個人マイナーの快挙:ビットコインブロック生成成功
2023年8月19日、一人のビットコインマイナーがブロックを生成し、6.25BTC(2400万円相当)を得ました。
近年、マイニングの難易度が上がり、大手マイニング企業が活躍する中でのこの成功は珍しいものとなっています。
このマイナーは、Solo.ckpoolというサービスを使用しており、1ペタハッシュの計算能力を持っていたと伝えられています。
Solo.ckpoolの管理者は、このマイナーが「Antminer S17」を10台使用していたのではと推測しています。
通常、大手企業のマイニング能力はこの数倍以上であり、個人が成功する確率は非常に低いとされています。
しかし、単独でのブロック生成成功は、98%のビットコイン報酬を得ることができるメリットがあります。
一方、ビットコインのマイニングハッシュレートは上昇傾向にあり、次回の難易度調整も7%上昇するとの予測が出ています。
個人マイナーがビットコインのブロック生成に成功、採掘報酬6.25BTCを手に入れる
COINPOST
ビットコインのハッシュレートと価格動向の不思議な関係
個人のマイナーが6.25BTC(当時の換算で2400万円相当)の採掘報酬を手に入れたニュースが話題になりました。
これは、大手企業がビジネスとして鉱山を購入して採掘するのとは対照的に、数年に一度、個人が偶然に金(Gold)を拾うニュースが話題になることと似ています。
しかし、この話の教訓は「瞬く間に裕福になることを目指して、取得できるかどうかわからないビットコインを採掘しよう!」というものではありません。
むしろ、マイニングビジネスがうまくいっているかどうかがビットコインの価格に影響を与えるという古い考え方を是正するきっかけにしてください。
マイニング事業者のビジネスがどれだけ好調かを示す指標は、ビットコインのハッシュレートと呼ばれています。
ハッシュレートが高ければ高いほど、採掘コストも高くなります。これは、高いコストを支払ってもビットコインの価格が十分に高く採算が合うことを意味しています。
逆に、ハッシュレートが低ければ、マイニングビジネスの利益を上げられず、業者が撤退していることを意味します。
ビットコインのハッシュレートはシステムによって決定され、採掘する人が少ないほどコストは安くなります。
そのため、ハッシュレートが急に下がることはなく、コストが安くなると採掘をやめた人たちが再び採掘を始めることがあります。
そして、将来的には、採掘報酬がゼロになる設計になっており、ビジネスとして行っている企業のほとんどが撤退することが予想されます。
市場には、ハッシュレートが上昇を開始するとビットコインが上昇するというあいまいなアノマリーが存在しますが、実際にはハッシュレートとビットコインの価格の間には既に相関関係はありません。
もし、正の相関が存在するのであれば、2023年8月のハッシュレートは、2021年10月にビットコインが67,000ドルでピークを迎えたときのハッシュレートと比べて倍以上になり、現在のビットコインの価格は100,000ドルを簡単に超えていなければなりません。
ビットコインの黎明期には、ハッシュレートに強い正の相関がありました。
しかし、最近では、ビットコインの価格に関係なく、ハッシュレートはずっと右肩上がりで伸びております。
これは、採掘コストが着実に高くなっていることを示しております。
2024年5月のビットコイン半減期に注意してください。
過熱したビットコインの採掘競争は、この日を境に再び大きく後退するでしょう。
つまり、ハッシュレートがクラッシュする可能性があります。
通常であれば、ハッシュレートの異常値が単に調整されたという話ですみますが、ビットコインの価格の低下につながる可能性があると信じられているほど、ハッシュレートの値は影響が大きいです。
ハッシュレートが下がらず、前回の半減期のように異常な急上昇を示すと、ビットコインのエネルギー問題が再燃するでしょう。
半減期は、エネルギー問題を解決するビットコイン自体の自己浄化行為であり、ハッシュレートが高ければなんでも良いという話ではありません。
正しい知識を持って半減期に臨みましょう。
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