飽き飽きしているコロナウイルス(新型肺炎)ですが、衛生観念が日本と比べて圧倒的に低い欧米でも猛威を振るっています。
日に日に状況は悪化していっていますが、それでもいつかは花が咲くもの。
持久力 が今は一番求められるものと分かっていながらも辛い日々が続きます。このような時期は思い切ってしっかり休み、内省する時間を取られてもいいかもしれませんね。
ついにリーマンショックの再来へ
20日午前、ニューヨークの州知事が州内の民間企業の従業員に原則として在宅勤務を義務づけると発表すると、ダウ平均株価は売りが膨らみ、前日の終値と比べて913ドル安い1万9173ドル93セントまで値を下げて取引を終えました。この1週間の株価下落率は17%を超え、リーマンショック直後以来の大きさの下げを記録。さらに、20日の終値はトランプ大統領就任以降の株価上昇幅が全て吹き飛んだことも意味します。
TBS NEWS 3/21 NYダウ急反落、週間下落率 リーマンショック以来の大きさ より
トランプ政権以降、株価は史上最高値を更新していたのもあり、「金額」の大きさで驚くことは仕方ないものの、下げ率でもリーマンショッククラスとなってしまったのは想定外でした。
今回の「得体の知れない」ウイルスにより、不安感が払拭されないまま行われた各国の封じ込め政策。
そしてグローバル化の影響もあり、一気に世界中のサプライチェーンが寸断されました。
世界的な需要減退 による原油価格低迷とサウジアラビアとロシアの価格競争が決め打ちとなり、3月は悪材料のオンパレードとなっています。狙う人は狙う
改めて分散投資の大切さを噛み締めていますが、そんな中、この人はさすがです。
世界各地の市場が混乱する中で、世界の超富裕層の一部は投資先企業の株式買い増しに合計10億ドル(約1100億円)以上を投じた。
当局に提出された文書によると、アクティビスト(物言う投資家)のカール・アイカーン氏は米レンタカー会社ハーツ・グローバル・ホールディングス、家庭用品や事務用品などを手掛ける米ニューウェル・ブランズの持ち株比率をそれぞれ引き上げた。ウォーレン・バフェット氏の持ち株会社はデルタ航空の株式を追加。テトラパックの親会社テトララバルの資産相続人らは、香料メーカーの米インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(IFF)の株式に3億1700万ドルを投資した。
ブルームバーグ 3/20 「一生に1度の大バーゲン」、世界の超富裕層が株式爆買い より
そう、あのウォーレン・バフェットです。
アイカーン氏も流石ですが、バフェット氏のスタイルはとにかく「手堅いこと」で有名。
2月ごろにキャッシュを増やし、この世界的下落で狙っていた銘柄をしっかりと取得するのは流石としか言いようがありません。
狙う人は、狙っていたのが今回の件でもはっきりと表れました。
バフェット率いる投資会社、バークシャーハサウェイはそれぞれのターゲット価格と大幅に乖離した銘柄を「バーゲン価格」で大量に仕入れています。
企業価値とビジネスモデルを丁寧に分析し、市場の乖離が見られたときに溜めていたキャッシュを総動員し、仕掛ける というのは王道過ぎて圧巻です。ちなみに、バフェットが凄いのは後継者も育成し、自身の苦手な分野であるIT分野を任せているという柔軟性です。(コームズ氏とウェシュラー氏がIT分野を牽引していると言われています)
世界中の財政出動で何とか持ちこたえる?
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界中の政府や中央銀行が検討している財政出動の金額が明らかになってきました。
その額は200兆円とも言われ、当然ですがリーマンショック時よりも大型になっています。
特に個人の債務額が大きいアメリカ(クレジットカードローンだけで90兆円!)では現金支給という案も出ています。
アメリカでは隔週、毎月の生活資金がギリギリの人も多いため、一人あたり12万円を二ヵ月連続で支給しないと破綻者が続出するとまで言われています。
つまり、ここまで大きな影響を与えると、現時点でも世界中の政府や中央銀行は考えている訳です。
一方の日本は消費税も下げない、現金給付も1.2万円?と五輪強硬開催に熱心になるのは分かりますが、どうも他国と比較すると支援策の規模が小さいと言わざるを得ません。
リーマンショック以上に外需の影響が大きくなっている産業構造ですので、リーマンショック時のようにアメリカや中国の方が先に立ち直り、日本は低空飛行を続けるというのが容易に想像できます。
本当に政策立案者や政策決定者の方々にはもう少し経済のエキスパートに活躍の場を与えて欲しいものです。
あの頑固なドイツですら財政規律を棚上げして緩和すると言っているので、私見ではありますが3~4月頭のアメリカの感染ピークが相場の底と予想しています。
そこからは大盤振る舞いの緩和策の効果もあり、相場は上向きになるはずです。
そう、あと1ヶ月ほど、このコロナショックに耐え抜かないといけないわけですね。
キャッシュイズキング
優秀なトレーダーでも99回勝って、1回で大負けすると相場から退場してしまうのが、相場の怖さです。
連日のダウ乱高下のようにリスクを取ってレバレッジを効かせるのはこの時期は相当難易度が高まると考えています。
あのデジタルゴールドとされたビットコインでさえ、追証のキャッシュ確保による売り圧力が高まり、急激に下落しています。
事実上のゼロ金利政策で教科書的には、円高になるはずの為替も、まず「ドル資金確保」のためにドル高が続いています。
何せ、どのようなビジネスでも、 キャッシュが無いとその事業体は倒産 します。
なので、キャッシュイズキング。
不安定な相場程、キャッシュやほぼキャッシュと言っても差し支えない短期債券の人気が高まるものです。
大抵の個人投資家は本業を持ちながらの資産運用だと思うので、まずはキャッシュを20~30%手厚くし、狙う銘柄の分析を進めるのが一番手堅いと私は考えます。
今もキャッシュがあれば、あれもこれも買いたい銘柄が出てくる水準にまで株価は暴落しました。
この機会をただ指をくわえて恐れるだけか、それでも何かしようとするかは、あなた次第です!
それでは!
この記事を書いた人
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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本業にまでコロナショックの影響が出てきました、金﨑明人です。