「ビルゲイツがコロナウィルスとワクチン両方を作り出した?【ワクチン陰謀論】」の第2回目の配信です。
今回は「ワクチンビジネスの陰謀論」についてお話ししていきます。
前回の記事を踏まえたうえでお話いたしますので、チェックしていない方は以下より前回記事を読んだうえでこの記事をお読みください!
前回の記事はこちらから
https://coin-otaku.com/?p=55178
ワクチンビジネスの陰謀論
ワクチンビジネスの実態
ワクチンビジネスと聞いて皆さんはどれほどの市場規模があると思いますか?
民間企業が行うビジネスと違い、ワクチンは政府や国際機関が中心の市場です。一般の方ではほとんど調べることもない領域と言えるでしょう。
実際市場規模と正確に言えるデータは存在しておらず、WHO(World health organization:世界保健機関)の発表値のみとなります。
2011年の市場規模はおよそ200億ドルであり、医薬品市場の1%程度の規模 となります。さらにその内訳は、貧困国が消費の80%を占めているにもかかわらず全体の売上の18%で、先進国の消費は20%ほどで全体の売上の82%となります。
このような状態ですから民間企業に任せておくと貧困国の病気は撲滅せず、先進国ではワクチンのような予防医療ではなく、その100倍儲かる医薬品市場に簡単に飲み込まれてしまいそうです。
ワクチンビジネスは国際機関が中心となる理由がよく分かりますね。問題は何故ワクチン業界を潰すような陰謀論が多いのかです。
市場規模から考えると、医薬品市場の方が莫大な利益を生んでいる中で予防医療が台頭すると困る人たちが出てくるというのが想像つきます。世界は病気が蔓延したほうが儲かるようにできているという事です。
ここでは中立に物事を見ていくことにしましょう。
ワクチン反対派の言い分をいくつか取り上げていきます。
ワクチンに配合される農薬成分の謎:グリホサート問題
ワクチンに発がん性物質が含まれるという事は度々話題になります。その中でも具体的に指摘されメディアでも大きく話題になったのは「グリホサート」という成分です。
グリホサートは遺伝子組み換え種子販売の90%のシェアを誇るモンサントという米国の会社が特許を持ち販売をしていた農薬です。モンサントという社名は現在存在せず、2018年にドイツのバイエルという医薬品メーカーに買収されております。
モンサントはベトナム戦争で使用された枯葉剤のメーカーであり、頻繁に陰謀論の的になっている企業です。その話はまた後日に取り上げたいと思います。
なぜ農薬がワクチンに混合されるのかというと以下の流れが想定されるためです。
1.農薬を使った畑で飼料を育てる
2.農薬が残留した飼料で家畜を育てる
3.家畜の体内に農薬が残留する
4.家畜を原料とした(主に豚の靭帯)ゼラチンに農薬が残留する
5.ワクチンの原料としてゼラチンが使われる。
6.ワクチンから農薬成分が検出される
グリホサート系の農薬を取り使う企業はこの件に関する反論として、そもそも「農薬が残留した飼料」の時点で大量のグリホサートが残留する可能性を否定しております。
この件の責任追及を行う場合、ワクチンメーカー、ゼラチンメーカー、畜産業者、農業業者、農薬メーカーとバリューチェーンに関わった多くの事業者に問題があることになります。
この件に関してはワクチンメーカーを攻撃したのか、農薬メーカーを攻撃したのかは分かりませんが、どちらにしても根拠のないフェイクニュースと言えるでしょう。
ワクチンの副作用・副反応
ワクチンの副作用は事実として存在します。ワクチンの副作用を回避するためにワクチン接種をしないという選択の自由は存在します。
これはワクチン忌避 (vaccine hesitancy:ワクチン ヘジタンシー)と呼ばれ、WHOが「世界的な健康に対する脅威」の一つとして挙げています。
日本だけの問題ではなく、ワクチン忌避は1789年天然痘の予防接種の時から世界各国で起きている人類共通の問題となっております。
ワクチン忌避をする方が間違っていると言い切ることもできません。
「子宮頸がん予防ワクチン訴訟」「B型肝炎訴訟※集団予防接種訴訟」「インフルエンザワクチン訴訟」など日本でも ワクチン・予防接種を起因とした訴訟問題 が起きております。
いまではこれらの訴訟を受け、予防接種法が施行されておりますが、副作用が無くなったわけではなく、万が一の副作用が起きたときの賠償がスムーズに行うことができるという内容です。
国が予防接種を強制できないのはこのあたりの問題があります。
あくまで個人の意思を尊重することで国としては責任を負わない立場を貫いております。
国が強制的に行う予防接種には集団免疫の獲得という大義があり、感染症に関しては強制力を持って予防接種を受ける義務が存在します。
しかし、個人の意思を尊重するあまり日本ではVPD(Vaccine-preventable disease:ワクチンで防げる病気)による感染が後を絶ちません。これは世界的にも稀なことであり、日本人がワクチンを打たないことで渡航者が海外で感染症を拡大させてしまう事象も起きております。
