八ッ場ダムをはじめとした治水施設の活躍、自衛隊、消防、警察、海上保安庁の方々の即応体制。
これらは日本国が積み重ねたノウハウや経済力がないとできないものです。
犠牲者が出たのは残念ですが、 資金力やノウハウのない国では一体どれほどの被害が出るか は想像に難くありません。
結局は豊かであることが生命を守ることに直結するのです。
貧困国(新興国)がキャッチアップ
2019年の世界人は77億人。
そのうち10億人が豊かな国に暮らし、50億人ほどが中所得国に暮らし、残り17億人は低所得国に住んでいます。あなたが学校で習った時から数字は変わっていますか?
ここでの豊かさの目安は一人あたりのGDP(総生産額)で、豊かな国は3万USD以上とされています。
中所得国は1万USD前後、低所得国は4,000USD前後。
驚くべき速度で技術が発達していっていますが、未だに圧倒的な格差があるわけですね。
経済学者は貧困問題に関して、比較的楽観的な考えを持つ人が多く、その一つのキーワードは【キャッチアップ】というものがあります。
Catch up、キャッチアップは”追いつく”という直訳でもニュアンスは通じるかと思いますが、限界分析の観点で、 追加投資を行った際に豊かな国よりも貧困国の方が高い生産性を生む という考えがあります。
相対的な比較で見る【成長速度】は圧倒的に後者でしょう、という考え方です。
同じような考え方でリープフロッグ現象というものがあり、新興国が先進国から遅れて新技術を採用する際に先進国が歩んだ段階をすっ飛ばして一気に最先端の技術を獲得するという事象が多くの国で見られています。
イメージしやすい例としては、アフリカにおける携帯電話の普及やケニアにおける携帯電話を用いた金融サービスがそれに該当しますね。
少し昔の中国キャッシュレス化も該当しますね。
貧困の罠
▶急激な格差→社会不安→社会保障未整備→格差固定化→政情不安→紛争/内戦→投資減少→経済悪化
一般的には経済が急発展した貧困国(新興国)が陥りやすいのは上記のサイクルです。
せっかく経済成長したのに政情不安で軍部がクーデター、または政治家の汚職でデモ頻発。
こうなると 【安全安心が保証されない】国に投資をしようという人が増えるわけもありません。 多くの国が貧困の罠に陥り、生活が豊かになったとしても、豊かな国には全くキャッチアップできていない状態が数十年も続いています。
これが理論ではなく、今の世界の実態です。
そして、貧困の罠の処方箋は【正道】のものしかなく特効薬がないのが実情です。
その処方箋とは良い統治(平和、教育、インフラ、法整備、競争市場拡充)と、良い地理条件です。
地理条件は意外かもしれませんが、特に内陸国の場合、貿易がし辛いケースや、周辺国の地政学リスクに左右されるケースが多く、災害が多い地域では災害ありきで国の発展を考えないといけません。
こうなると世界中全ての国が成長し豊かになるというのは、夢物語のような気がするのは金﨑明人だけでしょうか。。。理想はわかりますが現実は?となる訳です。
ビル・ゲイツのようなスーパー富裕層にもっと慈善活動を頑張ってもらいましょう。
Amazonのジェフ・ベゾスは早く慈善活動を始めましょう。
目先の利率で考えないで
金﨑明人の友人でも高利回りの東南アジア某国の不動産投資で溶かした人もいます。
確かに、貧困国(新興国)の成長力は凄まじいもので、日本や欧州のような低利回りの国と比べると利回りが高いのは頷けます。
利回りが高い、だけでなくその投資先はどのような状態なのか、なぜ利回りが高いのか、
物事の背景を批判的思考で見ることが投資家には求められます。 いや、これは投資家だけでなく学業や仕事、いや人生でも大切なことかもしれませんね。
貧困の罠を理解しつつ、前回記載した「r>g」の方程式に従い、資産を増やしていきましょう!
それでは!
この記事を書いた人
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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