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【伊藤が解説】メタマスクのウォレットIDでWEBサービスにログイン

2023.04.07

メタマスク、EIP-4361による安全なログイン機能を実装

メタマスクは、ウォレットアドレスを使用してウェブサービスにログインできるEIP-4361を実装しました。
これにより、中央集権的なIDではなく、自己管理型のIDとしてウォレットアドレスを利用できます。
EIP-4361の実装により、dAppsへのセキュリティ強化やフィッシング攻撃からユーザーを守ることができます。
ウェブサイト側も専用のサインイン機能を実装することで、ウォレットアドレスを使用したログインが初めて利用可能になります。
これがWeb3サービスの拡大につながる可能性があります。MetaMaskは、EIP-4361を利用してフィッシング攻撃のリスクを軽減できると主張しています。
これは、ドメインバインディングという機能を利用して、正しいドメイン名を確認し、安全な通信を行うことを保証することで実現されます。

MetaMask、ウォレットアドレス使ったウェブサービスのログイン機能に対応

COINPOST

メタマスクのウォレットIDでWEBサービスにログイン

このニュース、 伊藤が解説します。

メジャーなウォレットであるMetamaskが、ウェブサービスへのログイン機能を実装しました。
これまでGoogle IDやFacebook IDを利用したことがある方も多いでしょう。
このMetamaskバージョンが始まることで、ユーザーにとって利便性が向上し、セキュリティ面も大幅に改善されることが期待されます。

インターネットの黎明期には、サービスにログインする必要はありませんでした。
WEB2.0の時代に入り、IDとパスワードでログインするアカウントが個人情報を満載するようになりました。
しかし、すべてのサイトでIDとパスワードが必要となり、パスワードを忘れたり、同じパスワードを設定することが日常茶飯事に起きるようになりました。
そこで登場したのが、一つの信頼できるログイン情報で複数のサービスを利用できるシングルサインオン（SSO）です。

では、既存のシングルサインオンサービス、例えばGoogle IDで仮想通貨ウォレットにログインすることは可能でしょうか。
答えは不可能です。WEB2.0時代の仕組みをそのまま利用することは難しいです。なぜなら、WEB 2.0とWEB 3.0で取り扱う内容が大幅に異なるためです。

WEB2.0時代に管理されていたのは「情報」であり、他人に悪用されない限り共有可能です。
一方、WEB 3.0時代では「資産」が管理されます。
このため、セキュリティレベルを大幅に向上させる必要がありました。ここで誕生したのが仮想通貨ウォレットです。

これからのWEB3.0のユーザーは、仮想通貨ウォレットを持つことが確実になります。

そして、このウォレット情報でWEB2.0サービスにログインできるようになります。
これにより、その最初の取り組みは大手ウォレットのメタマスクが担うことになるでしょう。
メタマスクのIDを使い、Google IDでログインしていた各種サービスに接続できるようになり、非常に便利になります。さらに、セキュリティレベルも大幅に向上します。

将来的にはウォレットIDを使って銀行や保険証、パスポートなどの管理も可能になりますが、逆にウォレットIDが漏れると、その個人のすべての情報や資産が失われるというリスクも大きくなります。

そのため、ウォレットIDが急速に実現されることにより問題が生じる可能性もあるという議論が必要です。
技術の進歩は、必ずしも早ければ良いというものではありません。現実には、技術のアップデートについていけない人々も多く存在しています。

このように、メタマスクのウォレットIDを利用したログイン機能は、WEB2.0からWEB3.0への移行を助けるだけでなく、ユーザーにとって利便性とセキュリティの向上をもたらすことが期待されています。
今後は、仮想通貨ウォレットIDを利用したさまざまなサービスが登場することが予想され、ますます便利なインターネット環境が整っていくでしょう。
ただし、技術の進歩に伴うリスクにも十分注意し、適切な対策を講じることが重要です。