暗号資産NEM(ネム)のカタパルトとは?
カタパルトの概要
最近日本でも話題のNEM(ネム)ですが、NEM(ネム)で1番期待されていると言っても過言ではないアップデートがカタパルトです。
カタパルトは暗号資産取引所のZaif(ザイフ)を運営するテックビューロとNEM(ネム)が提携して開発を行っているプロジェクトです。
ちなみにカタパルトとは艦艇から航空機を射出するための機械で、宇宙船やロボットを射出する機械もカタパルトと呼ばれるそうです。
それではこのカタパルトについて解説していきます。
mijin(ミジン)とは
まずカタパルトを説明する前に「mijin(ミジン)」というものから説明しなくてはなりません。
mijin(ミジン)とはNEM(ネム)の3人のコアデベロッパーが暗号資産取引所のZaif(ザイフ)を運営するテックビューロの専属となり、共同で開発したプライベートブロックチェーンです。
このプライベートブロックチェーンというのは、例えば企業内での通貨やポイントなどの使用を台帳に記録し分散管理ができるようなものと言えます。
mijin(ミジン)の説明については面白いものがあるのでこちらも見てみてください。
mijin(ミジン)はすでに2015年ごろからすでに色々な企業で実証実験が行われており、技術としてかなり確立していきています。
テックビューロが、エネルギー分野でブロックチェーンの活用を検討する実証実験にmijin®を提供
このニュースも日本を代表するインフラ会社の中部電力との実証実験です。
日本初!ジビエ食肉流通トレーサビリティにmijinブロックチェーンを本採用
これは初の実用化のニュースで食肉のトレーサビリティにmijin(ミジン)のブロックチェーンが採用されたということです。
このようにトレーサビリティやデータ管理、不動産登記などの重要書類の管理とブロックチェーンは非常に相性が良く、mijin(ミジン)の技術も様々な分野で実証実験や実用化が行われています。
また2017年10月に始まったICOプラットフォームCOMSA(コムサ)にもmijin(ミジン)が採用されています。
簡単にいうと、このmijin(ミジン)を大幅に改良したものがカタパルトなのです。
本プロジェクトはコードネーム”Catapult”と呼ばれており、テックビューロとそこに専属で従事するNEMのコアデベロッパーたちとが共に開発した、現在のMijinプラットフォームに新たに修正と改良が加えた上で一から新しく開発されたバージョンです。
まずプライベートブロックチェーンのmijin(ミジン)でカタパルトを採用し、その後パブリックブロックチェーンのNEM(ネム)で採用する予定となっています。
カタパルトは何がすごいのか?
処理速度の向上
何と言っても1番すごいのは圧倒的な処理能力の向上です!
実証実験では最大で1秒間に4000件ものトランザクションを処理できるとの報告が出ています。
(平均3000件/秒)
ビットコイン 14件/秒
イーサリアム 15件/秒
リップル 1500件/秒
VISA 4000~6000件/秒
このようにVISAに匹敵するぐらいの処理スピードになるとのことで非常に画期的なことです。
ビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)はスケーラビリティの問題で送金詰まりがしばしば取りざたされます。
ビットコイン(Biitcoin)に関してはスケーラビリティ問題での分裂などで非常に不安定な状態になることもあり、そもそも処理できるトランザクション数が少ないことから数時間届かないということもあります。
イーサリアム(Ethereum)はICOをイーサリアム上で行うプロジェクトが多いため、人気のICOなどあると届かないなどのトラブルもあります。
そういったもトラブルを解消できるNEM(ネム)のカタパルトには大きな期待が寄せられます。
アグリゲートトランザクション
カタパルトの特徴的な機能としてアグリゲートトランザクションというものがあります。
これは複数のトランザクションをセットにして処理するもので、速度が速くなる、同時に処理を実行できる、セキュリティに強くなるなどの特徴があるようです。
これらの機能はイーサリアム(Ethereum)などのスマートコントラクトには今のところない機能となっています。
またCOMSAにもアグリゲートトランザクションは採用される予定のようです。
カタパルトの時期はいつ?
カタパルトの時期については当初、2017年夏ごろと言われていました。
しかし2017年10月の時点でまだ公式に発表されていないので、おそらくmijin(ミジン)には2017年内、NEM(ネム)には来年の春頃と言われています。
COMSA(コムサ)のホワイトペーパーにも2018年中にはNEM(ネム)のブロックチェーンにカタパルトが導入されると記載してあります。
またNEM(ネム)の代表のLon Wong氏も9月のインタビューで下記のように答えています。
DB: Is there any approximate date of the CATAPULT release?
LW: It should be released before the end of the year.
引用:CATAPULT SHOULD BE RELEASED BEFORE THE END OF THE YEAR
DowBit氏「カタパルトのリリースの大体の日にちはありますか?」
Lon Wong氏「年内にはリリースされるべきでしょうね」
ということで年内にリリースは固そうな気配です。
カタパルトでNEM(ネム)の価格は上がるのか
カタパルトが実装されればNEM(ネム)の価格はかなり跳ね上がると巷では期待されています。
確かにカタパルトを実装すれば、かなり性能は上がるしできることも増えていきます。
しかしそれが価格に直結するかどうかはまた別問題だと思います。
今までもNEM(ネム)やテックビューロに関しては良いニュースがいくつもありましたが、そこまで価格は上がっていません。
円建てではそこまで下がってないように思えますが、BTC建てでみると8~10月の3ヶ月で3分の1程度になっています。
これはビットコイン(Bitcoin)の上昇に対し、明らかに売られているのがわかります。
また現状ではビットコインが非常に強く、しばらくはこの状況が続くと考えられます。
この状態でカタパルトのニュースが出たとしても3~5月のような何十倍になるというようなことは考えにくそうです。
ただ、明らかに価格を上げる材料ではあるので1.5~3倍ぐらいであれば可能性はあるかと思います。
またカタパルトの採用が予定されているCOMSA(コムサ)がICOプラットフォームとして本格的に機能してこれば、NEM(ネム)の価格も上向きになりそうです。
(COMSAで企業ICOに参加する場合はBTCかETHかNEMでの決済になるため)
一部COMSA(コムサ)での案件のドタキャン(CAMPFIRE)などで暗雲立ち込めたりもしましたが、結果100億円以上集めているプロジェクトなので期待はできるのではないでしょうか。
私もNEM(ネム)には非常に期待しているため、今後の行く末を見守りたいと思います。
Written by 野村 幸裕
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