- Facebookの膨大な顧客をLibraに取り込むことができる。
- 法定通貨との裏付けが行われるステーブルコインであり価格の変動(ボラティリティ)問題に強い
- 途上国の住民にも金融サービスへの参加を可能にし金融包括への一歩となる
Libra(リブラ)の基本情報
2019年9月現在、まだ発行されていませんので上場先もございません。
Libraが実現しようとしているのは世界各国、世界中のより多くの人々に安く、障壁の無い金融サービスへのアクセスを可能にするということです。スマートフォンの劇的な普及で現在、先進国は約80パーセント、新興国は約50パーセントの人々がスマートフォンを所有しているとゆわれています。地理的な問題によって金融サービスへのアクセスがない人でもスマートフォンを持っている人々は多くおり、Libraの普及によってそのような人々を金融サービスへ参加させることができるようになります。 現在、 ビットコインを代表とする暗号資産というのは価格変動(ボラティリティ)が大きく 、通貨としてではなく 投機目的での使用が主 となっています。通貨目的として開発されたその他の暗号資産も利用者は限られており使用している人は少ないです。暗号資産の有用性、便利さ、は一目瞭然であるのに、セキュリティの問題や単に認知度が低いことで紙の紙幣に比べると全くと言っていいほど通貨として普及していません。 Libraは現在価格変動が激しく、投機目的がほとんどである暗号資産を実社会でより多くの人が利用し通貨としての価値を構築したいと考えています。 大多数の暗号通貨とは異なり、Libra経済が安定している複数の国の通貨(USD/EUR/GBP/JPY)の資産を担保としているため暗号資産の現状の問題点である投機目的の使用による価格変動(ボラティリティ)問題に対応します。 すでに利用者が23億人に上るFacebookですが、このFacebookが主導となって新しい暗号資産、Libraを開発、運営していくということはLibra利用者の獲得を容易に勧められるというメリットがあります。 前述したFacebookの圧倒的顧客数に加えて、世界的なカード会社を始め名だたる有名企業がLibra協会の共同運営者として活動、運営することによってユーザーの拡大が推し進められ、Libra目標の根幹の一つである、世界的な金融包括(ファイナンシャル・インクルージョン)が実現される可能性が高まります。モノ、インフラ、経済システムが確立された先進国の国民だけではなく、発展途上国の多くの人々が金融サービスの一員となり経済活動への参加を促すことができます。 Libraが直面している一番大きな問題は 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策」 (AML/CFT)であると言われています。国境を超えた資金の流動はマネーロンダリングを容易にするとの指摘があるためです。実際、Libraが本格的に人々に利用されることになれば膨大な利用者の中から悪質なマネーロンダリングを防ぐことができるのかは現段階ではわかりません。 Libraに対し、フランスの経済・財務省が、世界で利用される暗号通貨の開発は本来各国政府が行う役割であり 複数の少ない企業に権力を集中させるべきではなく懸念材料がある として安全性の保障を要請する構えであることが報じられました。 Libraが目指すのは投機目的ではなく、通貨として全世界の人々がLibraを利用し、金融包括を達成することであると言えます。つまり、Libraの対象顧客は全世界の人々ということになります。Libraを利用しより便利に、そして金融サービスの外に取り残されている人々が金融社会の一部になることができます。ローンチはまだですが、紙幣社会からLibra社会への変化によって現在よりもかなり多くの人々がお金へのアクセスを手に入れることができるでしょう。 CalibraはLibraを送金するため専用のデジタルウォレットであり、このウォレットは、Libra協会のメンバーであるFacebookの子会社であるCalibraが提供するもので、スマートフォンさえあれば誰でもLibraの送金が可能になります。Calibraウォレットは、銀行口座や預金通帳、クレジットカードを代替することができると言われており、現在の煩わしい行為がこのウォレット一つに全て集約できる可能性があります。 現在、ローンチ前であり公開されておりません。 今最も世間を賑わせていると言ってもいいLibraですが、話題性があり、なんせあのFacebookが主導している暗号資産ということで各国から強い風当たりを受けている現状があります。マネーロンダリングや、規制金融システム崩壊の可能性など懸念される要素は確かにありますが、金融包括を達成するという目標のもとではLibraの存在はとても重要なものになるでしょう。Libraのこれからがさらに暗号資産が普及するのか、それとも普及せずに既存の紙幣が主として流通し続けるのかを大きく左右することは容易に想像できます。まだプロジェクト自体は情報のみで実際にはローンチされていませんが、ブロックチェーン技術の向上やプロダクトの開発進捗などの情報は深く追い続けることに意味はあるのではないでしょうか。
案件名:Libra(リブラ)
