皆さん、こんにちは。コインオタク編集長の伊藤健次です。
突然ですが、「世界政府」という言葉を聞いたことはありますか？
漫画や空想の世界ではよく登場する概念です。
Wikipediaにもしっかりとその旨が書かれております。
空想の話で終われば良かったのですが、刻一刻と世界政府は実現に向かって進んでおります。
前回は「世界政府と勘違いされる国際機関」「ビルダーバーグ会議とは何か」「世界秩序とは何か」について解説しました。
https://coin-otaku.com/topic/gray_56485
今回は「イルミナティカード」「世界政府設立宣言」「世界政府には敵が必要？」「私たちが未来」について解説していきます。
「イルミナティカード」が世界政府を予言している
世界政府をテーマにするにあたり、世界連邦政府という言葉も触れておく必要があります。
イルミナティカードで有名になった言葉です。
まずは、イルミナティカードの解説からします。
イルミナティ（Illuminati）とは18世紀後半に実際に存在した秘密結社です。
国家権力の濫用に反対するという目的のもと活動をしておりましたが、当時のバイエルン王国（現在ドイツ）はイルミナティを含むすべての秘密結社の活動を禁止したことで、歴史から消えました。
現在も公式に活動はないことになっております。
イルミナティカードとは1982年に発売されたカードゲームであり、実存した秘密結社「イルミナティ」を題材にしております。
ゲーム内ではイルミナティのことを「世界征服を企む悪の結社」としており、この時すでに秘密結社は悪の組織というのが一般認識であることが分かります。
ゲームの勝敗も裏切りありで支配したほうが勝ちという内容です。
イルミナティカードが有名になった逸話はいくつかあります。それは予言です。
「アメリカ同時多発テロ事件」や最近起きた「新型コロナウイルスの蔓延」など世界的な大きなニュースをことごとく予言しております。
ただし、イルミナティカード自身が現実社会を揶揄する物や不幸な出来事のオンパレードなので予言が当たりやすくなっているとも言えます。
宇宙人にさらわれるカードもありますので、宇宙人が来たらイルミナティカードの予言は当たった！となります。
そんなイルミナティカードには【New Federal Budget 新しい連邦予算】というカードがあります。
カードに描かれた絵はアメリカ国旗を模したトラックから札束が大量に排出される様子を描いております。
連邦政府の意味は、2つ以上の国（州）が1つの主権の下に結合して形成する国家形態のことを指し、現在においても多く存在します。
代表的なのはアメリカ、ロシア、アラブ首長国連邦です。
連邦政府は通常の国家よりも政治的にも複雑であり、お金もかなり必要になるところばかりです。
イルミナティカードで連邦予算というカードが存在するのもいつか連邦政府は破たんするのではないか？という皮肉が込められているでしょう。
結局、連邦政府にしても陰謀論のきっかけとして採用されたに過ぎない言葉という事です。
コロナ禍で英国のブラウン元首相が「世界政府設立」を宣言！？
2020年3月新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療・経済両面での危機に対応するために、英国のブラウン元首相は世界の主要国の指導者に対し、一時的に「世界政府」を設立するよう呼び掛けた。というニュースをご存知でしょうか。
これは一部では大きな論争を呼ぶことになった話題です。
「世界政府」を設立する目的で新型コロナは流行らされたのではないかという陰謀論を呼ぶきっかけにもなりました。
この顛末は単純です。
ブラウン元首相は「世界政府設立」を呼び掛けてはおりません。
欧州復興開発銀行(EBRD)の主催する会議の場で中国と米国が協力をして対策をするべきであるという趣旨の発言をしております。
新型コロナは世界各国でパンデミックを起こしており、多国間で協力を仰ぐことは当然のことです。
日本では、国際会議や多国間での協力は全て「世界政府」に繋げられてしまいます。
もちろん、その先は世界政府の構想もあると思いますが、日本人の多くが考えているような「管理社会」「白人至上主義」がゴールであるわけではありません。
日本人が過剰反応してしまうのには日本人のプライドの高さも影響しているでしょう。
日本は経済大国と呼ばれたり、アジアでNO.1と呼ばれたり、自信に満ち溢れていた時代もありました。
しかし、現状では日本が1番ではないことを理解している人も多いです。
そのため、世界が手を取り合うと排他されているような疎外感を感じるのかもしれません。
