こんにちは、コインオタク(@coin_otaku)です。
今年の暗号資産・ブロックチェーン業界で盛り上がりを見せているのがDeFi(分散型金融)です。次々と新たなプロジェクトが誕生しており、勢いが衰える気配が全くありません。
暗号資産のニュースでも、 DeFiというキーワード をよく見かけますよね。
けど、ほとんどの方はこう思っているはずです。
DeFiというキーワードはよく耳にするものの、DeFiについて理解している人は少ないのではないでしょうか。
2021年に向けて、DeFiに関する知識はぜひ押さえておきたいところです。
COIN OTAKUがDeFiについて徹底解説します。
▼DeFiについての詳しい動画はこちらから
https://youtu.be/IM7lXtSjDKE
DeFi(分散型金融)とは
DeFiは「Decentralized Finance」の略です。日本語で言うと、「分散型金融」という意味です。日本語では「ディファイ」と読まれることが多いようです。
DeFiとは、ブロックチェーン上に構築される銀行や証券、保険や暗号資産取引所などの金融サービスやエコシステムの総称のことです。主にイーサリアムブロックチェーン上にスマートコントラクト技術が活用されています。
ここではDeFiの入門ガイドとして、基本情報からユースケース、可能性、課題などを紹介していきます。
基本情報
DeFiは、2019年にイーサリアムブロックチェーンで最も注目を浴びた分野の一つです。CoinMarketCapにおいて、DeFiというカテゴリが作られています。大手メディアのCoindeskも2019年の大きな出来事の一つとしてDeFiを上げています。
そして2020年はイールドファーミング(Yield Farming)が投資家の注目を集めたことで、DeFiはさらに大きな市場を築き上げています。
DeFi(分散型金融)とは
分散型金融(Decentralized Finance:DeFi)とは、ブロックチェーンのネットワーク上に構築される金融のエコシステムです。また「分散型金融」という言葉は、オープンソースで境界のない透明性のある金融サービスを作ろうとする動きを指すこともあります。
目的は、誰でも利用でき、中心となる管理者がいないエコシステムの構築です。ユーザーは、ピアツーピア(P2P)方式の分散型アプリケーション(dApps)を通してエコシステムにアクセスすることが可能になり、ユーザー自身が資産を管理できるようになります。
DeFiの中心的なメリットは、容易にアクセスできる金融サービスを作れることです。これは特に、現在の金融システムを利用できない人にとって大きなメリットです。
また、モジュール化したフレームワークで構築できることも特長として挙げられます。パブリックブロックチェーンを利用した互換性のあるDeFiのシステムは、新しい金融市場や製品、サービスを生み出す可能性を秘めています。
DEX(分散型取引所)とは
DEXは、「Decentralized Exchange」の略です。日本語で言うと、「分散型取引所」という意味です。
ブロックチェーンの技術を利用して取引している中央集権の管理者が存在しない取引所になります。DEXでは取引所に管理者がいないため、ウォレットに紐づくアドレスにアクセスするための秘密鍵を顧客個人で管理します。顧客同士が直接取引を行い、ブロックチェーン上に取引資産が記録されていきます。
基本的にはP2Pで運営されているため、分散されたノードによって相互に監視し合い、不正なノードは切り捨てられます。つまり、ハッキングに対して強いというメリットも持っています。
DEXでの取引は、自己責任のもとで行われます。顧客は中央集権型取引所のように資産を取引所に預けるのではなく、自分の秘密鍵を用いて直接取引を行います。
DEXではブロックチェーンにスマートコントラクトを使用することにより、自動的に取引が行われます。つまり、人間のミスによるトラブルによって売買が制限されるなどの可能性がありません。
また、24時間365日休むことなくプログラムが動いているので、取引を常に行うことができます。取引所の管理者が資産を持ち逃げするということもありません。
CEX(中央集権取引所)とは
