核開発など国内の情勢が安定しないイランで急激な輸入品の物価上昇などにより国内経済が混乱しています。
このような国内情勢のため自国の法定通貨を暗号資産に換金する人が増えています。
そんなイランと暗号資産がどのような関連性があるのかこの記事でご紹介したいと思います。
米国の核合意離脱によるイラン経済混乱の中暗号資産との繋がりとは
米国がイランの核開発をめぐる多国間合意から離脱したことをうけて、イラン国民がますますビットコイン(BTC)や他の暗号資産を頼りにするようになっている。
引用元:COINTELEGRAPH
イラン市民、暗号資産で25億ドルを国外に送金 経済制裁によるインフレ警戒 (2018年5月11日)
米国がイランの核開発をめぐる多国間合意から離脱したことを受けて、イラン国内で混乱が起きています。外貨獲得源の原油輸出に影響したり、外国からの投資が大きく減ると予想されこの影響によりイランの法定通貨であるリヤルはここ6ヶ月間におよそ4分の1の価値を失っています。
またイラン法定通貨リヤルの価値低下により輸入品の価格が高騰し、ペットボトルの価格が2倍になったり、留学先の子供に今まで通りの仕送りを送ることが困難になるなど生活必需品の高騰が起きています。
そんな不安定な経済の中で、さらにリヤルの価値が下がることを危惧したイラン市民は外貨へ両替をしようと両替機へ列をなしているようです。
自国の 法定通貨を安定させるためイラン政府は通貨のレートを一定にして利上げを行ったり、外貨両替者を逮捕するなどリヤル外国へ流出を阻止する取り組みをしています。
そのような不安定なリヤルをビットコインに換え国外へ送金し資産を守ろうとする市民が増えてきています。
イラン法定通貨の下落に伴い暗号資産で海外送金する市民が後を絶たない
イランの経済委員会のモハンマド・レザ・ポーレブラヒミ委員長によると、イラン国民はこれまでに暗号資産で25億ドルもの額を国外に送金することに成功したという。国外への流出をくい止めるために、イランの中央銀行は4月に国内の金融機関に対して暗号資産の取引を禁止した
引用元:COINTELEGRAPH
イラン市民、暗号資産で25億ドルを国外に送金 経済制裁によるインフレ警戒 (2018年5月11日)
イランの中央銀行は、リヤルの国外流出を防ぐべく4月に国内の金融機関に対して暗号資産の取引を禁止することを発表し、自国の法定通貨を海外流出を阻止しようとしました。
そのような施策を取っている中で現在イランでは17人がローカルビットコインズという世界の売り手と買い手を繋げるサイトを通じて国外へリヤルを逃がしているとされている。このような狭き状況ですが、これまでに25億円を国外へ送金できているといわれています。
金融機関が暗号資産取引を禁止されているわけではあるが 匿名性を重視するモネロやライトコインのようなコインを使った送金はまだまだ行われるのではないか とインテリジェンスマネージャーのプリシラ・モリウチ氏は語っている。
イラン政府は独自の暗号資産の発行に向け動いている
イランの暗号資産の未来は、国民にではなく、政府にあるのかもしれない。イランの情報通信技術省の大臣が2月に、国の銀行システムのための公認のデジタル通貨プロジェクトの存在を明らかにした。同プロジェクトの実験モデルは4月に完成している。
引用元:COINTELEGRAPH
イラン市民、暗号資産で25億ドルを国外に送金 経済制裁によるインフレ警戒 (2018年5月11日)
イラン政府は自国の法定通貨の乱高下に伴い、2018年2月にイランの情報通信技術大臣がイランの銀行システムのための公認デジタル通貨プロジェクトの存在を明らかにしています。
これはリヤルに変わるデジタル通貨を作ることにより 政治的、経済的な影響をうけない通貨を流通させることができ、イラン国内の経済を安定させることができるのではないか と思います。
さらに上記のプロジェクトの実験モデルは4月に完成され実装に向けプロジェクトが進んでおり、今後この取り組みが国内通貨安定へどのような効果があるのか注目です。
似たような事例でベネゼエラ国内のハイパーインフレによる経済混乱を解決する為に政府がデジタル通貨を発行しました。
詳細についてはこちらです。
https://twitter.com/suzukakabane/status/991242931792154624?id=3912
https://coin-otaku.com/topic/11521?id=3923
今後の暗号資産への向き合い方が各国の経済を左右するかもしれない
財務省は、暗号資産に関する海外送金のルールを整備し、3,000万円相当分以上の支払いを当局に報告する基準を明確にすると日本経済新聞が4月4日付で報じた。
引用元:HEDGE GUIDE
財務省、暗号資産の海外送金ルール整備か。資金洗浄抑制へ (2018年4月5日)
イランのように法定通貨を暗号資産を使って海外へ流出することを防ぐ傾向は、日本を始めとした世界各国でも行われ始めています。
日本では財務省が暗号資産に関する送金は3,000万円以上の支払いを当局に報告義務を設ける等、各国暗号資産によって自国の法定通貨の価値が下がらないように何かしらの対策が行われ始めています。
しかし、このような規制を設けるだけでは経済的な要因などで外国に流出を防ぐことはできず、法定通貨の価値を維持するという根本的な解決には至らないのではないかと思います。
翻ってアゼルバイジャン等の暗号資産を受け入れている国々では暗号資産の資金が集まっていき、それが結局増収につながりその国の経済を潤す結果になっている。
このように現在でも各国暗号資産に対し様々な対応をしている中で、この先より顕著に国々ごとの暗号資産に対するとらえ方が異なり、貧富の差がはっきりしてくるのではないかと思います。
どの国にも属さない 世界の軸となる通貨があれば、経済不安により留学を諦めたり、企業間の海外取引等安定して取引を行うことができより、優秀な人材の育成、経済の発展へと繋がっていくのではないかと思います。
その他の国が関わる暗号資産に関する記事はこちら
国内の暗号資産事情に関する記事はこちら
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