58億円の罰金 米国から撤退
暗号資産(仮想通貨)レンディング企業であるNexo(英)は19日、米国証券取引委員会(SEC)と州規制当局から未登録有価証券を指摘された件に関して約58億円の罰金を支払いに同意し、和解したと発表した。
Nexoは昨年12月に米国からの段階的な撤退を発表していたが、今回の膨大な和解金は今後一年かけて行われるようだ。
なおNexoは米国以外でも当局と衝突しており、先週にもブルガリア検察がNexoの拠点を家宅捜索し、関係者四人を起訴している。
COIN POST
Nexoの今後を解説
仮想通貨レンディングサービスを提供する大手企業NEXOがSECへ約58億円の罰金を支払い和解をしたニュースです。
まずは顛末を解説します。FTXショックが起きてから、企業への不信感が募り、取引所やレンディングなど資産の預入が必要なサービスの利用はユーザー離れが起きました。
取引所は業者ごとにサービスレベルの差が少ないので、かなりのユーザーが動くことになりました。日本で言えば、海外取引所ユーザーは極端に減少したと考えられます。
レンディングサービスの市場はそう簡単には行きません。最後まで高配当を出していた大手レンディング企業NEXOは多くのユーザーはリスクを認識しながらも離れることができず怯えながら資金を預けておりました。
そんな状況で各国当局の立ち入り検査報道が出て、市場は軽いパニック状態になりました。コインオタクにも『NEXOはまだ大丈夫か?』という問い合わせが毎日あります。
今回の和解の報道を見て安心した方もいらっしゃるかと思いますが、まだ油断は禁物です。和解したからなんでもOKというものではなく、ビジネスモデルの転換も必要になります。
SECと和解はしましたが、NEXOは米国でビジネスを行わないことを発表しております。罰金も非常に重たく、過去、SECへ罰金を支払った仮想通貨関連事業者は多くの場合、倒産しております。
和解したとしてもその後のビジネスを軌道に乗せるハードルはかなり高いと考えられます。米国だけでなくNEXOは各国で危うい立場となっております。
今回のように和解をしたり、好意的な着地をする可能性はありますが、そもそも立場が危なくなっている時点で利用者は激減します。
伊藤の個人的な考えですが、NEXOのサービスはまだ利用をしない方が良いと思います。日本の取引所も高配当の仮想通貨運用サービスのラインナップが充実してきました。
日本人の中には海外のサービスの方が日本のサービスよりも充実していると誤った認識をする方がいらっしゃいます。そのような先入観を払拭し、比較対象に日本のサービスもいれるようにしましょう。
単純な商品比較だけでなく日本の法整備も比較材料に入れてください。日本でライセンスを取得しているサービスは補償も充実しております。
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