久しぶりの投稿となりました。
この数か月、世間は相変わらず新型コロナウイルスの話題で持ちきりですが、この世の中がどんどんと世知辛いものになっていると感じています。
今回は少しそれに関連し、かつこちらの界隈で賑わっているニュースをピックアップし、簡単に解説したいと思います!
FIREが流行している背景にも迫ってみました。
パナソニック「退職金4000万円上乗せ」で50歳標的の壮絶リストラ
パナソニックが、バブル世代をメインターゲットにした大規模リストラに着手することがダイヤモンド編集部の調べで分かった。早期退職プログラムの一つである「割増退職金」の上限が4000万円に設定されるなど大盤振る舞いをする。それほどまでに成果の乏しいロートル社員の滞留が戦力人材の活躍を阻むことが、社内では問題視されていた。
2021/5/17 ダイアモンドオンライン パナソニック「退職金4000万円上乗せ」で50歳標的の壮絶リストラ より
古き良き日本型雇用形態
「通勤通学でさくっと学べる」をコンセプトにしている金崎明人がこの事象を背景から解説していきます。
少し歴史を振り返ると、現在の日本社会の在り方が大きく変わったのは戦後でした。
それはもちろん、民間企業も同様です。(財閥解体が有名ですね)
戦後の復興期の日本は文字通り焼け野原からのスタートでしたので、とにかく「供給すれば消費される」というスタート地点でした。
また、当時の世界情勢から東西冷戦で共産圏と資本主義陣営との貿易もあまりなく、今ほどグローバルな貿易体制が形成されているとは言えない状況でした。
そのような環境から日本政府や日本企業は「資材を輸入し、安価な労働力で加工し、輸出する」という経済発展モデルの王道を歩んでいきました。
国内の需要が旺盛だったことに加え、中国のような人件費が安い国は共産圏で内にこもっている、また若年層が豊富だった日本の環境はこの王道モデルにはもってこいだった訳ですね。
この成長パターンでカギを握るのが「労働力」。
学校教育で画一的で規律正しい人材を供給することを目指し、また就職しても「一つの会社に勤めあげさせる」ことで労働力を分散させず、雇用を安定化させたかった政財界の思惑が一致した訳です。
護送船団方式という言葉が有名なように当時は国家主導で産業別の振興が図られ、いち早く先進国への復帰を国民総出で成し遂げようとしたわけですね。
このような時代背景もあり、所謂、新卒一括採用、定年雇用、年功序列、社内ローテーションといった特徴のある日本型雇用スタイルが生み出された訳ですね。
まだ介錯する余裕がある内資企業
一部のメディアでは若者の〇〇離れ というようなレッテル貼りで、今の現役世代が悪いというような論調には反吐が出ますが、簡単にこの日本の失われた30年の一番の原因は、「時代の変化についていけず、いつまでも過去の成功体験に囚われている」に尽きます。
ワクチン接種や保健所の対応、いや民間企業でもそうでしたが先進国最低レベルの「IT音痴」。
ポスドク研究員問題など、研究開発を行う人材育成を怠った「戦略の欠如」。
世界的にも物価の安さが魅力となった「コスパの良い国」=なかなか上がらない給与。
色んな所で問題が出ていますが、グローバル化で豊富な人材力を持つ中国やベトナム、インドも経済圏に参入し、欧米はITや金融、製薬、航空宇宙 といった先端産業で圧倒的なプレゼンスを発揮している。
日本が成長を続けてきた時代と大きく異なる現在の環境にうまく対応できず、未だに過去のやり方に固執しているのが、今蔓延している停滞感の根源だと私は考えます。
これは政治に無関心な私たち国民、また変化を拒んできた企業にも責任があります。
2010年(GDPが中国に抜かれた年)以降、徐々に過去の蓄積だけでは耐えられなくなり、これからどんどんと冒頭のような「ドライな」対応をする企業が増えていくと予想されます。
ただ、大企業は記事にあるように相当な割増賃金付与、また外部企業を用いた転職活動支援や斡旋があるといった大盤振る舞い。
個人的にはまだまだ優しいなぁ と思いますが皆さん、どう思いますか?
アメリカならすぐ来週から荷物片づけて出て行け、ですからね苦笑
超自己責任。
超スマートなリストラ策がどんどんと
損保ジャパンえげつねえな
①200億で不人気な介護会社を買収
②4,000人のリストラ対象者に介護事業への異動通知を出す
③多くの人は移りたがらずそのまま退職
④自己都合退職なので割増退職金(1,000万/人→計400億)を支払わず済むお金の窓口 2019/7/2 損保ジャパンの『合法リストラスキーム』とは?巷の話題を検証 より
就職活動をしている学生さん達も内定承諾書に色々と書かれていると思いますが会社員である以上、会社に異動命令に背いた場合は、必ず何らかのペナルティが見える形、または見えない形であります。
法律を順守していないような命令は論外ですが、法律に問題ない、また会社の内規ルールに従っている場合、大体の異動命令に背いて退職した場合は「自己都合による退職」となります。
この損保ジャパンのスキームは、グループ会社の介護会社を活用し、リストラ費用を削るという会社と株主が大喜びするスキームです。
こんな合理的なスキームを例として、どんどんと日本の大企業でも増えていくことは間違いないでしょうね。
心理的に辛いのは分かりますが、雇用の流動性を高めるべきと考えている金崎明人は、このようなリストラや企業買収といったニュースには好意的です。
日本の企業はもっと多様性を持つべきと思っていますので。
FIREブームも時代背景があるからこそ
コインオタクの読者さんなので、FIREという単語はご存知ですよね?
「Financial Independence Retire Early」 の頭文字の略でFIRE。
日本語訳は 「経済的に自立し、早期リタイアする」。
凄い簡単に言うと、生活費を上回る不労所得を得られれば、自由になるよね?という考え方です。
以前、地上波テレビでFIREの特集がされた時は否定的な意見が多く驚きましたが、今の若い世代がこのFIREにポジティブなイメージを抱いているのは、未来が自己責任論で埋め尽くされるのではという潜在的な不安や恐怖があるからだと金崎明人は考えます。
そもそも、この国は自由主義の国なので、人の生き方なんてどうでもいいと思いますが、相互監視、妬み好きな国民性からどうも違う考えが出るとネガティブな印象から入るようですね。。。
別にFIREという生き方を選択しても良くないですか?
暗号資産についても言及すれば、昨今の暗号資産市場は荒れに荒れ、ようやく主要投資品目にカテゴライズされ、一定の地位を確保したと言えます。
暗号資産一本や!とリスキーなことをせずに、もしFIREしたい!と思うのであれば暗号資産意外に、債券市場や株式市場、中央銀行の仕組みといった経済の知識を学ばないと成功確率はぐんと下がると思います。
私含め、常にアップデートが必要ですね!
あの定年雇用の最たる松下幸之助のパナソニックが合理的なリストラというニュースから色々解説してみました。
「変化に柔軟に生き抜く力」を養わないといけませんね。
以上、金崎明人がお送り致しました。
この記事を書いた人
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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