エコノミスト、ビットコイン(Bitcoin)特集
エコノミスト(2017年10月24日号)にて、ビットコイン(Bitcoin)の特集が組まれました。
今回はその内容について紹介したいと思います。
テーマは、国の規制強化を受けての今後の暗号資産市場における課題についてです。
主に投資家の保護と詐欺への対策が問題となっています。
取引所が登録制に
「改正資金決済法」で定めた「暗号資産交換業者」の登録猶予期間が9月末に終了した。(中略)これにより、暗号資産取引所は登録制になり、法の規制の下に置かれたことになった。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
日本人の中には投資に対してギャンブル的な印象を持っている人が少なくなく、なかなか貯蓄文化から抜け出せていないという現状が見て取れます。
たとえギャンブル一つとして捉えられていたとしても、競馬などと同じように 国家のお墨付きであるという印象に変わってくれればより国内市場は活発化 しそうです。
日本政府の暗号資産に対する本気度もうかがえました。
暗号資産は通貨でも金融商品でもなく「モノ」扱い
改正資金決済法は、(中略)暗号資産は「財産的価値」で、通貨でも金融商品でもなく、「モノ」であると定義している。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
このニュースを初めて聞いたときは驚きました。
決済にも使えるモノという解釈を持つ以上、それは物々交換ということでしょうか。
しかしながら、例えばビットコインで買い物をする時は一度現金化するという扱いになるので所得税が発生します。
今後の税金も含めた「在り方」については議論の余地がありそうです 。
価格の乱高下による損失リスクが課題?
価格が乱高下する時に利用者が損失を被る可能性にどう対処するのかも課題になる。この点では、小豆や木材など「相場物」と言われている商品への対応が先例となるだろう。相場操縦のチェックの仕組みもある程度できており、応用可能と考える。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
まだまだ価格は安定しておらず、しばしば大暴落も起きています。
そうした危険は確かにありますが、ここで挙げられている「相場物」のように 価格を操作してしまっては、民主的な仕組みが崩壊する恐れ があります。
ジレンマと言えるかもしれません。
詐欺的なトラブルへの対処も必要
架空の暗号資産を購入させる「詐欺コイン」の販売、そしてICOで株式の上場のように資金を集めながら資金を寝かしたままにするなど、暗号資産に関連した詐欺的なトラブルが増加している。(中略)警察など他の行政組織との連携が欠かせない。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
ICOへの投資はハイリスクハイリターンであると言えます。
当然トラブルへの対処も必要となりますが、それにも限界があります。
きちんとしたリスクの説明など、 一定の規制は必要になってくる かもしれません。
株式でいうIPOなどの先例も参考になるでしょう。
国際的な犯罪への対応策について
犯罪対策は、取引所に記録の作成・保存、疑わしい取引の届け出などを義務付けているが、実際は(中略)対象は幅広く、十分な状況とはいえない。特に国際的な犯罪問題については、日本も含めた多国間組織「FAFT」によって対応している。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
ブロックチェーン技術による事実上不正のできない仕組みを利用すれば、こうした問題は芋づる式に検挙できるかもしれません。
そうした国際的な協力関係の中でシステムとしてブロックチェーンを導入すれば、世界中の国で情報を管理するという方法も採れます。
諸外国政府の対応と今後
韓国の規制状況はどうなっているか
韓国は9月29日、ICOと暗号資産の証拠金取引を禁止した。韓国金融委員会の声明によると、当局はあらゆる形式のICOを禁止するという。また暗号資産の取引のために資金を貸し付けることも禁じた。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
かなり早い段階で韓国政府は大きく規制に動きましたね。
確かに日本国内でも詐欺案件が多発しており、投資家保護の観点からは一定の規制はやむを得ないでしょう。
しかしながら、特に 起業家やその他中小企業は簡単に資金が調達できるなど画期的な面 もあります。
そうした元資金のない団体が新規事業を後押しできるような環境になることを願っています。
シンガポールの規制状況はどうなっているか
9月下旬に暗号資産企業の銀行口座が閉鎖された。この動きに対してシンガポール通貨庁は、「銀行各行は顧客取引・関係を含めふさわしい手順と管理を確立、マネーロンダリングとテロ資金活動を阻止するためのMSA規定の顧客査定要件に従うことが期待される」
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
シンガポールはハッキリと規制を表明したわけではありませんが、記事にあるように「期待される」という表現で暗黙に銀行への規制を示唆した格好となっています。
世界金融の中心的な存在である シンガポールがこうして暗号資産に消極的な姿勢を示したことは、大きな影響力を持ちそう です。
特にアジア圏諸国の対応に注目が集まります。
今後の各国政府の動きは?
各国政府は、まず、事業者や事業レベルのミクロレベルの対応と共に、法定通貨との関係を整理するマクロレベルの対応も進めるだろう。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
噂にもある法定デジタル通貨誕生が現実味を帯びてきています。
各国も自国発行通貨が暗号資産に取って代わられるのは本意ではないでしょうが、紙幣や硬貨の発行コストを抑えたいという思いはあるでしょう。
プライベートブロックチェーンを利用したデジタル通貨の発行は十分に考えられます 。
暗号資産の普及は国家にとって大きな損失?
国の収入は税金と通貨発行益であり、暗号資産が発展し、将来、この収入源を失うのは大きな損失となる。
引用元:エコノミスト
ビットコイン入門(2017年10月24日)より
日本が世界に先駆けて法整備を行ったのも、世界の金融市場で優位に立ちたいとの思惑があったと言われています。
暗号資産の市場規模は着実に拡大しており、その波に乗ってを国内経済を活性化しようという判断があったとしても不思議ではありません。
このままいけば、 日本でICOが全面禁止されるのは考えにくい でしょう。
終わりに
投資家の保護は重要な国家政策上の課題ではありますが、まずは利用者一人一人がしっかりと勉強をして、仕組みやリスクを勉強する必要があります。
そのための情報を提供しているので、ぜひCOIN OTAKUサイトを今後も活用してください。
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