皆さん、こんにちは。コインオタク編集長の伊藤健次です。
突然ですが、「世界政府」という言葉を聞いたことはありますか?
漫画や空想の世界ではよく登場する概念です。
Wikipediaにもしっかりとその旨が書かれております。
空想の話で終われば良かったのですが、刻一刻と世界政府は実現に向かって進んでおります。
前回は「そもそも世界政府とはなにか」「有識者の見解」「世界政府の条件」について解説しました。
https://coin-otaku.com/topic/gray_56477
今回は「世界政府と勘違いされる国際機関」「ビルダーバーグ会議とは何か」「世界秩序とは何か」について解説していきます。
世界政府と勘違いされる国際機関
国際機関とは複数の国にまたがって存在し、国際的に活動を行う組織のことです。
政府間組織 (IGO)と国際非政府組織 (INGO)の大きく二つに分かれます。
代表的なもので言えば、IGOは国際連合(通称:国連)であり、INGOは国際オリンピック委員会 (IOC)です。
複数国にまたがっていることから国際機関の大きい組織は世界をコントロールしていると誤解されやすいです。
最も多い193か国が加盟している国連は世界政府になることはできないのでしょうか。
これは国連自体が明確に否定をしております。
その一文を抜粋します。
国連はバランスをとるために存在しており、世界政府として活動する金も力も十分にはありませんという事を発表しております。
最近では世界保健機関(WHO)もやり玉に挙がっております。
これは2020年に流行した新型コロナウイルスのパンデミックが起きたのは、WHOが政治的に中国に加担したことが原因であるという論争です。
これに対し、擁護する声として「WHOは世界政府ではない」という主張があります。
強制力を持って各国に指示をするほどの権限を与えられていないという事です。
あくまでもWHOは必要な情報やリソースを提供するだけであり、加盟国の自発的な協力がなければ何もできないのが実態です。
だからと言って無価値という事ではなく、WHOが残した功績に「天然痘の撲滅」があります。
これはWHOだけで成し得たのではなく、当時政治的に対立していた米国とソ連が協力をし、WHOの名のもとに共同のキャンペーンを行い、人類史上に残る功績となりました。
WHOという組織があったからこそ手を取り合うことができたと言えるでしょう。
話をもとに戻すと、国際機関はそのいずれも世界政府というには十分な機能を備えてはいないと言えるでしょう。
このような国際機関が力を持つことは厄介であるため、設立時に大きな権限を保有しないように仕組まれております。
その為、国際機関は一つの大きな組織があるのではなく、分野を分け、200ほどの数が存在しております。
このような状況から今後も国際機関から世界政府が誕生するという流れはなさそうです。
世界政府と揶揄される国際会議「ビルダーバーグ会議」とは何か
国際機関以外にも世界政府と勘違いされるものがあります。
その一つが「ビルダーバーグ会議」です。
これは1954年から毎年1回、世界的影響力を持つ人物や企業、機関の代表が130-150人ほど集まり、世界の重要問題や今後の主に政治経済や社会等を主なテーマに完全非公開で討議する秘密会議です。
(出典:Wikipedia http://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=1157113)
確かに、権力のある政治家や企業や王族などが一堂に会したら何かきな臭い動きを勘ぐってしまいます。
ビルダーバーグ会議は秘密裏に行われている為、会議内容は一切公開されません。
しかし、参加者には有名人が多いため公の場で一部情報を公開することもあります。
ビルダーバーグ会議が世界政府ではないのか?と思われたきっかけは大きく二つあります。
一つはこの会議体を仕切る中心メンバーがデイヴィッド・ロックフェラー氏(ロックフェラー家第3代当主)やヘンリー・キッシンジャー氏であること。
そしてもう一つは、会議に参加した時に州知事だったビル・クリントン氏が1年半後にアメリカ大統領に就任したこと。
一人の政治家であったトニー・ブレア氏が会議に参加した4年後にイギリス首相に就任したことです。
もちろん偶然かもしれませんし、もともとこの会議に参加できるほどの人材であれば国のトップになる可能性は高いとも言えるでしょう。
どちらにしても、かなりの権力者達が毎年顔を合わせて、話をしていることは間違いありません。
気になるのはこのビルダーバーグ会議に日本人は参加しているのか?です。
ビルダーバーグ会議はアングロ・サクソン人(英米などの英語圏白人)が中心となっており、非欧米諸国の参加者は極端に少ないです。
グローバル化が進むにつれて多様な国の参加者が見られるようになりましたが、いま現在であっても欧米諸国中心の集まりになっております。
そして、日本から公式に参加した人物は一人もおりません。