CEXは、「Centralized Exchange」の略です。日本語でいうと、「中央集権型取引所」という意味です。中央集権型の大手暗号資産取引所としては、「Coincheck」や「bitFlyer」などが有名です。
原則的にCEXは特定の管理者が運営している取引所になります。そのため、ユーザーはその取引所の運営元とシステムを信頼し、資産を預けてサービスを利用することになります。
CEXでは法定通貨を使って暗号資産を購入することができます。日本の取引所であれば、日本円と暗号資産のペアで取引が可能です。日本では、金融庁で暗号資産交換業者として登録されていなくては取引所を運営することはできません。
CEXでは、取引所の都合やシステムダウンによって取引できないことがあります。暗号資産取引は24時間365日行われているため、取引停止になるとユーザーが損失を被るリスクが出てきます。CEXでは秘密鍵の管理はCEXが行い、顧客の手元には存在しません。つまり、顧客はウォレットに直接アクセスすることはできない仕組みになっています。
本来であればウォレットは、ウォレットに紐づくアドレスにアクセスするための秘密鍵がセットになっており、秘密鍵を使って送金などの処理を行います。
CEXの取引所がハッキングされた際に大ごとになるのは、この点と大いに関係があります。なぜなら、顧客に問題がなくても、取引所自体の管理に問題があると取引所にある顧客の暗号資産すべてに影響が及ぼされるためです。
Defiとイールドファーミングの関連性
暗号資産取引所は、一般的にDEXよりもCEXのほうがユーザー数が多いことが特徴です。暗号資産の取引では、ユーザー数が多い暗号取引所の方が圧倒的に有利となります。なぜなら、ユーザー数が多いと通貨の流動性が高くなり、約定(売買の成立)しやすいというメリットがあるからです。
分散型取引所(DEX)おいて流動性が確保されなくては、取引価格がマッチングせず取引所として機能しません。その最初の流動性を呼び寄せるプログラムこそが、イールドファーミング(Yield Farming)における流動性マイニングです。
「Yield」とは「利回り」を、「Farming」とは「耕すこと」をそれぞれ意味しています。
流動性マイニングとは、イールドファーミングを行う「イールドファーマー」が流動性(ファーマーの資産)を提供することで、通常のリターン(マイニング報酬の部分)に加えて、新規発行のガバナンストークンを副次的なインセンティブとして獲得することができます。
DeFi(分散型金融)の銘柄一覧
DeFi銘柄を探すには、CoinMarketCapで調べるのが簡単でおすすめです。
おおよそ100銘柄存在しています。
CoinMarketCapでランキング1位となっているのはChainlink (LINK)です。
DeFi(分散型金融)の取引所
DeFiとして存在する取引所としてDEX(Decentralized Exchanges)といわれる分散型の取引所が存在します。とても有名なDEXはUniswapです。
Uniswapについて詳しくはこちらから!
DeFiの銘柄を取引するには、Binanceなどの有名な取引所で売買が可能となっています。
DeFi(分散型金融)の特徴
DeFiは金融サービスはもちろんですが、他にも多くの特徴あるサービスが展開されています。ここでは、主要なサービスについて解説します。
カストディアン
DeFiでは、自身が自分の所有する暗号資産を管理しなくてはなりません。そこで重要となるのが資産管理の方法です。DeFiに対応した使いやすいウォレット、アプリ、ダッシュボードが開発されています。
ブロックチェーンゲームなどNFT市場でも重宝される「Metamask」のほか、Ethereumウォレットの代名詞でもある「MyEtherWallet」、マルチチェーン資産を管理する「imToken」等が挙げられます。
レンディングプラットフォーム
DeFi のレンディングサービスは、暗号資産の貸し借りを実現するサービスで、DeFiの人気形態の一つとなっています。担保の保管や金利の調整などの機能がスマートコントラクトで実装されています。
DeFiにおけるローンの特徴として、個人情報やクレジットスコア(信用情報)を提出する必要がありません。ユーザーは暗号資産を借りたり、自分の暗号資産を貸し付けて利子を得ることができます。
