仮想通貨をいじり始めるとよく聞く「メタマスク」。ウォレットなのはわかるけど、実際どんなものなの?と疑問に思っている方も多いでしょう。
本記事では暗号資産を管理できる「メタマスク」について、概要やメリット・デメリットを解説します。その上で、メタマスクの作り方・ネットワーク追加方法、スワップについても紹介します。
仮想通貨ウォレット「メタマスク」とは
メタマスク(MetaMask)とは、イーサリアムやその他ネットワークを追加して、暗号資産・NFT保管できる仮想通貨ウォレットです。
スマホアプリまたはGoogle Chrome上で使用できるホットウォレットに分類されます。
常にインターネットに接続されてはいますが、厳重なシークレットリカバリーフレーズを利用しており、セキュリティも厳重です。
何よりメタマスクは使い勝手が良く、初心者でも扱いやすい点が魅力といえるでしょう。
初めて暗号資産を扱う方、自分専用のウォレットが欲しい方は、メタマスクから使い始めてみてください。
仮想通貨ウォレット「メタマスク」のメリット
メタマスクは仮想通貨ウォレットの中でもかなりメジャーです。
どうしてここまで利用されているか、メタマスクのメリットを6つ紹介します。
- ネットワークの異なる仮想通貨を管理できる
- ブロックチェーンを追加しさまざまなプラットフォームで利用できる
- スマホアプリ・ブラウザで利便性が高い
- Google拡張機能で利用できる
- メタマスク上で暗号資産のスワップができる
- ガス代(手数料)を自由に設定できる
メタマスクの特徴の説明にもなっていますので、メタマスクで何ができるか理解してからウォレットを作りましょう。
ネットワークの異なる仮想通貨を管理できる
メタマスクはイーサリアム系チェーンのウォレットですが、ネットワークを追加すれば、他の暗号資産も管理可能です。
- Astar Network
- Avalanche Network
- Arbitrum One
- BSC(BNBチェーン)
- Cronos
- Fantom
- Godwoken Polyjuice
- Harmony
- Huobi Eco Chain(HECO)
- KCC(KuCoin)
- OKEx
- Polygon
- xDai
バイナンスチェーンやNFT系でよく使われるポリゴンネットワークなども利用できます。
ネットワーク追加の方法は後ほど説明しますが、イーサリアムだけでなく、さまざまな暗号資産を1つのウォレットで管理できて便利です。
ブロックチェーンを追加しさまざまなプラットフォームで利用できる
メタマスクは、さまざまなブロックチェーンと接続して利用できます。
たとえばGameFiなどのサイトへアクセスし、メタマスクを接続すればそのまま送金に利用できて便利です。
OpenseaなどのマーケットやUni Swap、Pancake Swapなどにも接続できます。
メタマスクはメジャーなウォレットであり、対応しているプラットフォームも多いため、ゲームやDefiなど、幅広く利用できる点が特徴です。
スマホアプリ・ブラウザで利便性が高い
メタマスクはスマホアプリバージョン、ブラウザでの閲覧ができます。
スマホ端末でもウォレットを起動させられるため、いつでも暗号資産の管理や取引ができることが特徴です。
暗号資産を持ち歩け、今後暗号資産の実用化が進めば、買い物に利用することもできるようになる可能性があります。
Google拡張機能で利用できる
メタマスクはGoogle Chromeの拡張機能で利用できます。
Chromeをひらけばいつでもメタマスクを起動できて便利です。
日常的にGoogle Chromeを利用している人は、わざわざブックマーク追加をしてアクセスせずにメタマスクへアクセスできます。
メタマスク上で暗号資産のスワップができる
メタマスクには暗号資産のスワップ機能がついています。
通常はウォレットから暗号資産取引所やDefiへ送金をした上で、通貨をスワップしなければなりません。
しかし、メタマスクの中で暗号資産がスワップできるため、手間なく暗号資産を別の通貨に交換できることがメリットです。
ガス代(手数料)を自由に設定できる
暗号資産のスワップや送金には、手数料がかかります。一般的にガス代と呼ばれるものですが、この手数料が案外高額です。特にイーサリアム系のネットワークはガス代が高騰しており、取引がしづらいのが難点。
メタマスクは、取引の速度を選ぶことで、ガス代を節約できます。
メタマスクでの取引で必要なガス代の相場は以下の通りです。
