参加者の範囲を段階的に拡大する計画だと説明されています。
日銀、4月から中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロット実験を開始
COIN POST
【伊藤が解説】CBDCとは何か?
日本の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験が2023年4月から始まります。もともと準備は進めており、いよいよ稼働に向けて具体化したというニュースです。
いくつかコメントでも『CBDC不要』『紙の通貨で十分』『浸透しない』などネガティブな意見が見られますが、圧倒的にメリットが大きいCBDCは広め方なんて考える必要はありません。勝手に日本国民が全員利用するようになるでしょう。その理由について解説します。
よくある誤解でCBDCはブロックチェーンを採用しない可能性が高いです。デジタル通貨という点で仮想通貨関連のメディアが話題にしますが、CBDCの魅力と仮想通貨の魅力は根本が違いますので混同しないようにご注意ください。
CBDCの一番の魅力は国家がお金をコントロールできるという点にあります。いまでも十分コントロールできていると感じる方には『詐欺』や『不正』がなくなると理解してもらったら良いです。
お金に関するトラブルも大体が解決します。未払いや契約不履行もなくなります。そもそもなぜ詐欺や不正や未払いが存在するかというと取り締まるコストが高いからです。
自動車に関わる軽犯罪と似ております。スピード違反、違法駐車、ながら運転、シートベルト未着用、全て違法行為ですが、全部を取り締まることは今のルールでは難しいです。
例えば、ドライブレコーダーと免許証のデータがリアルタイムで情報のやり取りがあれば、スピード違反をしたたびに免許証の点数を引くことが可能です。この流れが法定通貨でできるのがCBDCです。多くの犯罪は起きてしまった後に罪を罰することになります。
デジタルの流れは犯罪がそもそも起きない仕組みを作ることが可能です。銀行口座とマイナンバーカードが紐づくだけで詐欺や不正はなくなります。マイナンバーカード否定派の中には詐欺師も多いと思います。
詐欺師はかなり賢い人が多いです。今のルールだとビジネスをするよりも詐欺をする方が効率よくリスク低く稼げるため、詐欺師が右肩上がりで増加中です。これもインフラが今の事情と合っていないから起きております。
CBDCやマイナンバーを浸透させることで一気に犯罪のリスクが高まるため、犯罪が激減する見込みです。また、不正受給や詐欺被害金は通常取り返しができません。CBDCなら全ての不正送金はやり直しが効きますのでお金が取られるという事件が国内からなくなります。
いいことづくめですがなぜまだやらないかというと今の法定通貨の運用で恩恵を受けている人があまりにも多いからです。日本がまともな社会になることを祈っております。
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