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【伊藤が解説します】仮想通貨投資で約2.5億円の損失、NFTゲーム企業「Ragnarok」CEO謝罪

2022.09.07

ニュース概要

メタバースのNFT（非代替性トークン）ゲームを開発するスタートアップ企業「Ragnarok」の最高経営責任者（CEO）Fanfaron氏は8月27日、資産を多様化するためにプロジェクト資金で暗号資産（仮想通貨）投資を行い、約2.5億円（180万ドル超）の損失を出したことを公表した。
イーサリアム（ETH）の価格が下落した際、プロジェクトにとって有益な投資機会になると思ったFanfaron氏は、イーサリアムを複数回に渡って購入し、その後、価格下落リスクを回避したり、より良いタイミングで再投資したりするために、複数回に分けてイーサリアムの売却を行ったことで損失を出したという。
Fanfaron氏は、Ragnarokの資金を使ったトレードで出した損失は全て返済すると述べ、すでに返済は開始している。また、損失を出したメンバーも返済を申し出ていると説明した。
今後もCEOの職務は継続し、現在残っている約13億円（1,000万ドル超）のプロジェクト資金は、開発や税金の支払いなどに使うと述べている。

仮想通貨投資で約2.5億円の損失、NFTゲーム企業「Ragnarok」CEO謝罪
NFTゲーム企業「Ragnarok」のCEO、仮想通貨投資による2.5億円の損失を謝罪

COIN POST

伊藤健次のコメント

このニュース、 伊藤が解説します。

NFTゲームの運営が暗号資産で損失を出したことがニュースになっております。
暗号資産市場が下火なのでこの運営以外にも大多数の暗号資産系プロジェクトが損失を出していることでしょう。
問題はNFTゲーム企業の価値の評価が暗号資産算だけではなく法定通貨資産ベースでされていることです。
経済活動の大多数が法定通貨で行われているので当然といえます。
しかし、将来的にはNFTゲームや暗号資産やWEB3といった文脈の企業の評価は暗号資産残高でされるタイミングが来ることでしょう。
また、暗号資産市場とリンクしているNFTゲーム業界では、暗号資産市場の価値の変動に巻き込まれることになります。
例えば、現在日本円は歴史的な円安の局面を迎えており、どのゲーム会社、どの事業会社においても対ドルの資産価値は大幅に減少していることでしょう。
だからと言って、その企業が生み出す製品の価値が落ちているわけではありませんし、その企業だけの経営手腕の影響ともいえません。
そのような当たり前のことが、今は暗号資産市場の至る所で起きてしまっております。
ここで、未来のイメージを持てるようにNFTゲームの将来について構想を解説します。
ゲームの世界のプレイヤー同士では「法定通貨をいくら持っているから偉い、または、成功している」という価値観は生まれません。
シンプルにそのゲームにおける実績であったり役割であったりで評価されます。
そして、その評価に価値があるわけです。
いままでのゲームではその評価はゲームの外、いわゆる現実社会では全く評価されることはありませんでした。
どれだけレアアイテムを保有していても、ゲーム内最大級のギルドを率いていても現実社会では無価値そのものでした。
NFTの登場によりゲームと現実社会が融合します。
レアアイテムにはゲームの中だけではなく、社会的にもメリットが生まれるようになり、ゲーム内のギルドはそのまま別の形でチームが維持されます。
もちろん、これを金銭価値のあるものにトレードすることはできるのですが、それは最後の手段に近いもので、家族に相続をしたときに売却される資産のような振る舞いになることでしょう。
第三者が評価するときに初めて金銭的な価値で評価されます。
金銭的な価値は最も価値が低いともいえます。
NFTゲームが広がるためのインセンティブとして『稼げる・儲かる』などの表現が使われることが多いですが、すでにNFTもブロックチェーンゲームも一通りの実証実験は終わっております。
これから誕生するNFTゲームは稼げる・儲かる必要はありません。
価値の高いゲームや空間さえ提供をできていればコミュニティは永続的に機能することになります。