発行上限:なし
ブロックチェーンのタイプ:Libraブロックチェーン
Libra(リブラ)の上場先一覧
Libra(リブラ)の公式サイト、SNS一覧
Libra(リブラ)とは
Libraプロジェクトは、 世界中で使える統一通貨(リブラ)をブロックチェーンを用いて実現 するもので、Libra協会によって運営されます。現在、ビットコインを代表とする暗号資産というのは価格変動(ボラティリティ)が大きく、通貨としてではなく投機目的での使用が主となっています。Libraはドルなどの安定性の高い法定通貨を担保として価値が裏付けされる 「ステーブルコイン」 として多くの暗号資産とは差別化しています。また、通貨だけではなく、証券や短期国債も担保対象となるということです。Libra(リブラ)におけるFacebookの存在
日本では「Facebookが出す暗号資産」などと認識している人が多いように感じられます。確かにFacebook(開発、提供するのはFacebookの子会社であるCalibra)が中心的存在にあることは間違いないですが、 Libraの最終決定権はLibra協会に属しています。 そのLibra協会には世界的に有名な企業(sportify, ebay,mastercardなど)がメンバーになっており、 2020年前半のLibraリリースまでに、約100社のLibra協会の会員を獲得したいと発表しています。
Facebookは、Libra AssociationとLibra Blockchainの作成で重要な役割を果たし、創設メンバーと協力したため、Facebookが2019年までリーダーシップの役割を維持することが期待されています。しかし、Libraネットワークが開始されると、Facebookおよびその関連会社は、他の創設メンバーと同じだけの従事、特権、および金銭的義務を負うことになるため他の多くのメンバーの1つとして、協会のガバナンスにおけるFacebookの役割は、同業者の役割と同等になります。
Facebookは無料のプラットフォームやコミュニケーションツールを用意し、世界の人々をより近づけることに成功してきました。写真や動画の送信、近況を簡単に更新できるなど、その利便性から恩恵を受けている人は日本にも多く、世界で23億人以上が使用しています。そしてFacebookは次の目標としてユーザー間の経済的価値のやり取りを簡単にしたいというビジョンから、Libraが開発されているというのが表立った意見です。Libraの管理はFacebookが行うわけではないので直接的な利益はないように思われますが、コミュニケーションツールとしてのFacebookの普及の場合と同様に、関連アプリの収益、広告利益の増大から恩恵を受けられるというメリットがあるということです。
Libra(リブラ)の特徴
Libra(リブラ)の目的
また、現在、送金時など金融サービスを利用するときに必ずつきまとう手数料や、送金から相手側に反映されるまでの長い期間をLibraが解決できるというわけです。Facebookをはじめとするソーシャルネットワークの発展によってメッセージや写真を瞬時に送信できるのと同じように、素早く、安く、簡単に国境を超えたお金の流通を生み出すことができます。グローバル化によって祖国を離れ海外で活躍している人々が増えていますが、祖国の家族に簡単にお金を送信できるようになればお金だけではなく有望な人材の流動性すらも生み出すことができるのです。現状の問題
また、開発途上国で暮らす人々の多くは、金融機関へアクセスするための手段を持っておらず、国外に出稼ぎに出ても祖国の家族に仕送りができなかったり、国際送金の手数料が仕送り額の大半を締め、ほとんどを失ってしまうなどの現状があります。
ベネズエラやアルゼンチンなどの国では、自国の通貨の信頼性が低く高いインフレ率に悩まされている場合もあります。そのような信頼の低い通貨ではなく、実需性の高いLibraを持つことは自然流れと言えそうです。Libra(リブラ)のソリューション
他のICOにはない特徴
法定通貨による裏付けが行われるステーブルコインであるということ
また、通貨だけでなく証券や短期国債も対象としていることから、いわゆるバスケット型の安定通貨(ステーブルコイン)となり世界的な通貨としての役割を担うことが可能になるのです。Facebookの膨大なユーザーがLibraの顧客基盤を構築する
現在、多くの暗号資産が登場し、多かれ少なかれそれぞれが利用者の利便性等を改善できるような働きを持っています。しかし、人々の心理的に著名な会社のような一見信頼性の高い組織からリリースされたものでなければなかなか国の法廷通貨を暗号資産に交換するということには慎重になってしまいます。また、購入できる取引所が少ないや、暗号資産全体のセキュリティ面を危険視している人が多く暗号資産全体の利用者数は劇的に増えていない現状があります。
しかし、Facebookがまずアプリ内からLibra利用を可能にし世界中のFacebookユーザーの目にとまり、簡単に利用でき、その利便性を認識されることでその後一気にLibraの通貨としての利用を世界的に広げていくことができると考えられています。GAFAのうちの一社、Facebookの20億人を超える顧客は間違いなくLibraの普及、そしてLibraだけではなく暗号資産全体の利用を促進する力を発揮するための糧となるわけです。世界的企業が主体となって運営されるLibra協会が金融包括を促進する
