中央集権的な仮想通貨取引所は、何年にもわたってハッキングや、規制当局の監視から数々の攻撃を受けてきた。 当時ビットコイン取引の70%を扱っていたMt. Goxで2011年に起きた悪名高いハッキング事件以降、驚くほど多くの仮想通貨取引所で ハッキングやエクスプロイトを経験し、何十億ドルもの損失を被った。何か問題が起きたときに顧客の資金を回収する適切な仕組みがなかったため、当時の仮想通貨取引所は理想的なカストディアンとは程遠い存在だった。
「ユーザーは一度自分の仮想通貨資産を中央集権的な取引所に送ってしまうと、その資金をもはや所有はできなくなってしまう」ということを皆が理解するには、FTXのようなトップクラスの仮想通貨取引所の派手な崩壊劇が必要だった。仮想通貨の取引所が行方不明になった80億ドルの顧客資金の取引を行ったり、引き出したりする権利を持っているということが白日の下にさらされると、「not your keys, not your coins(鍵の所有者こそが、コインの所有者である)」という有名なフレーズが再度注目されるようになった。
FTXの失敗を受け、トレーダーや投資家は大量の仮想通貨を中央集権的な取引所から、セルフカストディ(または非カストディ型)ウォレットに移動し、自分で完全に管理できるようにした。セルフカストディの急成長により、仮想通貨ユーザーは全体的な経済的幸福の観点から、より健全なプロファイルに適合し始めた。
セルフカストディへの移動により、管理や保護については十分な体制となったものの、ユーザーが必要とする取引や投資に関係する主要な機能については補えていない。分散型金融はもはやベアボーンスペースではないため、分散型金融(DeFi)の開発者は中央集権的なエンティティから移行した仮想通貨ユーザーのニーズに素早く対応した。
仮想通貨資産のコントロールを第三者に委ねず、自ら高度な取引機能を実行したい仮想通貨トレーダーのために、DeFiが作ったのは分散型オルタナティブ。ポリゴン(Polygon)ネットワーク上に構築されたDPEX は、ビットコイン、イーサリアム、ポリゴンなどの仮想通貨をセルフカストディウォレットを介して最大50倍のレバレッジで取引したいユーザー向けソリューションの1つで、分散型永久取引所であるDPEXは、低価格取引手数料ながら、ユーザーは有効期限のない永久契約取引が可能。
セルフカストディとユーティリティの融合
このプラットフォームは直感的なデザインで、熟練トレーダーもDeFi初心者も簡単に楽しめるシンプルな画面構成となっている。ユーザーは搭載された実用的なツールを使ってスワップ、マーケットメイク、レバレッジ取引、スプレッド等が可能。また、このプラットフォームは、ポリゴンネットワークの10億ドルのTVL(預かり資産合計)に支えられたマルチアセット流動性プールを備えている。
MetaMaskやWalletConnectなどのセルフカストディウォレットを使用してアプリにアクセスし、同じ画面からロングポジションやショートポジションを開いたり、スワップを行ったりすることが可能。また、トラストレスという性質からKYCの検証を行うことなく取引を行え、資金管理に第三者が関与せず、DPEXユーザーを悪意のある活動から保護するという利点もある。
DPEXでレバレッジを効かせた取引についての詳細は、こちらをご覧ください。
このプラットフォームは、DPEX財団という名の分散型自律組織によって管理されている。ユーザーが自分の資産を完全にコントロールし、レバレッジ取引やオンチェーン投票に従事できるようにすることが、DPEX DAOの2つの主な目的となっている。プラットフォームのユーティリティおよびガバナンストークンとして機能するDPEXトークンを利用することで、ユーザーはエコシステムに参加し、プラットフォームの開発に対して発言権を持つことができるようになる。LPトークンはDPLPと名付けられ、リクイディティー・プロバイダー向けに設計されている。ローンチ時には、DPLPはポリゴン、イーサリアム、ラップドビットコイン、USDコインを含む4つの主要資産を提供し、コミュニティはそれ以上の追加を承認することができる。
DPEXの中のチームは最近、100万eDPEXトークンのエアドロップを発表した。イーサリアム・ブロックチェーンに記録されたGMX、DYDX、シンセティックスを保有する仮想通貨所有者は、PolygonウォレットにeDPEXトークンをエアドロップしてもらう資格を所有し、eDPEXトークンは、プラットフォームの正式ローンチ後に1:1の比率でDPEXに変換することも可能。
セルフカストディへの関心度が上昇したことで、DeFiエコシステムはますます開発が進み、申し分のないメインストリームのサービスになっていくことが期待できる。昨今の仮想通貨ユーザーは、新しいプラットフォームを選ぶ際に自分が必要な機能をよりはっきりとイメージしているため、開発者はその期待を超えるべく日々努力している。DPEXのようなプロジェクトにより、分散型取引は、資金自ら管理しながらより安全な環境で取引したいと考える大多数のユーザーにとって、仮想通貨取引を始める第一歩となる可能性を秘めている。
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