こんにちは、テクニカルスナイパー( @forgoodtrade )です。私はコインオタク編集長の伊藤健次さんに次ぐ立場としてオンラインサロン「COINOTAKU共和国」の専属講師を務めています。
そのご縁からコインオタク公式ホームページにて私の記事を寄稿させていただいています。ぜひ最後までお読みください。
利上げと利下げとは
アメリカの 利上げはドル高の材料で、利上げ打ち止めはドル安 の材料となります。そもそも金利の引き上げや引き下げはマクロ経済分野の基礎中の基礎とも言えることですが、意外にもこの単純な仕組みを知らない方が多いように感じます。
各国の通貨には金利と呼ばれる利息がついており、基本的にはこの 金利が高い通貨のほうが保有メリットが大きい ため、為替市場では買われやすいとされます。
例えば米ドルの金利は日本円よりも高いため、ドル円相場のポジションも74%がロングに傾いているとも言われます。ご存じの通り、日本はマイナス金利を導入しているため、日本円を持っていれば次第に資産評価額は下がっていきます。
マイナス金利ということは日本円を保有している側が利息を支払わなければならないということです。ご自身で金利ランキングをウェブサイト等で調べていただければわかりますが、原則は新興国通貨のほうが金利は高くなっています。
これは通貨の流通量を増やして自国を潤わせたいという狙いのもとであえて金利を引き上げるというもので、デフォルト(債務不履行)による財政破綻が起きやすい国ほど金利が高い傾向があります。
ここ数年ではトルコリラの金利が世界一で通貨を保有しているだけでインカムゲインを得られていた時期がありましたが、信用不安が起こって大暴落を経験しました。
バランスを加味すると日本円で資産の大部分を保有しておくというポートフォリオは危険だという結論になりますが、さほどの預金額がないのであればむしろリスクを取って手元流動性を下げるような投資はしないほうが良いでしょう。
いつでも引き出せること、使い勝手が良いことのほうが優先順位としては高いはずです。
豪ドルと世界経済の相関性について
為替相場では 米国株が下がれば豪ドルも下がりやすく、米国株が上がれば豪ドルも上がりやすくなっています 。
アメリカとオーストラリアの相関性は高く、チャート上のボラティリティも豪ドルのほうが高いので 中級者などは例えばドル円よりも豪ドル円のほうが値幅を抜きやすい でしょう。
またドル高・円高・株安が同時に起こると豪ドル円には下向きの力が3つも加わることになって大きく下落します。
株安はアメリカから始まって日本や世界各国に同じように広がりますが、為替は相対的なものなのでドル円相場を見ているだけではドル高円高をキャッチすることができず、例えば初心者の方はCurrency Strength Chartなどを使って強弱を見てみると良いでしょう。
そして逆に豪ドル円が先に崩れるようなことがあれば、それは米国株が崩れる予兆であるということもできます。世界最大の株式市場を動かす力が豪ドル円にあるとすればそれだけでわかりやすい指標として見るに値するものといえます。
株価暴落などによるリスクオフ相場は基本的に短命であるため、CFDショートや個別株での信用空売りは難易度が高いと認識しておいてください。
私も下落相場でショートを取るのは為替相場のみしており、これは流動性が高く、注文が通りやすいからです。
例えば日経のダブルインバースに投資されている方がいますが、中長期的に日本が衰退する方向に賭けるという考えは理解できるものの、実際の投資行動として下落に張った事実上のショートポジションを取るのはリスクに見合うだけのリターンが得られるとは思えません。
直近でも一時的なコロナショックと呼ばれる暴落が起きましたが、やはりすぐに買い戻されて上がり続けてます。
全値戻し・半値戻し・相関関係
FOMCの政策発表や注目度の高い経済指標、イベントなどの発表直後の急騰急落分を全値戻ししたときは注意が必要です。 急騰急落分を全値戻ししたときは往々にしてそれがそのままトレンドとなって抜けていく ことがあります。
これは私も注目していることであるため、共和国のLIVE配信などでお伝えしますが、一方向への大きな値動きがあった際にどのくらい値を戻したのかというのは非常に重要です。
端的にいうと、 急落したあとに全値戻しが起こればそのまま上昇し、半値戻しであればそこが戻り高値となって続落 します。この絶妙な加減(人によってはフィボナッチリトレースメント)を見ながら次の展開を考えていきます。
同時に相関逆相関を追っていきますが、例えばドルと逆相関になりやすいのはゴールドで、ゴールドが上がればドルが下がり、ゴールドが下がればドルが上がるなどがあります。
しかし2019年から2020年にかけてドル円は歴史的な低ボラティリティ相場となり、市場規模が小さくて流動性の低いゴールドはドル円よりも短期では方向感がなく、トレードしにくい相場となっています。
短期トレードでは総じて新安値・新高値を積極的に試していく場面、そしてポジションが片方に大きく傾いている場合は想像以上に大きなトレンドになります。
見えている範囲内や長期足での最高値・最安値に迫る動きがあるときは意外にも反発を狙って逆張りするよりもイナゴのように追撃するほうが順張りの原則にも合って効率的なトレードをすることができます。
為替相場は一定レンジ内での上下の動きがメインだという認識が広がっていますが、そうした考えのもとでポジションが含み益に転じるまで保有し続けて勝てることは少なく、時間をかけて利確損切りまでに距離を持たせればリスクも大きくなり、ロットも張れず、優位性が落ちてしまいます。
テクニカルスナイパーの発信媒体
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この記事を書いた人
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FXデイトレードと新興株のスイングトレードをメインとした個人投資家。
シンプルなチャート分析とプライスアクションを基にした手法や金融経済に関する教養をTwitter・LINE@にて発信。
オンラインサロン「COINOTAKU共和国」の専属講師を務めるのほかに、対外セミナーへの登壇もこなす。
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