2020年6月21日に分散型ストレージ市場の拡大を目的とした日中共同会議がオンライン上で行われました。
コインオタク編集長の伊藤も参加をさせて頂きましたので、当日の様子をまとめて公開をさせて頂きます。
新しいIPFS技術が世の中に浸透をして行くワクワクを皆さんと一緒に体験をできればとても嬉しいです。
IPFS日中共同会議の概要
1989年にワールド・ワイド・ウェブコンソーシアムが開催されて30年が過ぎた。この間、インターネットはWeb1.0,Web2,0と進化し、様々な技術が生まれてきた。
しかし、その一方で元々データの一極集中を分散するために生まれたWebが逆に一部の企業に集中することとなり、Webの世界の自由闊達な成長に阻害要因が生まれてきているのも事実である。
IPFSはWebの世界を本来の目的の一つである真の分散型ネットワークを実現する最適な仕組みで、そのIPFS技術の生みの親はアメリカ・ProtocoL Labs社である。そして、IPFSをユーザーに浸透させるための手段であるFilecoinがいよいよ上場目前となった今、Filecoinネットワークを支えるためのマイニング市場で世界をリードする中国とFilecoinの利用者を高めるためのコンテンツを多く保有する日本で共同プロジェクトを発足した。
アメリカからの波と中国・日本からの波が双方から発生し大きなうねりを作り、新たな世界を構築することを目的とし、ここに日中共同プロジェクトを宣言する。 (IPFS日中競合会議 概要より抜粋)
会議出席者
会議の様子を当日の録画情報と共にお届けいたします。
開始の挨拶
https://youtu.be/uLoc0XXj54o
TOMORROW社紹介
https://youtu.be/oOvBGgUASCg
tomorrowの創設メンバーで副総裁です。2017年に事業開始しました。グラフィックカードを使ってマイニングを開始することが初の事業です。当時は、ビットコインマイニングをするためにAMD社のアジアの全てのグラフィックカードを買い占め、2本の生産ラインも確保しました。200億円を使った生産規模となります。
2018年からマイニング製造からマイニングサービスにチェンジし、1000万テラハッシュ~5000万テラハッシュに増加しました。
中国全土で16箇所、合計48万台のマシンを稼働させており、電気代の規模で言えば、1時間80万キロワットもあります。昨年の中国政府への納税額は560万元(10億円)にものぼります。
現在、四川省の政府とも提携し、マシン製造メーカーから政府公認の事業会社に成長しました。
興味がありましたら日本の皆さんをマイニングセンターをご案内します。
2021年-2022年はナスダッグへの上場を目指して、アメリカの優秀なリーガルチームと協議を始めております。
NONENTROPY社紹介
https://youtu.be/BJbsk9ahZvg
IPFS技術に注目したのは2017年頃です。その年から研究を始めました。2018年からIPFSの情報を中国へ拡散しました。プロトコルラボ社と共同研究/プールの実証実験をしており、バグなどの障害や技術的なアップデートを当社から提案した内容は現在実装されております。
IPFS技術の注目している2つのこと
1.どのように応用されるのか?
当社は中国人民大学と提携しており、大手企業に分散型の技術を提供しております。DropBOXのような分散型アプリも開発しており、農業関係のアプリ開発など10個ほどアプリを開発し提供し運用しております。
2.マイニング
マイニング機器の開発は先行者に優位性があります。これまで10種類のマシン開発し、それをバージョンアップさせてきました。
グループマイニングのソリューションも6種類ほど開発しております。
中国ではIDCルームを運用し、12個のマイニングセンターを保有しております。そのうち、5つは政府協業事業となります。
アプリケーションの運用にデータセンターを活用しており、マイニングの効率化にも活用しております。当社のマイニングの効率は、常に世界トップ3に入っております。
当社はIPFSの事業を政府から唯一認可されている企業であり、日中の力を合わせて今後大きなビジネスに繋げていきたいと考えております。
NONENTROPY社へコインオタクから質問
https://youtu.be/9VXU-81×428
■質問
中国政府のFilecoinのとらえ方を知りたい。仮想通貨なのかどうか。それとも別の認識があるのか。
■回答
2つの視点があります。中国政府はマイニングを一度禁止した経緯があります。これは電力を無駄に消費しているという理由で禁止をしました。その後、すぐに解除されております。しかし、禁止したことのみが世界に伝わり、その後にすぐ解除されたことはあまり知られておりません。
Filecoinについての政府の見解は、取り扱うデータ・情報の管理ができない可能性に懸念を持っております。このことから政府は初めはIPFSの技術に積極的ではありませんでした。しかし、NONENTROPY社は政府と提携しました。その際に政府に提言した内容があります。
『この技術を受け入れないと基幹産業に参加できず、ノードが海外に作られることになります。すると海外のノードから情報が中国に入ってくることは阻止することはできません。そして、このような技術進歩を止めることは誰にもできません。』
NONENTROPY社へSIGOOT社水野氏から質問
https://youtu.be/cyQTLutc0U8
■質問
TOMORROW社が話したビットマイニングでは、80万kwの大量の電力を使っているようですが、Filecoinのマイニングは大量の電力消費を抑えられるということでしょうか?
