【伊藤が解説】分散型自律組織（DAO）対CFTC訴訟：世界初の判例と影響

米法廷、Ooki DAOに罰金と停止命令

米連邦裁判所は、分散型自律組織Ooki DAOが法規制を逸脱し、非法に商品取引を行ったとして、商品先物取引委員会（CFTC）の訴えを受け入れました。
Ooki DAOは、約9000万円の罰金を課され、事業を停止しウェブサイトを閉鎖するよう命じられました。

この決定は、DAOが法律を逃れるためのシェルターではないことを示すもので、今後の分散型金融と法律との関わりにとって重要な先例となりました。
Ooki DAOはCFTCからの対応要請を無視し続けたため、この判決が下されました。
この判決は、DAOの活動が法律の範囲内で行われるべきであり、無責任な行動が一般の投資家を危険にさらすことがあると警告しています。

米CFTCがOoki DAOに勝訴、事業停止と罰金9000万円

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分散型自律組織（DAO）対CFTC訴訟：世界初の判例と影響

このニュース、 伊藤が解説します。

世界初のDAO（分散型自律組織）に対する訴訟の結果が出ました。

米国商品先物取引委員会（CFTC）が提起した訴訟は、米連邦地裁にて認められ、被告であるOoki DAOは罰金を課せられ、事業を停止せざるを得なくなりました。
この後、DAOはどのように責任を負うのか、他のDAOも訴訟のリスクがあるのかを説明します。

今回のDAO訴訟の背景は複雑です。
元々DAOではなく、違法に営業する取引所としてbZeroXが訴えられました。

この時点ではbZeroXの創設者が被告となり、裁判には和解が成立しています。
その後、bZeroXは創設者の手からOoki DAOというDAO（分散型自律組織）に移管されました。

創設者が事業を持たないため、裁判所の命令を順守することができません。
結果として、違法取引所bZeroXはDAOの傘下で営業を続けることとなります。

この動きを認められなかった米商品先物取引委員会（CFTC）は、DAOに対して訴訟を提起することを決定しました。
しかしながら、事前の規制がない状態でDAOを取り締まる一方的な行動に対し、業界団体からは強い反対の声が上がり、さまざまな機関から法廷助言書が提出されております。

それでも米商品先物取引委員会（CFTC）は、DAO訴訟を突き進めました。
しかし、DAOとはガバナンストークンを所有するコミュニティを指すため、裁判には誰も出席しなかった結果、米商品先物取引委員会（CFTC）の訴訟が全面的に認められることになりました。

DAOのどのメンバーが罰金を課され、または事業停止になるのか、これは不透明です。

おそらく、裁判の結果を無視したDAOの創設者やキーメンバーが、後日訴えられることになるでしょう。
そのことを恐れてDAOのガバナンストークンが暴落し、ユーザーが急減したために違法取引所bZeroXが終息することとなります。
この一連の流れを持って、法による実質的なDAOの取り締まりに成功したと言えるでしょう。

今回はDAOになる前の違法行為があり、現実的にはDAOを利用して刑罰を逃れようとした創設者に対する訴訟です。
他のDAOが突然違法性を問われることは考えにくいでしょう。
このようなトラブルは日本でも起こる可能性があります。問題が起きた後に取り締まりが追いつかないように、分散型サービスの適正な規制を期待しましょう。

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