レンディングプロトコルサービスであるコンパウンド(Compound)では、ユーザーが保有している暗号資産を貸し出し、利回りとCompoundのガバナンストークンを受け取ることができます。
予測市場
予測市場とは、未来のある出来事に対して予測を行い、その予測に賭けの要素を組み合わせた取引を行うマーケットです。
DeFiの予測市場は、スマートコントラクトを用いて胴元を必要としない分散型未来予測プラットフォームのようなイメージで、誰でも賭けに自由参加が可能です。参加者の資金回収と分配作業はスマートコントラクト上で行われるため、透明性と効率性を保証します。少数の専門家の意見よりも、多数の群衆の意見の方が正しい場合が多いという理論に基づいたプラットフォームになっています。
未来の出来事に対して予め予測を行い、いくらかの掛け金を用意します。それが正解であればビットコインやイーサなどの暗号資産で報酬がもらえ、間違っていれば掛け金は没収されます。
最近では、分散型予測プラットフォームであるオーガー(Augur)によるアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝つか?、バイデン氏が勝つか?といったブックメーカーでの利用が話題となりました。
Ethereumの考案者のVitalik Buterin氏のツイートは、米大統領選の開票のさなか、選挙期間中に暗号資産を利用した予測プラットフォームが大きな成功を収めたと賞賛しています。
https://twitter.com/VitalikButerin/status/1323880284165533698?s=20
分散型ステーブルコイン
暗号資産はドルや円など法定通貨に比べるとボラティリティが高く、急騰や暴落のリスクが常に伴います。DeFiの利用者を広げるには、ドルや円と同じ価値を持つステーブルコインが不可欠となります。
分散型ステーブルコインは、「価格を安定させる暗号資産」を意味します。価値を裏付けする資産を持たず、スマートコントラクトを活用することで通貨の発行量を調整する方法を採用しています。これにより、暗号資産に「価値の保存」の役割を与え、通貨として普及するよう期待されているのです。裏付け資産が存在しないため、発行主体や特定国家の管理下による影響を受けない点がメリットです。
DeFiにおいて、主にMakerDAOのDAIというステーブルコインが、非常に重要な役割を果たしています。DeFiを開発するチームの中でも最も歴史があり、多くの開発者やユーザーから厚い信頼を集めています。
https://makerdao.com/ja/
DEX (Decentralized Exchange、分散型取引所)
DEXがトークン交換をスマートコントラクトで実行できることは、先に述べたとおりです。ただし、同じDEXでもたくさんのプロトコルが稼働しています。
トークンを単純に交換するだけでなく、自分のトークンをプールに拠出することによるマーケットメイカーとしてDEXを利用することもできます。
シンプルUIが特徴的なUniswapはいちばん有名なDEXでしょう。最も多くの取引高を誇るプロトコルです。ユーザーは資産を預ける必要なく、ウォレットから直接トークン売買ができます。
DAO(分散型自律組織)
DAOは分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization)の略称です。日本語では「ダオ」と読まれます。
従来の組織では、中央に意思決定をする組織や人がいて、その決定に従い組織が運営されていました(つまり中央集権である)。これに対してDAOでは、スマートコントラクトを通じて、ルールに基づいて活動を行い、中央の組織が無くても自動化された運営をブロックチェーンで実現ができます。
ただし、自動化されつつも、意思決定や実装、利用にあたっては人間が関与し、ルールに基づいた合議の活動は進められます。
DAOについては、Ethereumローンチ前の2014年に書かれた、Ethereumの考案者のVitalik Buterin氏のブログ記事が参考になります。DAOや類似するDA(Decentralized Automation)、DO(Decentralized Organization)といった概念を比較しながら説明しています。