- 低速:20Gwei
- 平均:22Gwei
- 高速:26Gwei
Gweiはガス代の単位「1Gwei=0.000000001ETH」
メタマスク上で速度を落として取引を行えば、ガス代を節約して送金・スワップができるのも特徴です。
仮想通貨ウォレット「メタマスク」のデメリット
暗号資産ウォレットであるメタマスクは非常に便利ですが、いくつかデメリットもあります。
- ホットウォレットであるためセキュリティに不安がある
- 対応していないブロックチェーンがある
- 対応ブラウザが少ない
もちろんメタマスクに限らず、暗号資産取引や管理にはリスクがあります。特にデメリットと呼べる点を3つ紹介しますので、頭に入れておきましょう。
ホットウォレットであるためセキュリティに不安がある
メタマスクはホットウォレットに分類されます。ホットウォレットとは、インターネットに常時接続されているウォレットのことです。
つまり、ハッキングの脅威に晒されており、ウォレットへのアクセスが容易。
もちろんセキュリティ対策は取られていますが、コールドウォレット(紙に秘密鍵を保管する、またはハードディスクで管理)よりはセキュリティ面で不安があります。
そのため全ての資産をメタマスクで管理することはおすすめしません。複数のウォレットを使用し、メタマスクは取引用にするなど使い分けましょう。
対応していないブロックチェーンがある
メタマスクは複数のチェーンに対応していますが、非対応のものもあります。
有名なビットコインですが、実はメタマスクでは管理できません。ビットコインチェーンには対応していないからです。
メタマスクは、全てのチェーンに対応している万能のウォレットではない、という点は理解しておきましょう。
対応ブラウザが少ない
メタマスクはブラウザでの閲覧も可能ですが、対応しているブラウザは少ないです。
- Google Chrome
- FireFox
- Opera
- Brave
日本で一般的に使われているのは、Google ChromeとFirefoxでしょう。しかし、Internet ExplorerやSafariは非対応です。
そのため、使い慣れたブラウザで利用できない点にストレスを感じるかもしれません。
メタマスクのウォレットを作る方法
メタマスクは初心者向けの仮想通貨ウォレットとしておすすめです。
- Google Chromeでメタマスクを始める方法
- スマホアプリでメタマスクを始める方法
メタマスクを今から始める方向けに、ウォレットの作り方を説明します。
Google Chromeでメタマスクを始める方法
Google Chromeの拡張機能を用いて、メタマスクを始める方法を解説します。
Google Chromストアから、メタマスクを拡張機能に追加しましょう。右上のChromeに追加を選んでクリックしてください。
開始ボタンを押して、設定を始めましょう。
品質向上へのお願いが表示されたら、同意するを押して先に進んでください。
メタマスクを初めて利用する場合は右のウォレットを作成を選び、すでにスマホ版でウォレットを作っている方は、秘密のリカバリーフレーズを入力して復元してください。
まずはパスワードを設定しましょう。ログインの度に必要になるため、覚えられる範囲で強度の高いパスワードを使用するか、パスワードマネージャーなどへ記録しておきます。
パスワード設定が終わったら、次は秘密のリカバリーフレーズを設定して、ウォレットの保護を行います。
次へをクリックして、次の画面を表示させましょう。
シークレットリカバリーフレーズを表示させる際は、周りに人がいないか確認してください。
次の画面でフレーズを入力する必要があるため、紙などに書き取って厳重に保管しておきましょう。
フレーズを順番通りに並び替えて、確認を押しましょう。
以上でGoogle Chrome拡張機能のメタマスク作成は終わりです。
スマホアプリでメタマスクを始める方法
まずはアプリストアから、メタマスクをダウンロードしましょう。Androidの方は、GooglePlayからダウンロードできます。
まずはダウンロードしたアプリを起動して、開始ボタンをタップしましょう。
初めてメタマスクを作る場合は、新規ウォレットを作成を選びましょう。
すでにブラウザでメタマスクを作っている場合は、秘密のリカバリーフレーズを入れれば、同期できます。
まずはメタマスクのパスワードを設定します。セキュリティを考えて、強度の高いパスワードを作成してください。
ウォレットを作成中の画面が表示されたら、しばらく待ちましょう。
