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【伊藤が解説】バイナンス日本進出を発表　市場への影響とは

2022.12.01

バイナンス　日本企業を買収

暗号資産（仮想通貨）取引所として世界最大手の「バイナンス」は30日、株式会社サクラエクスチェンジビットコインを買収し、日本参入することを発表した。

バイナンスは20年10月にもヤフーグループ出資のTaoTao株式会社と日本進出の準備を進めていたが交渉断念しており、22年9月には暗号資産交換業者として金融庁への業登録申請を検討していた。

買収された株式会社サクラエクスチェンジビットコインは30日の臨時株主総会にて、バイナンスへの全株式譲渡、新経営態勢への移行を発表しており、バイナンスがすでに認可済みの国内事業者を買い取ることで、運営開始の簡略化を図ったものと推測されている。

バイナンスの強みである種類豊富な仮想通貨が、金融庁にどれほど認可されるかが注目だ。

世界最大の仮想通貨取引所バイナンスが日本進出へ、サクラエクスチェンジを買収

COIN POST

バイナンスジャパン誕生の影響を解説

このニュース、 伊藤が解説します。

ついに世界最大手仮想通貨取引所バイナンスの日本進出が動き出しました。バイナンス日本進出の構想は何度も経ち消えており、今回もFTX倒産ショックと時期が重なったため、延期か中止かと考えられておりました。

日本の仮想通貨交換業者ライセンスを保有するサクラチェンジビットコイン社を買収し、バイナンスグローバル（多くのユーザーが使っていた大元のバイナンスサービス）の日本人の新規登録の受付停止を発表しました。

日本人ユーザーは大歓迎ムードですが、一部のユーザーは『いままでのままが良かった』『もう仮想通貨投資やめる』などと否定的な意見を述べております。日本の取引所しか利用しないユーザーからするとこのような否定的な意見がなぜ生じるのか疑問に思う方も多いと思いますので、それぞれの立場からみたバイナンスジャパンの評価を解説します。

まず大きな誤解を解きます。日本人のバイナンス利用者は少ないです。コインチェックのユーザー数はおよそ250万人。ビットフライヤーのユーザー数は全世界合わせて250万人。日本人の仮想通貨人口は大体200万人〜250万人くらいです。

バイナンスのサービス利用者はおよそ2700万人で、そのうち日本からのアクセスは3％程度です。計算するとバイナンス利用者は大体80万人程度です。

日本の仮想通貨ユーザーの1/3が利用していると考えると多いですが、2/3のユーザーはバイナンスを利用しておりません。これはそのまま海外取引所の利用者状況と当てはめても問題ありません。海外取引所を利用している80万人の日本人のうち海外取引所がないからもう仮想通貨をやめるという方は少数で大半は日本の取引所に移動すると考えられます。

結果どうなるか。日本の取引所はめちゃくちゃ好景気になります。他の海外取引所が日本人の利用を禁止したとしてもその影響は軽微です。どの海外取引所もバイナンスの1/10以下の規模となります。

2023年いきなり日本の仮想通貨市場は絶好調な状態からスタートすることになります。すると日本の取引所の企画、特にIEOなどの参加者価値が変わるイベントごとは相当盛り上がることが考えられます。

仮想通貨投資家の属性は儲かればなんでも良いと考えている層が多いため、日本の海外取引所のIEOが冬の時代で国内取引所のIEOがガラパゴス的に絶好調であればどんどん国内取引所を利用するユーザーが増えていく流れになります。

ここでメリットデメリットの話が出てきます。国内取引所を利用する投資家にとってはバイナンスグローバルの日本人排他はとてもポジティブなニュースです。しかし、ブロックチェーン信仰者からするとこの取り組みは日本のガラパゴス化を招きますので否定的な意見となります。

もちろん法令遵守するのが大前提なので黙っていてもこの流れにはなるのですが、バイナンスジャパンの誕生が肯定的になるのか否定的になるのか分かれるのはこのためです。

特に仮想通貨投資履歴の長いSNSで情報発信を長くしているタイプの方はブロックチェーン信仰者が多いため、仮想通貨がつまらなくなると発言をしがちです。

2023年以降は国産の仮想通貨銘柄で億り人がたくさん輩出されることになるでしょう。それはブロックチェーン信仰者からするとどうでも良いことなのでインフルエンサーのタイプも大きく変わる見込みです。

コインオタクと伊藤は世の中に起きていることを解説するメディアなので2023年は積極的に国産仮想通貨銘柄を取り上げていく予定です。