過去に一度だけ、国際機関の国際エネルギー機関事務局長を務めた日本人が招待されたことがありますが、これは厳密に言えば日本からの参加とはカウントされておりません。
三極委員会(いまは日米欧委員会)という国際社会における日本・北米・欧州(三極)の協同を促進する為に設立された非営利の政策協議組織がありますが、これはビルダーバーグ会議に日本が参加していないことが問題にならないように設立したと言われております。
実際、三極委員会の欧米諸国参加者はビルダーバーグ会議の参加者と重複しております。
世界がどこに向かっているかを話し合う会議に日本が参加していないのは、それだけ世界的に日本の立場は軽んじられているか、米国の決定に従う米国の傘下として見られている節がありそうです。
陰謀論で語られる世界政府の概念「新世界秩序」とは何か
世界政府と近い言葉として新世界秩序(しんせかいちつじょ、New World Order、略称:NWO)があります。
これは政治的な意味よりも陰謀論としての知名度の方が高いと言えるでしょう。
実際には新世界秩序も国際政治学の用語であり、ポスト冷戦体制の国際秩序のことを指します。
歴史から紐解くと、米国とソ連の冷戦は世界を巻き込み東西対立を招きました。
この米ソ冷戦が終結されたことで米ソ以外の地域での東西対立も解消され、対立から民主主義と人権意識の地球化への動きに変化します。
具体的な敵が不在となったため、冷戦は終わったが次に何がくるのかは不明確という含みがある主張としてポスト冷戦体制という言葉が使われるようになりました。
そんな先の見えない新しい時代の秩序という事で地球レベルでの政治・経済・金融・社会政策の統一、究極的には末端の個人レベルでの思想や行動の統制・統御を目的とする管理社会の実現を指すものという意味が含まれております。
この言葉が公で使われて有名になったのは、1990年9月11日に時のアメリカ大統領ジョージ・H・W・ブッシュが湾岸戦争前に連邦議会で行った『新世界秩序へ向けて(Toward a New World Order)』というスピーチでした。
今日まで我々が知っていた世界とは、分断された世界―有刺鉄線とコンクリートブロック、対立と冷戦の世界でした。今、我々は新世界への到達を目にしています。まさに真の新世界秩序という可能性です。ウィンストン・チャーチルの言葉で言えば、正義と公正の原理により弱者が強者から守られる世界秩序です。国連が、冷戦という行き詰まりから解放され、その創設者の歴史観を貫徹する準備の出来た世界、自由と人権の尊重が全ての国家において見出せる世界です。
(出典:新世界秩序へ向けて(Toward a New World Order) より抜粋)
ヘンリー・キッシンジャー氏、ビル・クリントン氏、トニー・ブレア氏、デイビッド・ロックフェラー氏も新世界秩序(New World Order)という言葉を使います。
さらに、アメリカ合衆国の国章の裏側にはラテン語で”novus ordo seclorum”と書かれており 直訳すると”New Order of the Ages(時代の新秩序)という意味になります。
いよいよ陰謀論めいてきましたね。
結局、陰謀論というものは地球単位で物事を考える必要が出てきた時代に、国家を動かす力のあるパワーエリート階級の人物が関わる全ての議題が陰謀論の源流となります。
現在進行形で話される内容の多くを外部へ伝えることはできませんし、議事録として公開されることもありません。
結果、自分たちの知らないところで何をしているのか不安を感じる庶民が「陰謀論」という言葉を生み出し、本筋の議論とは別で話題にされ話が進んでいきます。
陰謀論というテーマは「本当に実態のある議論」と「好き勝手に話されるトンデモ議論」が混同することになります。
「新世界秩序」も本来の意味としては、米ソ冷戦が終結した際に国家間で混乱が生じないように米国が未来のビジョンを示した言葉にすぎません。
現在も「新世界秩序」の構想が実現しているとはいいがたいでしょう。
そして、陰謀論でもなんでもなく、米国政府は『世界は統一するべきだ』と当時は考えておりました。
政治なので民衆の支持により大きく変わります。
世界を統一するべきだと動いていた米国もトランプ政権となり、今では米国さえよければ世界はどうなろうと関係ないというスタンスへ変化しております。
【第2回】世界政府陰謀論まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「世界政府と勘違いされる国際機関」「ビルダーバーグ会議とは何か」「世界秩序とは何か」について解説しました。
世界政府をテーマにするにあたり、世界連邦政府という言葉も触れておく必要があります。
イルミナティカードで有名になった言葉です。
次回は、「イルミナティカード」「世界政府設立宣言」「世界政府には敵が必要?」「私たちが未来」について解説していきます。
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