DeFi(分散型金融)の評判
DeFi(分散型金融)のメリット
ブロックチェーン技術を用いているDeFiならではのメリットを紹介します。
従来の金融サービスが使えない人でも利用できる
DeFiエコシステムは、従来の金融サービスのように国や中央銀行といった中央集権的な組織に依存していません。インターネットにアクセスできる環境があれば、誰でもDeFiのプロダクトを利用することができるのです。
アフリカやアジアなどの発展途上国で暮らす貧困層の人は、銀行口座を持つことがでません。また、政府の規制によって従来の金融サービスを利用できない人たちもたくさん存在します。身分証を持たない人たちでも特別な審査がなく、手数料が格安なDeFiは、所得や住んでいる地域に関係なく誰でも利用することが可能です。
金融サービスを誰でも受けられるということは、DeFiの大きなメリットです。
仲介する金融機関がいなくても取引できる
既存の金融サービスには、必ずそのサービスを管理する中央集権的な組織である金融機関が取引を仲介しています。
しかしDeFiは、パブリックブロックチェーンを基盤にしているため、このような中央集権的な組織は必要としません。人間の代わりにスマートコントラクトによるプログラムによって自動化された契約実行プロトコルがコードに従って契約内容を実行します。
既存の金融サービスでは、政府や金融機関が恣意的に取引を拒否、または無効化することが可能ですが、DeFiプロダクトを使いスマートコントラクトと通信してしまえば、第三者の干渉によって取引を停止させられることはありません。
DeFi(分散型金融)の仕組み
DeFiと呼ばれるプロトコルやサービスは、「Money Lego」(お金のレゴ)とも呼ばれています。DeFiの仕組みは、ブロックチェーン上で動くスマートコントラクトとして単体で使用されるだけではありません。プラットフォーム基盤にモジュールとして組み合わせて実装することによって、新しいサービスを形成しやすいといった特徴を持っています。
つまり、Legoのように部品を組み合わせるかのように、ブロックチェーン上で複数のDeFiサービスを組み合わせることで、新たなサービスを提供する事ができるのです。
DeFiの活用事例
DeFi(分散型金融)エコシステムは、多種多様なプロジェクトが存在しています。金融サービスとはいっても、身近な金融サービスだけでなく、DeFiであるがゆえに生まれた独自のカテゴリーも存在しています。
Uniswap
Uniswapは流動性を提供する分散型取引所です。Uniswapは、Hayden Adams氏というたった一人の開発者によって2018年に開発されました。
Uniswapには大きく2つの機能があります。
1つ目はスワップです。スワップではトークンの交換を行うことができます。
2つ目はプールという機能です。プールでは通貨の流動性を提供することができます。流動性が低いと取引が成立しにくくなります。スワップでトークンを交換した場合には、0.3%の取引手数料がトランザクション毎に徴収されます。その手数料はプールした資産の額に応じて流動性提供者へ分配されます。
2020年5月のV2ローンチ以降は、ERC20規格トークン同士のトレードが可能になりました。つまり、Ethereumを仲介させる必要がなくなりました。
Uniswapと集中型取引所を比較した際の優位性は、ユーザーがトークンの上場を待つ必要がないことです。
Uniswapでは、ユーザーが独自のトークンペアを作成することができます。トレードを行いたいトークンのペアがなかった場合には、誰でもトークンをプールすることができます。加えて、トークンの上場基準も無いことから、分散化が進んだDeFiプロジェクトの理想像といえます。
これにより、ユーザーは新しいトークンを簡単に取引することができます。まさに、DeFiのガバナンストークンが売買できるというDeFiユーザーの圧倒的な需要により、UniswapはDeFiにおける最大の貢献者となりました。
分散型取引所の取引高のほとんどはUniswapによるものです。
Uniswapについて詳しくはこちらの記事へ!
