国内外で取引所を持つ大手Krakenが、テザー通貨(Tether/USDT)の取扱いを終了すると発表しました。
テザー通貨と言えば以前に様々な疑惑が浮き上がった通貨であり、その問題は一時終息したかに見えました。
今回のKrakenによる発表が市場に与える影響力はどれほどのものなのでしょうか。
先に見えゆく未来についても、考えて行きたいと思います。
Kraken、2018年3月16日をもってテザー通貨の取扱いを終了と発表
取引所Krakenは、会員向けに以下のような通達を発表いたしました。
いつも、Krakenをご利用いただき、誠にありがとうございます。 この度、Krakenは、日本在住のお客様(当社のお客様)に対する「Tether USDT」(以下「テザー」。)のサービスを終了させていただくことになりました。なお、日本以外にお住いのKrakenの利用者様(日本国民の方も含まれます。これらの利用者様は当社以外のPaywardグループ会社のお客様です。)は、そのままサービスを継続してご利用いただけます。
日本でのテザー・サービス終了のスケジュール
1. 以下のスケジュールにしたがってテザーのサービスを終了させていただきます。
テザーの入金: 2018年3月9日(金)23時59分 日本時間
テザーの売買: 2018年3月9日(金)23時59分 日本時間
テザーの出金: 2018年3月16日(金)23時59分日本時間 (「終了日」)
2. テザーの残高をお持ちのお客様は、上記日時より前に出金或いは売買のいずれかを行ってください。
3. 上記終了日の後、お客様の口座に残っているテザーは当社独自の裁量で決定された市場レートで米ドル(USD)に換価され、お客様の取引口座に入金されます。終了日とお客様の口座に米ドルが入金されるまでに若干の遅延が生じることがありますことを予めご了承ください。
上記の日時の後にテザー残高を引き続き保有されている場合は、お客様がその残高を市場レートで換価されることに同意されたものとさせていただきます。ご参考までに最近では0.90まで低下したこともありました。日本居住のお客様は、2018年3月16日より前にお持ちのテザーを出金されることを切にお勧めいたします。
他の通貨につきましては、今後も通常通りサービスを提供してまいります。
ご迷惑をおかけしましたことをお詫びするとともに、ご理解を賜ることを感謝申し上げます。
引用: kraken.com
「日本在住のお客様に対する」と記載されている通り、国内では禁止する意向ですが海外居住者についてはこのまま継続するとのことです。
いつか発射されるテザー砲にビクビクして過ごす日々
テザー通貨とは 1USDT=$1に固定されたペグ通貨 で、主に海外の取引所にて利用することが可能です。
中央集権の通貨でありつつも、「価格固定」という利便性から多くのユーザーに利用され、特に価値暴落時などには一時的な「退避先」として活用されています。
このテザー通貨は、以前にビットコインの買支え疑惑が浮上し、ビットコインの価値を操作しているのではないかと話題になりました。
テザー通貨の疑惑についてはこちらから
https://coin-otaku.com/topic/11354?id=2886
終息した話題として最近ではあまり騒がれることは無くなりましたが、一部の疑惑は未だ謎のヴェールに包まれたまま。
テザー通貨USDTの大量発行は「 テザー砲 」と呼ばれるようになり、その打たれるタイミングに注目が集まります。
Krakenの意図は交換業者としての登録か?!
Krakenは未だ金融庁の交換業者としての認可が降りていなく、いわゆる「みなし業者」扱いの取引所です。
更に、国内でこのテザー通貨を取扱っている業者はKrakenのみ。
とすると真っ先に考えられるのは、 交換業者の認可を通すために取扱いを終了するのではないか という結論に至ります。
テザー通貨(USDT)は既に許認可を受けた取引所では取扱いをしておらず、ジーキャッシュ(Zcash)、モネロ(Monero)、ダッシュ(Dash)などと同様、許認可が降りない通貨として位置付けられてる可能性があります。
先日起きたコインチェックでのNEMハッキング騒動以降、金融庁は各取引所へ調査に入り、その実態を確認して回っています。
このタイミングで何かしらの指導・アドバイス等があっても、なんらおかしい話ではないでしょう。
世界的に使用されなくなった場合は市場が荒れる可能性が高い
この発表により、海外取引所にて利用しない限り国内でUSDTを所有することはできなくなりますが、今のところ世界市場に対する大きな影響は無いと考えられます。
しかし、もし海外でもテザーが使われなくなった場合は話が違ってきます。
上にも書いたように、テザー通貨はExchange以外にも価格下落時の「退避」という目的でも使用されます。
テザー通貨の発行元の買支えではなくユーザー側の買支えというイメージです。
もしも全ての取引所で使われなくなった場合、ファンダメンタル色がより強くなり、暗号資産の価値は完全に市場にゆだねる形となります。
これは下落するスピードを緩められないこととなり、狼狽売りも含めると 暴落時は一気に暴落する可能性が高まる ということ。
ただでさえボラティリティが高い暗号資産市場は、更に不安定になるでしょう。
情報に踊らされない見方をすることが大切
いづれにしてもゼロか100かの考え方で、あればあったで今の形が継続されるだけ。
無くなったら無くなったで市場の見え方が変わるだけ。
そういう風にマクロで捉えてしまえば、さほど大きな問題では無いと考えられます。
ふかん的な視野(メタ認知)で物事を捉え、小さな動きに一喜一憂しないことをおススメします。
過去のテザー通貨に関する疑惑についてもっと詳しく知りたい方はこちら
Kraken含む10種類の取引所から自分にピッタリの取引所を探したい方はこちら
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読者の皆さんから寄せされたご意見から、 「今取引所はどうなっているのか?!」 を、徹底調査してレポートして参ります。
取引所調査員は、プロジェクトに直接問い合わせるのはもちろん、ネットの意見や口コミからレポートを作成しております。中立な立場を保つため、双方の事実・意見をまとめています。
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