Newsweekビットコイン(Bitcoin)特集
Newsweek(2017年11月21日号)にて、ビットコイン(Bitcoin)の特集が組まれました。
今回はその内容について解説していきたいと思います。
ブロックチェーンの維持は難しい
画期的なブロックチェーン技術ですが、多くの協力なくしては維持することが困難です。
永続させるためには課題が山積しています。
ビットコイン(Bitcoin)の分裂は避けられない
今後、より発展してしていくであろうビットコイン(Bitcoin)も分裂は避けられないと伝えています。
ビットコインは本来的には分散型であらねばならないが、このまま成長を続けた場合、果たして統括機関なしで連携を維持できるかという問題だ。維持できないなら、いずれフォーク(分岐・分裂)は避けられない。
引用元:Newsweek
ビットコイン可能性と危険性 (2017年11月21日)より
確かに今後もフォークを繰り返すと考えられます。
ブロックチェーン技術は究極の民主主義とも言われていますが、政治と同じように、 民主主義の最大の欠点は決定が遅いこと です。
全員の認証を得なくてはならないため、平等である一方、取引の成立が遅れてしまいます。
現在巷ではビットコイン(Bitcoin)の送金スピードが速いと認知されていますが、実際は取引の成立が「順番待ち状態」となっており、今後さらに決済が普及したときには大きな問題になりかねません。
そのため、新たな解決手段が次々に登場し、結果として分裂に至るということが繰り返されることは容易に想像されます。
大手に依存しなくてはならないモデル
「みんなで管理しましょう」を合言葉に運営・維持されるビットコインですが、実際のところは大手の取引所などに依存しなくては走り続けられないモデルなのです。
ブロックチェーンは「分散型」であるが故に全権を掌握した責任者がいない。また膨大かつ高速な送金処理を行いつつネットワークを混乱なくアップデートする作業については、取引所などの企業に頼らざるを得ない。
引用元:Newsweek
ビットコイン可能性と危険性 (2017年11月21日)より
フォークすることが悪いことのようにばかり捉えられていますが、そうではないこともあります。
やはり大手企業に依存してしまっている現状から、ある意味では中央集権的なシステムになってしまっているとの見方もできます。
こうした問題点を解決していくためにもシステムそのもののアップデートは必要不可欠でしょう。
その一つの手段として分裂があります 。
より管理に従事しやすいように変えていくことも大切です。
SegWit2xの真の問題とは
2017年10月末にビットコインゴールドに続く分裂のニュースが流れましたが、直前になって中止が発表されました。
ここではビットコイン(Bitcoin)がハードフォークするという流れになった経緯について記されていました。
SegWit2x推進派の意向
SegWit2x推進派の技術者たちが、なぜハードフォークを主張したのか見てみましょう。
ビットコインの平均取引手数料は10・17ドル前後と法外な値段だ。新仕様であるSegWit2xの推進派は、この手数料を抑えるためにブロック(取引記録データ)1つ当たりの記憶容量を増やすことを提案していた。
引用元:Newsweek
ビットコイン可能性と危険性 (2017年11月21日)より
世の中で出回っている情報の中には、銀行の送金手数料よりもビットコイン(Bitcoin)の方が安いと言われています。
しかし、ここからわかるように実際は非常識な額となっているのです。
そのことから考えるに、推進派の主張は正しいように思われます。
世界各地で決済手段としてビットコイン(Bitcoin)が広まり、取引回数は急上昇しています。
各ブロックあたりの容量を増やすことができれば、取引スピードも上がり、利便性が向上する でしょう。
SegWit2x分裂の真の問題点
分裂に際して、反対派は推進派が提案した手続きに問題があると主張したようです。
真の問題は全員の総意による運営というルールを変え、ビットコインの運営に多数決を持ち込もうとした点にある。
引用元:Newsweek
ビットコイン可能性と危険性 (2017年11月21日)より
先から述べているように、ブロックチェーンは参加者全員がその取引データを閲覧し、相互に承認しあうことでその安全性を担保しています。