MakerDAO
ステーブルコインプロジェクトの代表格として、MakerDAOがあります。
DeFiのカテゴリーにステーブルコインがあります。価格が上下しない暗号資産(仮想通貨)、つまりステーブルコインとは価格が安定した通貨のことです。
ビットコインやイーサリアムは常にマーケットによって激しく価格が変動します。資産価値が激しく変動するものは、日常生活における支払いや貯蓄とは相性が良くありません。このような課題を解決するために生まれたのが、ステーブルコインです。
DeFi分野で最も利用されているステーブルコインが、MakerDAOのDaiです。
一般的にステーブルコインというと、USDCやUSDTを連想する人が多いかもしれません。USDCやUSDTは発行する組織が存在しています。ところがDaiは、USDCやUSDTのステーブルコインとは異なり、発行する組織が存在していません。1Daiの価値は1ドルになるように設計されています。この特徴が、ステーブルコインという名前の由来になっています。
Daiは分散型のステーブルコインであるため、誰かに管理されることなく自分自身の資産を管理することができます。暗号資産取引の特徴であるボラティリティが排除されているため、常に価値は安定しています。
そのため、金融商品として主となる貯蓄や送金に加えて、商品やサービスの売買といった日常生活に関わる場面で使用されることが期待されています。
https://makerdao.com/ja/
Compound
CompoundはEthereum上に稼働する分散型のレンディングプラットフォームです。レンディングプラットフォームとは暗号資産の貸し借りが出来る場所のことで、銀行のような役割を提供しています。
持っている暗号資産を貸せば金利を得ることができ、借りたい暗号資産を借りれば利息を払う必要があります。銀行が法定通貨で行っている仕組みと何ら変わりはありません。
しかしDeFiにおける分散型金融の特徴は、銀行と違って管理者がいないところです。すべての取引はスマートコントラクトを通じて行われます。仲介する第三者が存在しないため、資産を奪われたり管理されたりするリスクがありません。
さらに、暗号資産の分散型レンディングプラットフォーム上では第三者による手数料などが関わらないため、一般の金融機関に預けるよりも多くの金利を手にすることが出来ます。
Compoundでレンディングすると、貸した暗号資産に対して金利を手に入れられるだけではありません。Compoundで暗号資産を貸し借りしたユーザーは、報酬として独自トークン「COMP」を手に入れることができます。
本来、「COMP」はガバナンストークンとして投票の機能しかありませんが、大手取引所のcoinbaseに上場したことや、昨今の流動性マイニングブームによって価値が大変高くなっています。
結果として、Compoundで自身の保有している暗号通貨をレンディングすると、多くの利益を生み出すことが出来るのです。
https://compound.finance
DeFi(分散型金融)の可能性
DeFiエコシステムはパブリックブロックチェーン上にアプリケーションを構築することができるので、より容易に、そしてより安全にサービスを開始することができます。
賃貸契約
あらゆる資金調達において、金融ライセンスを持つ銀行や貸金業者などの独占市場で形成されています。
これまでの経済は、車や住宅など高価な商品を購入する際には銀行で資金調達することが一般的でした。銀行から提示される条件に従うしか選択肢はありません。
例えば、マンションを購入する際に住宅ローンを利用すれば、比較的高い利率で長期間利息を払い続ける必要があります。また、ローンで借りれる資金は年収や勤続年数などの信用調査によって制限されます。
DeFiにおける新たなレンディングエコシステムでは、パブリックブロックチェーンで形成されています。つまり、誰でも、シンプルに、安全で、安価な方法で、誰からも干渉されることなく、P2P(個人間)でお金の貸し借りを行うことができるようになります。
極端な話、日本の国民全員(約1億2500万人)から一人1円を借りて、1億2500万円を借りるということもできるのです。
金融サービス
「分散型金融」を意味するDeFiは、もちろん銀行サービスを提供することもできます。例えば、決済、ステーブルコインの発行、担保ローン、保険です。
DeFiは金融機関や銀行に口座を作ることの出来ない人々のニーズに応えるオープンファイナンスエコシステムに焦点を当てています。特に国をまたがった送金における決済スピードと安価な手数料は決済系DeFiの魅力です。
