AIや仮想通貨が、気づかないうちに「買い物の当たり前」を書き換え始めています。
これを一時的な若者トレンドとして見るか、決済と消費行動の構造変化として捉えるかで、見える景色は大きく変わります。
多くの人は価格や相場への影響を先に考えがちですが、実はもっと手前で変化は起きています。
これを独自のジャーナリズムで解説します。
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート|2025年12月29日
決済大手Visaは2025年12月、AIや仮想通貨といった技術が消費行動にどのように取り入れられているかをまとめたレポートを公開した。調査は2025年10月14日から16日にかけて、米国の成人1,000人を対象にオンラインで実施され、性別や年齢などを考慮して集計されている。
調査対象の47%が、少なくとも一度は買い物の際にAIツールを使用した経験があると回答した。主な用途はギフト選びのアイデア探しや価格比較で、AIが閲覧補助だけでなく意思決定にも使われ始めていることが示された。一方で、61%は顧客対応では人間を好むとし、60%がAIによる個人データの扱いに不安を示している。
仮想通貨については、約10人に1人が2030年までにステーブルコインが主流になると予測し、国際送金での利用意向も一定数確認された。また、贈り物として仮想通貨を受け取りたいと回答した割合は全体で28%、Z世代では45%に達している。Z世代はデジタルウォレットや仮想通貨決済の利用割合が他世代より高い傾向にあった。
引用元:CoinPost
https://coinpost.jp/?p=677871
技術の話ではなく、行動が変わり始めている
この出来事はこう解釈してください。
重要なのは、AIや仮想通貨が「新しい技術だから使われている」のではなく、買い物における判断や決済の負担を減らす存在として受け入れられ始めている点です。価格変動や投資対象としての評価とは別に、日常の行動レベルで静かな変化が進んでいます。
AIが選択ミスを減らし、仮想通貨やデジタル決済が手間を省く。その積み重ねが、消費者にとって合理的に映るかどうかが普及の分かれ目になります。ただし、すべての人が同じ速度で移行するわけではなく、信頼や安全性への懸念も残っています。
この動きを「若者だけの話」や「一時的な流行」と片付けるのは簡単ですが、全体像を捉えるのは簡単ではない、注意が必要です。
便利さを軽視する人ほど、変化に置いていかれる
このニュースを見て「まだ自分には関係ない」と感じたなら、その感覚こそが一番危うい。
技術が普及する瞬間は、派手な革命としてではなく、便利さが選ばれ続けた結果として訪れます。
判断をAIに委ね、支払いをデジタルに任せる行為は、思想ではなく習慣の問題です。
今はまだ全員が使っているわけではありませんが、使われる理由が揃い始めている段階にあります。
ニュースは、必ずしもすべてが正確とは限りません。
また、誰が発言しているかによって、同じ事実でも意味は大きく変わります。
そもそもニュースは、出来事の「一部」しか切り取って発信されないものです。
だからこそ、ニュースだけを材料に未来を断定すると、判断を誤りやすくなります。
ただし、ニュースそのものが無価値なのではありません。
読み手が、まだ読み方を知らないだけです。
無知は無能ではありません。
ニュースの構造や背景を意識して読み解く練習を重ねれば、誰でも「今の情報」から「これから起きる流れ」を捉えられるようになります。
このメディアでは、そのための視点と考え方を伝えていきます。


























