Nexo 米でのレンディング事業撤退
アメリカで仮想通貨レンディング(※)の事業拡大を狙っていたNexoは5日、米証券取引委員会(SEC)をはじめとする規制当局との交渉断念を理由として、アメリカから段階的に撤退することを発表した。※仮想通貨レンディング:通称“貸仮想通貨“と呼ばれ、預金した仮想通貨を第三者に貸し出し、利息で利益を得る手法。
今年9月、米国各州の規制当局はNexoが提供する仮想通貨レンディング商品を有価証券とみなすと発表。それに対してNexoは、数か月の交渉を続けていたが、規制当局が事前通知なしに訴訟を起こしたと指摘している。
Nexoはこれまで当局の求めに応じ、今年までにニューヨークおよびバーモント州でのサービス提供と米国の新規顧客への利回り商品提供を一時停止していた。
COIN POST
NEXOユーザーはどうするべきか?
大手レンディング企業のNEXOが米国からの事業撤退を発表しました。これは規制当局との対話の結果、米国では事業ができないという判断によるものです。ライバル企業であるBlockFiは米国でSECと和解をし正式に証券サービスとして登録を行い、その後、破綻しました。
この事実から読み取れるのは、証券業として行うと事業として崩壊する。証券業として行わない限り、どの国でも規制がされたら離脱するという判断になるでしょう。
ブロックチェーン企業の言い分もよくわかります。ブロックチェーン技術で堅牢にセキュリティを担保し、情報を公開し透明性を証明しているにも関わらず、情報を隠す既存のビジネスと同様のルールで縛られているので、証券業になるとコスト高になりビジネスが破綻してしまいます。
WEB2のルールでWEB3のサービスを提供するため、今の市場にいるWEB3企業は非常に苦しい時代を乗り切らないといけません。
WEB3を利用するユーザーもまだ100%の信頼をWEB3に対して持っているわけではなく、WEB2のルールを準拠しているサービスを利用しております。WEB3が発展するためにはキャズムを超えるまで多くの企業が挑戦をし続けるしかありません。
NEXOを利用しているユーザーはどうするべきか?サービスを利用する場合、その企業の置かれている環境を判断に入れた方が良いです。明らかにNEXOには逆風が吹いておりますので、資産運用をするのは控えた方が良いでしょう。
同様に海外取引所を利用しているユーザーも注意が必要です。特定の海外取引所の経営が危ないのではなく、海外取引所というビジネス自体が逆風が吹いており、これからサービスを継続しにくくなっていきます。
このニュースは仮想通貨市場にとってネガティブに思われますが、米国の仮想通貨市場にとってネガティブなだけで、日本の仮想通貨市場にとってはポジティブな流れがきております。
米国政府はWEB3を既存の法律・規制当局の管理下に置こうとして失敗をしております。日本はどうでしょうか。日本はWEB3に力を入れた省庁を新たに設置し、WEB3事業が推進できるように経済特区まで着手しております。今までの日本の流れからするとかなり時代に合った挑戦的な取り組みです。
世界各国で規制の圧力に疲れたWEB3企業が日本で事業展開をする未来が見えております。日本は仮想通貨市場を始めて産業として成り立たせた国です。次は日本がWEB3を世界に先んじて認めた国になるでしょう。
その他のおすすめ記事
【伊藤が解説します】日本政府暗号資産(仮想通貨)業者間の情報共有義務付け
【伊藤が解説します】ミクシィ×DAZN NFT二次流通市場を解禁
【伊藤が解説します】グレースケール、仮想通貨投資信託についてSECから調査
この記事を書いた人
-
「暗号資産市場の最前線を知る男」として世界中の暗号資産界隈の人脈を持ち、国内外のイベントに引っ張りだこ。
現在、毎週TwitterとYoutubeにてLIVEを発信中。
▶︎Twitter ▶︎YouTube ▶︎LINE
最新の投稿
- ニュース2025年1月15日【伊藤が解説】米国の規制緩和?1月20日に向けた期待と準備
- PR2025年1月12日[PR]BANされたAIが狂気じみた復活を遂げる:資金調達額1480万ドルを突破したiDEGEN
- ニュース2025年1月10日【伊藤が解説】ビットコインの価格予測、今が最も簡単な理由とは
- ニュース2025年1月9日【伊藤が解説】ビットコイン売却とアルトコインバブルの可能性