MT GOX債権者への弁済が近く開始
暗号資産(仮想通貨)取引所MT GOXの破綻から8年半後、債権者への弁済が間もなく始まる見通しとなった。MT GOXは1月6日、弁済手続きの登録期限変更を発表し、23年7月31日から同年9月30日に変更された。
債権者は早期一括弁済を選択すれば、債務額の90%を受け取ることができる。また、弁済の方法や受取先情報なども登録する必要がある。
以下、マウントゴックスが公開した弁済機能(2022年10月公開)
報告によると、MT GOXの保有資産は現預金で約693億9760万円、仮想通貨で14万1,686BTCと14万2,846BCH。弁済は再生計画に基づいて行われるが、選択をしない場合は破産に関する民事訴訟の終了を待つ必要がある。債権者の中には、早ければ今月中にも弁済を受けられる可能性があると予想している。
また、最大の債権者である取引所「Bitcoinica」とMT GOX投資ファンド「MGIF」は、ビットコインで債権を受け取ることを決定し、これによりビットコインの大量売却による市場への影響が軽減されることになる。
COIN POST
返済が始まるマウントゴックス被害者、得をする?
日本で起きた最大の仮想通貨ハッキング事件として悪名高いマウントゴックス。今では、仮想通貨を紛失することを『ゴックスした!』と言うことは減りましたが、経験の長いユーザーは一時代を築いたネットスラングとして懐かしいと感じることでしょう。
そんなマウントゴックスで自身の資産が償還されなくなってしまった被害者の方に、いよいよ2023年3月から早期弁済が始まります。問題は、被害にあった方の多くが得をしたと言うことです。この辺りを解説します。
まず、マウントゴックスは2014年に倒産しております。その時の被害総額は100億円程度です。いよいよ弁済が始まると言う段階の2023年のマウントゴックスの保有資産は約700億円の現金プラス14万BTC(約4200億円)です。めちゃくちゃ増えてます。
これは当然で、当時被害があった方の平均取得BTC価格はおよそ1万円〜2万円くらいの単価です。返済が始まるいまのBTC単価はおよそ300万円と300倍に値上がりしております。債務金額の90%が返済されるわけですから、100万円分のBTCを当時保有していた方は300倍の90%ですから270倍の資産になって返却されることになります。
当時被害に遭った方は基本的には億り人になってしまうわけです。外野からしたら心配になるのは売り圧です。返済されたBTCが全部売却されたら相場はかなり暴落します。いまのBTCの流動性から考えると数百億円規模で10%程度は落ちますので、20〜30%程度暴落するのでは?と考える人もおります。
色々な仕組みがあり売り圧は分散される見込みです。さらに被害者の多くは日本人のため雑所得の課税から逃れることはできません。当面のビットコインにネガティブなニュースはありませんから、長期保有を選択しやすい環境ともいえます。
このような事実が元に仮想通貨の投資はガチホが正解と誤認されやすいですが、2023年の環境からすると必ずしもガチホだけが正しい戦略とはいえないでしょう。また1年2年のガチホではなく10年近いガチホですから、仮想通貨以外でもここまで長期間の保有を続ければそれなりに価値は上がります。
FTXの倒産の際も多くの方が『10年後に帰ってきたらもしかしたら爆上げしているかも』と考えたわけではなく『早く返済してほしい!』と大きなストレスを抱える結果になっております。
結果だけ見て美談にするのではなく、常にリスクをヘッジした行動を取れるようにしましょう。非常に巨額の資金が結果的に日本の市場に開放されますので、個人的には市場の盛り上がりを期待しております。
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