そのプライドから来る反発心が、世界統一を悪いものとして認識する偏りを招いていると考えられます。
新型コロナの対策だけでなく、今後は地球単位で物事を考えることが増える時代です。
その一つ一つの議題を陰謀論扱いしていたら、それこそ世界から日本は孤立してしまいます。
陰謀論を感じるニュースを受け取ったら、日本語以外の言語でニュースを調べなおすという事をしてみましょう。
世界政府を実現するためには共通の敵が必要
ここでは、世界政府を実現するための方法について言及していきます。
世界政府を実現するために動く勢力が次はどのような一手に出るか役に立ちます。
世界政府の動きを止めることができないのであれば、早めに乗っかり利益になる行動をすることも必要です。
世界政府の成功例EU、衰退した理由はロシアの弱体化
世界政府の足掛かりとしての成功事例は欧州連合（European Union：EU）でしょう。
2020年6月地点では28か国が加盟しており、ユーロという共通通貨を使用し、シェンゲン圏内（26か国）ではパスポート不要で行き来が可能です。
しかし、2020年1月にイギリスがEUを離脱することになりました。
この理由は複数あるので調べてもらうとして、EUが上手くいっていないことは分かります。
欧州連合は何故うまく機能しないのでしょうか。これはEUがどのように始まったかを理解する必要があります。
そもそも、他人と組むと揉め事が起きます。
家族であれば元から国は分かれておりません。
国が分かれて国境があるという事は他人であり相容れない存在だからです。
揉めること前提で組むのですからなかなか決まりません。
そこで、1950年に米国がEUの前身になる国際委員会へ資金提供をします。
米国がお金を出してまで欧州をまとめたい理由は、ソ連（当時）の存在です。
時代はまさに米ソ冷戦真っただ中であり、米国としてもソ連を抑えたい状況でした。
そして、欧州各国もソ連に対して反共主義（共産主義に反対する思想）が浸透しておりました。
そこで、利害が一致した米国の支援を受け、各産業の共同体が設立され今のEUへ繋がります。
EUが上手くいかない理由として大きいのはソ連が崩壊し、後に誕生したロシア連邦が米国や欧州の脅威とならなかったことでしょう。
今では中国が当時のソ連と同様に米国と争っておりますが、EUとして考えると中国は地政学的リスクも薄く、経済的にも貿易相手として存在が大きいため仮想敵としては不適格です。
そのため、EUは連合として何と戦っているのかが不明瞭となり、元の主張し合う他人に戻り、揉め事が増えてきてしまいました。
イギリスが離脱したのは時間の問題だったと言えそうです。
世界政府実現のために宇宙が仮想共通敵になる時代
共通の敵がいないと国家間の結束が高まらないのであれば、敵を作るしかありません。
しかし、地球上で敵と言える存在はありません。
結果、目先は宇宙に向かい、まだ見ぬ敵を設定することになりました。
敵と言っても具体的に戦うという事ではなく、宇宙空間の有効活用を考えるための組織となります。
2019年に72年ぶりに米国でアメリカ宇宙軍が誕生し、2020年5月に日本では航空自衛隊の部隊として宇宙作戦隊が編成されました。
EUは軍事同盟ではないとしつつも、EUとして防衛・宇宙部門の設置をすることを前向きに発言しております。
各国が宇宙という新しい市場に対してここまでスピード感をもって実現できるという事はやはり力が働いていると言わざるを得ないでしょう。
そして、共通の敵が存在する際の各国の結束力はやはり強いものがあります。
そして、当然宇宙には地球に攻め込んでくる宇宙人がいるわけではないので、宇宙開発も無限にできるものではなくある一定のラインでこれ以上開発しても不毛であるというところに到達するでしょう。
そのような時代になれば、まとまりかけていた世界統一も崩壊する可能性があります。
近い将来世界統一が成されるのであれば、その共通の敵は何でその共通の敵はいつまで存在してくれるのかを確認した方が良いでしょう。
世界政府の陰謀論を知ったうえで私たちはどうするべきか
いかがでしょうか。
世界政府から始まり、宇宙軍までたどり着きました。世の中ニュースは全て繋がっております。
メディアは各話題を細切れで放送するため、それぞれが独立した話題のように見えます。
しかし、実際には何かでほころびが起きれば、世の中のすべてのことに影響するほど繋がりは深いと言えます。
一つの話題、ニュースに興味を持ったらそこを中心に掘り下げて世界とつなげてみてください。
その思考力が未来を生き抜く力のもとになります。