■回答
ビットコインマイニングのように演算に負荷をかけるわけではありません。代わりにハードディスクに負荷がかかります。しかし、ビットコインマイニングほど電気代はかかりません。
重要なポイントとして、ビットコインマイニングでは電気代が安いところに建設するのが基本でしたが、Filecoinマイニングは違います。Filecoinマイニングでは、インターネット環境へのアクセススピードや安定性などが重要になります。これによりマイニングの効率、コストパフォーマンスが変わります。他にもメインネットへの物理的な距離の近さやデータへのアクセス効率よくさせる各社の技術によってもプールのマイニング効率が変わります。
■SIGOOT社水野氏コメント
マイニングだけでなく中央サーバー依存型のビジネスの最大手グーグルの電気消費は、全米の7%の電力を使用しています。分散型の技術が拡がることでこれからは中央サーバー依存というのは過去のものになるだろうと思います。
LucyPool紹介
https://youtu.be/NjLgCLOis6Y
3年前からIPFS技術やFilecoinの研究を始めております。いまでは50万人フォロワーがおり、IPFSやFilecoinでは最大のKOL※です。
※KOL(Key Opinion Leader)とは中国のマーケティングにおける重要なインフルエンサーのこと。
LucyPool 暗号資産コミュニティの期待
https://youtu.be/eo0RkxVILRY
最近ではすでにFilecoinの話題がヒートアップしております。従来のビットコインマイニングの有名なメーカー、企業がFilecoinのマイニングに参加することになりました。Filecoinが上場してからマイニングに参加する予定だった人たちの流れが変わり、中国のみんながもともと期待していた金額の3倍くらいには高騰するだろうと予測し始めております。
すでに500PiBの容量が用意されております。
Filecoinのマイニングには担保というシステムがあります。これはマイニング主体者が安全にデータを保存するための責任を有していて、罰金も存在するということです。担保として0.8~1.2のFilecoinがまず必要となります。500PiBの容量のデータが動くと担保金がマーケットに要求され放出制限が起きることで、一気に高騰する可能性もあります。上場してすぐにビットコインの時価総額を超えるのでは?と中国では多くの人が発言し始めております。
意見交換 幸治広門氏
https://youtu.be/csyPTc3pBCg
https://youtu.be/zQOX30LaGgw
■質問
プールの強みはどこにあるか? 優位性を知りたい。
■回答
NONENTROPY社は世界中で演算効率を上げてきました。世界中の研究者が演算効率を目指したので、そこまで演算については大差はありません。後発のチームも効率も追いついてくるのではないかと予測しております。
その中でNONENTROPY社として注力しているのは、データの保存と読み込み、それぞれのステップ/ミッションの効率化を図りデータ領域を最大効率で使い有効データの獲得(Filecoinの獲得)に集中することです。
保存するときにビデオなのか、写真、音声なのか。データによって形式容量が違います。保存するとき、復元するときに効率よく行うため細分化しております。
SIGOOT代表 西村氏
https://youtu.be/iMDVFMx-iL8
SIGOOTの紹介と仮想通貨の歴史(日本)と状況について解説します。
西村氏は慶應大学卒業後、ジャフコでベンチャー投資に従事し、25年間一貫してインターネットビジネスに関わってきました。
Filecoinの日本側での認知について
ビットコインの認知度は大きく、会員制のマイニングサーバービジネスは昔からあります。しかし、ファイルコインはいま日本では全く認知されてはおりません。日本では暗号資産に関してのネガティブニュースの量が多いという事が影響していると考えております。
SIGOOTの戦略として、暗号資産メディアと組んで認知を広げることから始めております。日本ではすでに多くのメディアにFilecoinを取り扱ってもらっております。
SIGOOT顧問 水野氏
https://youtu.be/WunqiquZ1Es
長年西武百貨店の社長を経験してきました。ネットスケープ社から依頼をもらい顧問なり、その後上場しました。当時、西武時代の退職金5倍のストックオプションをもらいました。
ネットの世界も変わっていき、中央管理型に寄っていきました。そして、グーグルやヤフーの出現に繋がります。
ブロックチェーンの姿に期待しております。時代が変わると感じております。
しかし、がっかりしたのは、通貨の価値を逸脱し、投資商品になってしまったことです。そして、セキュリティの弱さが露呈し、交換や決済に時間がかかるなどの問題も生じました。
IPFS技術とFilecoinの登場によってこの問題を解決できると期待しております。みなさんと出会えたことが嬉しいです。
コインオタク編集長 伊藤の所感
今回、IPFS技術およびFilecoinの日中共同の情報交換の場に参加をさせて頂きとても感謝しております。
日本から参加した各業界著名人の方が発言したように、2020年は業界が大きく変わる期待があります。新しい技術を正しく紹介する我々コインオタクの役割が大切になると自負をしております。
すでに一部の方にはIPFS技術やFilecoinの存在を認識いただいたと思いますが、知っているだけではなく、大きく期待を頂き、支援をして欲しいと考えております。
これからもコインオタクは最新の情報を取り入れて、読者の皆様へお届けさせて頂きます。
Filecoinへ興味を持った方はぜひこちらの記事も参照ください。
https://coin-otaku.com/topic/50974
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