ウォレットの作成が完了したら、案内の動画が表示されます。英語なので聞き取れない方はスルーしましょう。
次に、秘密鍵を設定してメタマスクウォレットを保護するステップが始まります。
下の方にある「開始」をタップしてください。
秘密のリカバリーフレーズは、最初は見えないようになっています。人のいないところで表示させて、紙などにメモをとりましょう。スクリーンショットを撮っても良いのですが、万が一携帯を紛失した際に情報漏洩の危険があるため、紙に書くか別の媒体に保管してください。
次に進むと、先ほど表示させた秘密鍵の情報がランダムに表示され、順番通りに並び替えるように指示があります。
指示通りに秘密鍵の単語を選んでいき、バックアップを完了させてください。
1つでも間違いがあると、秘密鍵の復元ができずウォレットが作れませんので、慎重に作業しましょう。
こちらの画面が表示されたら、スマホアプリ版メタマスクの作成が完了します。
デフォルトはイーサリアムネットワークになっています。ここまでできれば、暗号資産取引所から資産を送金して、ウォレットを使い始めることができます。
メタマスクに暗号資産を送る方法
メタマスクを作成しても、まだ資産は入っていない状態です。
ウォレットは暗号資産の保管場所であるため、別の場所から資産を送金しなければなりません。
- 暗号資産取引所の口座を開設
- 取引所で暗号資産を購入する
- ネットワークを追加する
- メタマスクに暗号資産を送金する
メタマスクに暗号資産を送る方法を解説しますので、ネットワーク設定などを間違えないようにして、送金をしましょう。
暗号資産取引所の口座を開設
まず暗号資産取引所の口座を開設しましょう。暗号資産取引所がなければ、法定通貨で暗号資産が買えません。
日本国内で利用するのであれば、金融庁認可が降りている暗号資産取引所が安心です。
おすすめの取引所は以下にまとめてありますので、参考にしてください。
取引所で暗号資産を購入する
暗号資産取引所の口座開設が終わったら、次は暗号資産を買ってみましょう。
イーサリアムネットワークのコインであれば、メタマスクにネットワーク追加なしで送金できます。
今回はビットフライヤーの画面で解説します。まずは日本円を取引所へ送金する必要があります。
入金ボタンから、日本円を送金し、残高が反映されるまで待ちましょう。
日本円残高が反映されたら、買いたい暗号資産を選んで「買う」を押します。
成り行きで暗号資産が購入され、ウォレットへ反映されたら購入完了です。
メタマスクに暗号資産を送金する
暗号資産の購入が完了したら、メタマスクに資産を送金します。
自身のメタマスクウォレットのアドレスを確認しましょう。
まずネットワークを確認してください。今回はイーサリアムを購入しているので、ネットワークの変更は必要ありません。
しかし、バイナンスなどから送金する場合など、チェーンが違う場合はネットワークを切り替えなければ送金できない点に注意しましょう。
問題なければ、アカウントの下にある数字と英字のアドレスをコピーします。
コピーしたアドレスを取引所の送金先アドレスに指定して、処理を完了させれば送金手続きが完了です。
反映されるまでしばらくかかるので、メタマスク上に反映されるまでしばらく待ちましょう。
ネットワークを追加する
メタマスクはデフォルトでイーサリアムネットワークチェーンが設定されていますが、他のチェーンを追加できます。
ネットワークの追加方法を解説しますので、必要に応じて追加しましょう。
メタマスクを起動して、右上(スマホの場合は上部)にあるネットワークをクリックしましょう。
ネットワークを追加というボタンを選んで、ボタンを押します。
ネットワークの追加画面が表示されるので、任意のネットワークのURLやチェーンIDなどを入力します。
追加したいネットワーク(BSCやPolygon)のホームページでチェーンIDやURLは確認できますので、正確に入力してください。
メタマスクで暗号資産をスワップする方法
メタマスク上で暗号資産のスワップをしたい方向けに、スワップ方法を解説します。
メタマスクを起動し、スワップを選びます。
スワップしたい通貨を選び、スワップの確認を押すだけです。
手数料分も合わせて、余裕を持って通貨を入金しておきましょう。
メタマスクで仮想通貨を保管する場合の注意点
メタマスクは便利ですが、暗号資産の保管についていくつか注意が必要です。
- フェイクサイトに注意する
- 怪しいサイトに接続許可しない
- シークレットリカバリーフレーズを誰にも教えない
