マネックス、ビットコイン(Bitcoin)の先物取り扱いへ
米国株に強いことで有名なマネックス証券のグループ会社が、ビットコイン(Bitcoin)の先物サービスを提供するということで注目を集めました。
「マネックスグループ(8698)は14日、子会社のトレードステーション社が、世界最大のデリバティブ取引所運営会社の米CMEグループや米アメリカ最大規模の先物取引所業者のシカゴ・オプション取引所(CBOE)グローバルマーケッツがビットコイン取引の取り扱いを開始した場合、売買の取り次ぎなどのサービス提供をすぐに開始すると発表した。シカゴの上記取引所は新しくビットコイン先物取引の導入を発表し、内外の承認を待っている。」
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HSK_14112017000000/
信認を得つつある暗号資産
「ビットコインは詐欺、取引行えば即解雇する。チューリップ・バブルよりひどく、いい終わり方はしない」
出典:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-09-12/OW6USK6KLVR401
JPモルガンのCEO、ダイモン氏は2017年9月にこのように発言し一時、暗号資産の価格が下落しました。
その発言から2ヶ月経った11月22日、今度はこのような報道が話題になりました。
JPモルガン・チェースはCMEグループが年内に上場方針の先物を通じ、顧客の暗号資産ビットコイン取引を支援するかどうかを検討している。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
出典:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-22/OZSPG96K50XS01
金融機関の幹部や大物投資家の発言はまず、ポジショントークとして受け取るべきですが、猫の目のように変わったこの主張には思わず電車の中で苦笑してしまいました。
彼らの擁護を一応しておくと、彼らも立派な民間企業で常に株主、顧客からのプレッシャーに晒されています。
トレーダーが疑問に思う投資対象があっても、利益のチャンスを逃せば彼らは顧客や株主からの説明責任を負う事になります。
2017年が暗号資産元年と言われたように、ほとんどの暗号資産が大きな【調整】無しに上昇トレンドを続けてきました。
暗号資産の法整備や技術革新が進み、ゆっくりではありますが「何だか怪しいもの」というイメージが薄れさって来ており、
金融機関も「そろそろ投資対象としてきちんと見ないといけない」と社会情勢の変化を鑑み、真剣に対応してきている 訳ですね。
暗号資産の知名度も向上し、信認を得つつある一つの証左と言える出来事だと私は考えております。
暗号資産がマーケットで扱われると・・・
冒頭のマネックス証券グループがビットコイン(Bitcoin)の先物サービスを提供するという話に戻りますが、これは暗号資産の税制が整備されておらず、暗号資産への投資は何だか不安だという投資家にとっては朗報と言えます。
まず、 “Bitcoin価格に連動する金融商品”として証券取引委員会がお墨付きを与えることで一定の【安心感】が生まれます 。
投資家心理も大幅に改善されます。
次に ETF(上場投資信託)、ETN(上場指標連動証券)や先物・オプション取引は申告分離課税が使える という点です。
証券取引所に上場しているETF,ETNや先物・オプション取引を使用した場合のトレードと、現物でトレードした時の税制は国によって異なりますが、日本においては前者で売買するほうが申告分離課税という面で有利と言えます。
暗号資産の現物取引においては、現時点では雑所得の”総合課税”のため損益通算ができない等、不都合があり証券化された方がメリットが大きいと考えられますし、大半の会社員トレーダーは税制が整備されたETFやETN、先物・オプション取引の方が好ましいと思うでしょう。
今回のマネックス証券のケースでは、米国に上場するであろう15日や30日といったBitcoin先物を取り次ぐ形になると思いますが、欧州で提供された暗号資産のETNのように、行く行くはETFやETNが日本でも簡単に売買することができるでしょう。
この流れは一時停滞することはあっても、後退することは間違いなくありませんね。
東京オリンピックの頃には、日本でもBitcoinブルETF、ベアETF、イーサリアムレバレッジETFが上場している可能性もあります ね。
そんなワクワクする未来をこのニュースを見て感じました。
私を含めた臆病な投資家にも、暗号資産は現実的な選択先の一つとなる未来が目の前にやってきています。
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Written by ゆもと
この記事を書いた人
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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