今回の分裂推進派はそうしたルールを変え、多数決の原理を持ち込もうとしたのです。
現実問題として、その流動性が十分に確保されていないビットコイン(Bitcoin)は今後も取引量が増加していくと考えられます。
先のことも見据えると、総意を取っている暇はないのだという考えには大いに同意できます。
反対派が主張するように、総意を取らなくてはブロックチェーンの根幹を揺るがすという主張もわかります。
しかし政治に例えるならば、仮に民主主義であっても、法案をその都度国民投票によって採決している国はありません。
民主主義国家は代表者を選出し、さらには多数決の原理でその都度決定を下しています。
そのように考えると ビットコイン(Bitcoin)もこのまま総意に基づいた認証をし続けるのは難しい と言えるでしょう。
反対派の主張に隠れた本質
前項で説明したように、総意を取り続けるこのシステムの永続は難しいと考えられます。
それでもなお頑なに反対していたのには、何か他に本質的な理由があるのではないでしょうか。
それを示唆するような内容がありました。
またSegWit2xの導入中止が発表されるに先立ち、人気の暗号資産取引所であるコインベースは、仕様変更でビットコインが分岐した後には「最も採掘の難易度が高いブロックチェーンをビットコインと呼ぶことになるだろう」と発表していた。つまり、枝分かれしたブロックチェーンが「ビットコイン」の名を横取りしていく事態もあり得るということだ。
引用元:Newsweek
ビットコイン可能性と危険性 (2017年11月21日)より
これこそが反対派の本質ではないかと思われます。
推進派はビットコイン(Bitcoin)のマイニングで強大な力を持っていると言われています。
その派閥がビットコイン(Bitcoin)のマイニングから抜けるとなれば、取引の処理スピードが落ちてしまいます。
これを防ぎたいというのが本質的な狙いでしょう。
一取引所がビットコインの名を付け替えると発言したことに過剰反応したことも、やはりそれだけ脅威に感じていることを示している と言えます。
分裂反対派という立場ばかりでなく、推進派の意見も認めた上で、中立的な目線で捉えていきたいところです。
分散型こそ最も大事なこと
ビットコイン(Bitcoin)をはじめとするブロックチェーン技術を用いた暗号資産の在り方について触れられていました。
最も大事なのは「分散型」のネットワークを維持し、暗号強化の開発作業も協力して行うという大原則を守り抜くこと。取引量を増やし手数料を減らすために原則を曲げることは許されないのだ。
引用元:Newsweek
ビットコイン可能性と危険性 (2017年11月21日)より
中央集権ではなく、管理者を分散させて維持にあたるというのはビットコイン(Bitcoin)の肝であります。
SegWit2x分裂で推進派が多数決を持ち込もうとしたことは分散管理という点で問題とすることもできますが、そうでもしないと今後の維持が難しいという見方もできます。
推進派がやろうとしていたことは「原則」を破壊することばかりではないでしょう。
日本がカギを握る今後の市場
今後のビットコイン(Bitcoin)市場のカギを握っているのは日本の投資家たちと言います。
日本のビットコイン利用者は概して使い勝手の良さと投資対象としての価値に注目しており、政治的・哲学的な面にはさほど興味がない。
引用元:Newsweek
ビットコイン可能性と危険性 (2017年11月21日)より
ビットコイン(Bitcoin)保有者の6割以上は日本人だと言われています。
政治的・哲学的な面だけでなく、ブロックチェーン技術などの投資には関係のない話にも興味を示さない傾向があります。
やはり少額から投資できる、簡単に稼げる、といったキーワードに日本人は弱いようです。
終わりに
分裂については様々な意見があるかと思いますが、今回の記事ではあまりに批判的な意見ばかりが目立ちました。
分裂は悪いことばかりではなく、むしろビットコイン(Bitcoin)維持のための手段となることだってあるのです。
今後も分裂騒動は起こるでしょうが、きちんと本質を見極めて投資したいところです。
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written by 今井徹
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