注意しないと暗号資産を失うことになりかねません。メタマスクの注意点を頭に入れた上で、適切に暗号資産を保管しましょう。
フェイクサイトに注意する
Defiをしたい方は特に注意したいのが、フェイクサイトです。偽サイトが作られ、巧妙にウォレットを接続させて、暗号資産の中身を抜きとる事件も発生しています。
メタマスクにアクセスする際は、アプリまたはChromeの拡張機能を利用しましょう。
怪しいサイトに接続許可しない
メタマスクはさまざまなプラットフォームに接続できますが、迂闊に接続許可してはいけません。
プラットフォームを真似た巧妙なフェイクサイトが出回っており、ウォレットを接続させて、資産を盗まれることがあります。
例えば有名なPancake Swapなども、偽サイトが出回り、資産を失った人がいました。
正しいURLを確認した上でアクセスし、メタマスクに接続するようにしましょう。
シークレットリカバリーフレーズを誰にも教えない
メタマスクはシークレットリカバリーフレーズがあれば、仮にスマホやPCを紛失しても復元できます。反対に言えば、シークレットリカバリーフレーズが漏洩すれば、誰でもあなたのウォレットにアクセスできるということです。
エアドロップをうたってアドレスを聞き出し、送金に必要だとしてシークレットリカバリーフレーズを聞き出す詐欺集団もいます。真っ当な暗号資産の取引をしている方は、秘密鍵を聞き出すことは絶対にありません。秘密鍵を聞かれた時点で詐欺だと判断してください。
シークレットリカバリーフレーズを聞かれても、絶対に誰にも教えないようにしましょう。
メタマスクについてのQ&A
メタマスクについてのQ&Aを紹介します。
- メタマスクの使用は無料ですか?
- メタマスクで購入したNFTを閲覧できますか?
- 暗号資産取引所のウォレットとメタマスクのどちらを使うべきですか?
- メタマスクでビットコインの管理ができますか?
- メタマスクのシークレットリカバリーフレーズとはなんですか?
- メタマスクに全ての資産を保管しても良いですか?
- メタマスクはどのようなプラットフォームと連携できますか?
メタマスクについての疑問や不安を解決し、安心して使い始めましょう。
メタマスクの使用は無料ですか?
メタマスクの使用自体は無料ですが、暗号資産の購入にはお金がかかります。
メタマスクで購入したNFTを閲覧できますか?
メタマスクはNFTの表示に対応しています。ネットワークタブからNFTを選択し、ネットワークを追加後NFTを表示を選びましょう。選択後にメタマスク上にNFTが表示されます。
暗号資産取引所のウォレットとメタマスクのどちらを使うべきですか?
両方使用する必要があります。メタマスクに送金する前に、暗号資産取引所で仮想通貨を買わなければならないからです。メタマスクで全ての資産を管理するのはおすすめしませんので、複数のウォレットで分散管理しましょう。
メタマスクでビットコインの管理ができますか?
メタマスクでビットコインは管理できません。メタマスクはビットコインチェーンに対応していないためです。
メタマスクのシークレットリカバリーフレーズとはなんですか?
シークレットリカバリーフレーズとは、ウォレットの秘密鍵のことです。ウォレットの復元に必要であり、誰にも教えてはいけません。
メタマスクに全ての資産を保管しても良いですか?
メタマスクはホットウォレットであり、インターネットに常に接続されています。その為ハッキングリスクなどを考えると、全ての資産を保管するのには適していないでしょう。
メタマスクはどのようなプラットフォームと連携できますか?
メタマスクが利用できるプラットフォームには、以下のようなものがあります。
- Opensea
- CRYPTO SPELLS
- Axie Infinity
- Gods Unchained
順次対応できるプラットフォームは増えています。
まとめ
メタマスクは利便性の高いウォレットで、モバイル端末で仮想通貨を管理できます。スワップ機能が利用でき、ネットワークチェーンへの対応も多く、初心者が利用しやすいウォレットといえるでしょう。セキュリティ面で不安はありますが、シークレットリカバリーフレーズの保管が適切で、偽サイトに引っかかるようなことがなければ、安全に利用できます。
メタマスクアカウントが1つあれば便利なので、ぜひ記事を参考にしてウォレットを作っておきましょう。
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