Libra(リブラ)が直面している問題
マネーロンダリングの横行は犯罪資金の確保に繋がり極悪なテロなどが増加してしまう可能性があります。 KYC(本人確認)の是非や顧客情報の保護などの対応方針はいまだに明確化されておらず完全な対処法は編み出されていないと言えます。
また、ブロックチェーンの問題も指摘されています。スケーラビリティなどの問題は現在も暗号資産で度々話題となっていますがLibraも例外ではありません。Libraを支えるブロックチェーンがこのような問題に悩まされるようでは、Libraの国際的な実需を生み出すことは難しく普及の足かせとなってしまうのです。クレジットカード決済大手の取引処理能力は秒速5万を超えていると言われていますが、Libraが発表している取引処理速度は秒速1000ほどです。取引の遅延等を起こさないためにもブロックチェーン技術の強化にはこれから特に力を入れて行くことでしょう。
現状、Libraの開発には各国が反対している現状がありますが、マネーロンダリングが表の批判材料とするのであれば、裏の批判材料は、各国の通貨がLibraにどんどん取って代わられることによって 中央銀行による経済・金融政策の手段がなくなってしまう からでしょう。金融政策が機能しなくなってしまう可能性があるということです。この問題は国だけでなく、我々国民にも悪い影響を生んでしまう可能性が大いにあります。
利便性、世界的な金融包括を理由にLibra普及が推し進められれば、各国の金融政策が弱体化してしまう可能性があるということです。またFacebookを利用していない人、スマートフォンを保持していない人はどうすればいいのかなどの問題も指摘されています。Libra(リブラ)への各国の反応、対応
ブリュノ・ル・メール仏財務相大臣は、Libraの全貌が明らかになった直後、Facebook社がLibraを通じて数百万人規模の顧客データの収集を行う可能性が高いということを危険視し、Libraを通貨としてみなすべきではないと主張しました。
米下院金融サービス委員会の委員長で民主党所属のマキシン・ウォーターズ氏は、 Libraの開発計画を停止することを求める声明文を公表 しました。Libra(リブラ)の類似プロジェクト
Tether
Tether(USDT)とは、発行したTetherの量と運営者のTether Limited社が保有するドルの量を同じにすることで1ドル(USD)がほぼ1USDTになるように固定されています。Tetherのような他の通貨に価値を連動させている通貨のことをペッグ通貨といい価格は他の暗号資産に比べて安定しています。法定通貨に裏付けをされている点でLibraと共通点があります。価格を固定するという目的を遂行するためにtether limited社が運営していますがこれは多くの暗号資産と違って強い中央集権であるということを意味し、この運営者の何らかの欠陥によって通貨の価値が急激に落ちる、もしくはなくなってしまう可能性があります。
Libraは発行までに運営組織を世界中の100社にまで増やすということを発表しておりその点でTetherよりも非中央集権的で暴落のリスクは少ないと考えられています。 Tetherはトークン発行量の80パーセントがたったの318アカウントだけでコントロールされているとの報道もあり、このような所有者の集中は価値の変動のリスクを高めてしまう可能性が非常に高くなっていると指摘されています。Libra(リブラ)の対象顧客
Libra(リブラ)の商品・サービス
Calibra
Libra(リブラ)のロードマップ
Libra(リブラ)の運営メンバー
Facebookは6月18日にリブラのホワイトペーパーを公開しましたが、リブラ協会には創業メンバーとしてVISAやマスターカード、ペイパル、ウーバー、スポティファイなど28社が名を連ねていました。Libra協会はLibraの発行前にリブラ協会のメンバーを100社にまで増やし共同での開発、運営を行なっていくとしています。
しかし、創業メンバーのうちの三社がLibra協会からの離脱を検討しているとの報道が出ました。離脱検討理由としてはマネーロンダリング問題(AML)や既存の金融システムへの懸念から各国の政治家や規制機関などがLibra対して公に悲観的な発言を繰り返しており、規制厳守をアピールしたい企業にとってはLibra協会のメンバーであることを公開することが企業にとってマイナスになるということです。創業メンバーの1社であるVISAのCEOはLibraに正式参画が決まった企業は一つもないとの発言もしておりLibra発足、発展に必要不可欠なメンバーの増減がこれからさらに注目されていくことになります。Libra(リブラ)まとめ
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今回はLibra(リブラ)の実態を徹底調査しレポートしたします!
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