このような日本の流れはワクチン・ギャップと呼ばれております。
インフルエンザワクチンは無意味なのか
ワクチンと聞いて最初に思い浮かぶのはインフルエンザワクチンでしょう。
毎年打つことが義務付けられている方も多いと思います。
だからこそ話題になるのが、インフルエンザワクチンの効果に対する疑問です。
インフルエンザワクチンを打ったにもかかわらずインフルエンザにかかることもあり、ワクチンの意味をなさないのではないかという声がネット上ではあふれております。
この話題を検証します。
ワクチンは打つべきか打たないべきか
まず、 ワクチンは万能ではない という事を知っておく必要があります。
一生その病気にかからない免疫を持つことを「終生免疫」と呼びます。
ワクチンを接種することで終生免疫を獲得したような気持ちになりますが実態は異なります。
終生免疫を持てるかどうかはその対象のウイルスや細菌により異なります。
おたふく風邪やジフテリアなどは終生免疫に該当しますが、実際の日本で行われている多くの予防接種の免疫有効期間は数カ月~数年間となります。
麻疹など子供の頃に接種しているものでも大人になってから追加でワクチン接種を受けることがあるのはそのためです。
インフルエンザウイルスは免疫有効期間が短いという特性とウイルスが変異しやすく、流行したウイルスに有効でない場合があるという要素からワクチンを接種してもインフルエンザになる方が一定数存在します。
さらに悪いことに、別のタイプのインフルエンザワクチンを接種したことにより流行したタイプのインフルエンザウイルスの抗体がつくりにくくなるというデメリット(抗原原罪と呼ばれる)も起きます。
このような背景を聞くと、やってもやらなくても同じものを国が推奨するのは利権だ!と感じる方が出てきますが、実際にはワクチン接収すれば確実に死亡率は下がるというデータも存在します。
あくまで最悪な事態に備えるというのがインフルエンザワクチンの役割であり、インフルエンザにかからないことをゴールにおいているものではないと認識をする必要があります。ビル・ゲイツ氏はワクチンビジネスでどれほど収益を上げるのか
ビル・ゲイツ氏は1995年から2019年までの期間で19回も世界一の億万長者としてフォーブスの1位の栄光を手にしております。投資の世界の神様であるウォーレン・バフェット氏は2008年の1度だけ世界一になったことを考えると億万長者の中でもビル・ゲイツ氏の実績は飛びぬけていることが分かります。
稼ぐことをあまり良く思わない日本人からするとビル・ゲイツ氏は何か悪いことをしているのではないか、最近全力で取り組んでいるワクチンビジネスはさぞかし儲かるのだろうと考える方も増えてきます。本当のところを見ていきましょう。
ビル・ゲイツ氏の私財で創立されたビル&メリンダ・ゲイツ財団は政府や他の組織が率先して活動をしたがらないリスクを積極的に取るという事を目標の一つに掲げております。その様子が分かる活動の一つに世界ポリオ撲滅推進活動(GPEI)があります。ポリオは発症が2017年の時点で5件と抑え込みに成功しております。
政府であればここまで抑え込んでいれば十分成果があったと判断するでしょう。
しかし、この活動のゴールはポリオの封じ込めであり症例0件を目指しております。
5件から0件にするために追加で数億ドルの寄付を募ることは効率的と考える方は少ないでしょう。
だからこそ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のようなポリシーが必要になります。2017年のタイミングでビル&メリンダ・ゲイツ財団は他の政府や組織が寄付する金額を大幅に上回る4億5000万ドルを寄付しております。
このような活動を繰り返し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は約300億ドルの規模ですが、毎年40億ドルもの拠出をしております。2020年の新型コロナウイルス騒動ではワクチン開発のための研究費として数十億ドルの拠出を発表しております。
ワクチン市場が200億ドルのマーケットと考えるとワクチンがビジネスになるという事はほとんどないでしょう。ワクチンは投資回収の場所ではなく、ワクチン自体が投資であり、ワクチンが効果を発揮し、健康で健全な生活の上に提供するサービスで投資回収をするというのが本筋と言えそうです。
最後に
今回は話題となっている「ワクチンビジネスの陰謀論」についてお話ししました。
次回は第1回と今回の記事を踏まえた上で「今後、我々がどのように生きてゆけば良いのか」についてお話していきます。
次回更新予定日は5月27日です。
最終記事をお楽しみに!
https://coin-otaku.com/topic/55183
この記事を書いた人
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