1月30日に開かれた参議院予算委員会にて、日本維新の会の音喜多駿参院議員が公文書の管理についてデジタル文書化とブロックチェーン技術の活用を推奨しました。
音喜多駿参院議員は「現在の技術を用いればデータの改ざんは限りなく防止することが可能で、ブロックチェーン技術を使った公文書の管理を提案し、改ざんが極めて困難になることから通貨決済に利用されるブロックチェーン技術ですが、ハッシュ化という行程を組まなければならないため、すでにデジタル化している公文書に適用するにはいささか労力が必要です。
幸いにと言いますか、我が国は公文書のデジタル化が進んでいないため、ブロックチェーン技術を比較的容易に適用することが可能です。少なくとも現時点から後に作成された公文書は限りなく改ざんが困難になります。公文書間にブロックチェーンを使うのは過剰だと意見がありますが、政府が公文書間にブロックチェーン技術を使うとなれば間違いなくその発展に大きく起用することになり、一石二鳥とも言える解決策ではないでしょうか。デジタル化推進と同時に是が非でも公文書間にブロックチェーン技術を実装するべきと考えます。」
と、世間を賑わした公文書問題について指摘し、これに対し安倍総理は「ブロックチェーンを導入するかどうかは技術的な問題がある。」と返答し、北村担当大臣が代理答弁しました。
北村担当大臣は行政文書の電子化においては、今後作成、取得する行政文書は電子媒体を製本あるいは原本とすることを原則とし、改ざん防止のための措置を講じつつ、行政文書の作成、取得、移管、廃棄までを一貫して電子化する本格的な電子的管理を目指すこととし、具体的な実現の手段については検討中です。」
最後に音喜多議員は「技術と環境は既に整っており、あとは政治家の決断次第だ」と主張しました。
ブロックチェーン技術の話だけでなく、行政文書の電子媒体保管はハードルが高いです。
実際の記憶媒体の寿命はアナログの方が長期間保管に適していることが判明しており、ブロックチェーン技術が改ざんができないとしても長期間の保管に適しているかどうかはまだ未知数です。
複数の記憶媒体を使うという事も考えられますが、今後のテクノロジーが進化すればするほど複数の保管手段を同時並行で行う事となり、行政文書の記録コストが増加につながります。
ブロックチェーンは理論上永久的に続くものですが、まだ十分な検証がされていると判断しない方が良いでしょう。
銀行業務がブロックチェーンの導入をためらったように、行政文章の保管に関してもブロックチェーンの情報開示による透明性の担保とは相性が良くないかもしれません。
全ての事象がブロックチェーン技術一つで解決するわけではありません。今後は課題である長期間保管の担保ができる仕組みが開発されれば、暗号資産市場にとっても大きなプラスとなるでしょう。
この記事を書いた人
最新の投稿
- 債務整理2024年8月10日債務整理でブラックリストに登録される期間は?信用情報への登録で受ける影響を解説
- 債務整理2024年8月5日債務整理の費用相場はいくら?借金の返済に追われて払えない場合の対処法を徹底解説
- 債務整理2024年8月2日大阪で債務整理に強いおすすめ弁護士・司法書士15選!費用や選び方についても解説!
- 仮想通貨2024年6月7日保護中: 【会員限定】コインオタク流「裏ワザ」で稼ぐ