取引とICOは違法ですが、OTC取引は合法
中国では暗号資産の取引やICOは法律で禁じられており金融機関もこの分野のプロジェクトには関与できず、先月にはマイニングも禁止にする方針を政府が打ち出しています。
しかしながら、取引などが違法にも関わらず、実は中国国民は法的にビットコインを所有することが許可されています。
これは、中国銀行法研究協会の評議員によって最近発表され明らかになり、 OTC取引でのビットコインの交換は合法である と述べました。
OTC取引とはOver The Counterの略称で、店頭取引と呼ばれ、取引所を介さない直接的な取引のことを言い、売買は個人間の1対1で行われ、取引方法や価格、決済方法の詳細なども当事者間で決定します。
この国の法律によると、OTC取引とは所有者が自分の資産に関する権利を新しい所有者に譲渡する「権力の処分」という行為に当たるため、資産をどのように処分するかは所有者の私的権利であり、他の者は干渉する権利はない。というものです。よって暗号資産のOTC取引も犯罪とは見なされません。
しかし、中国の大手IT企業テンセントが運営する「WeChat」では、暗号資産関連の取引やICOに係る活動を5月末から禁止となることが明らかになっており、これによりOTC取引を行う時の決済方法として利用されていた「WeChatPay」の決済機能が制限されるので、中国で主流となるOTC取引に影響を与えるのではないかと不安の声も出ています。
中国政府はブロックチェーン技術に多額の投資を行っています
暗号資産の取引などが禁止にも関わらず、 中国政府はブロックチェーン技術に投資しています。
偽物やコピー商品のイメージが強い中国ですが、政府は本気でこれらを撲滅したいと考えており、最近だと中国政府のブロックチェーン基金が立ち上げられました。
このファンドは、革新的な新興企業への投資に16億ドルの資金を提供していますし、中国EC大手・アリババは20の国際的ブランドと連携し「ビッグデータ反模倣品連合」という組織を結成しました。
この組織の目標と構想は、製品リストや顧客の評価を人工知能で解析し、模造品や商品の欠陥を見つけるというものです。
日本企業の楽天も中国のブロックチェーン企業と提携し、中国ブロックチェーン市場へ参入致します。
同国の大統領である習近平も、ブロックチェーンが「新しい産業革命」の一部となることを知らせました。
政府の姿勢はブロックチェーン技術を基盤とするアプリケーションの開発には極めて協力的なので、ビットコインの次はブロックチェーンでも賑わせてきそうですね。
政府は一度決めたことを簡単には覆す事はできません。その為、十分な検討をもって物事を進めますが、暗号資産の市場のように非常にスピードの速い事象に対しては耐性がありません。
日本でも早期に決めた法律が足かせになってしまい、後からつじつまを合わせることに必死になるという場面がありました。
中国も同様のジレンマを抱えてしまっているのですが、解消の方法が強引で波紋を呼んでおります。
一部では違法であり、一部では合法であるという本来同時に起こりえないこともまかり通っております。 良く言えば柔軟性がある対応ですが、節操がないとも言えます。
他国はこれらの国の事例を参考にし慎重に法整備を進めておりますが、いずれの国も規制は掛けつつも期待のおける新規市場として着目しているという姿勢は変わらないでしょう。
背に腹は代えられない中国はこれからも自ら決めたルールを壊すような動きをすると思いますが、それだけ ブロックチェーンが生み出す新規市場の魅力が強い ことを感じることができます。
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