ステーブルコインは、米ドルやユーロといった法定通貨、あるいは金などの現物資産(の価格)と連動することで、価格を一定に保てるように設計された暗号資産です。ペッグ通貨と呼ばれることもあります。
ビットコイン(BTC)を初めとする一般的な暗号資産の価格は、時々刻々と相場によって変動があります。ステーブルコインは価値が法定通貨に(ほぼ)固定しているため、これまでの日常生活と変わらないデジタル通貨としての利用が想定されています。
担保のあるローンの融資は多額の手数料と時間がかかります。ブロックチェーンにおけるスマートコントラクトを利用すれば、手数料と融資までの時間を大幅に削減することが可能です。
ブロックチェーンを利用した保険は代理店などの仲介は必要ありません。スマートコントラクトは関係者間のリスクを分散させ、保険の質を保ったまま保険にかかる費用を下げることができます。
DeFi(分散型金融)の課題
政府によるDeFi規制の懸念
DeFiにおける最大の課題は、政府による規制がどのように関わってくるかということです。どの国においても、金融というカテゴリーは規制だらけの産業です。すなわち、DeFiにとっても今後は当局による規制が設けられるというリスクがあります。
アンチマネーロンダリング(AML)
銀行を代表とする金融システムでは、政府の代わりに銀行業の事業者が監視する役割を果たしています。犯罪者による送金を検知したときには監視監督機関への報告を行うなど、取引に対して常に不正がないか監視を実施しています。
しかしDeFiではスマートコントラクトによって誰かに監視されることなく取引が完了してしまいます。DeFiでは監視的役割を果たす中央集権的なものが存在しません。
ただでさえ暗号資産はAMLの遂行が困難な仕組みです。政府はこれまで暗号資産取引所やカストディアンに対して規制を課すことで暗号資産に対するAMLの対処をさせていました。
しかしながら、DeFiの仕組みを考えると、状況は一変します。誰が、どのようにしてDeFiエコシステムでAMLに対応すべきなのか悩ましい状況です。
Ethereum(イーサリアム)への依存
DeFiを語る上では、Ethereumブロックチェーンそのものへの理解と現状把握が欠かせません。Ethereumは現在、スケーラビリティ・プライバシー・セキュリティなどいくつもの問題を持っています。
Ethereumネットワークの負荷上昇時におけるトランザクションの停滞問題や送金にかかるGas代の高騰などの解決を図るべく、Ethereum2.0への移行を進めています。
現状は秒間14~20件の処理しか行えないため、DeFiの使い勝手に影響していることは周知の事実です。慢性化するスケーラビリティ問題の解決等を図るにあたり、Ethereum2.0ではコンセンサスアルゴリズムなど、ネットワークの核となる部分にも変更を加えています。
DeFiがEthereum2.0に置き換わることで、現状のスケーラビリティ問題が解決することを期待したいところです。
DeFiエコシステムには、Ethereumのスマートコントラクトの脆弱性をついたハッキングリスクもあります。DeFiの各スマートコントラクトにとっては大いに脅威となります。これに対応するためには、スマートコントラクトの監査やデバックなど、セキュリティ技術の向上が常に欠かせません。
DeFi、今後どうなる?
日本国内における成長性
日本では基軸通貨である円が世界的に信頼が高い通貨であり、金融商品のプラットフォームとして銀行の役割は非常に大きなものです。キャッシュレス決済も浸透してきましたが、まだまだ紙幣で経済が動いていることは、給料日になるとATMに列ができることからみても明らかです。
日本の経済ニュースでもビットコインの記事を見ることが多くなりましたが、数え切れないほどの暗号資産があるにもかかわらず大衆紙はビットコインしか語られません。メジャーアルトですら、記事で目にすることはほとんどありません。
また、暗号資産は専用のウォレットを使う必要がありますが、銀行のネットバンキングと比較してみた場合、お世辞にも使いやすいとは言えません。
ウォレットのアドレスやトランザクションを一般の人が理解するには、かなりの期間を要するのは明らかです。紙幣を財布に入れておくほうが、よっぽど簡単です。日本での暗号資産は、まだまだ市民権を得るほど理解が進んでいのが現状です。
よって、日本においてDeFiは、一部の人における投資対象として成長していくのではと考えられます。
発展途上国における成長性
しかしながら、世界に目を向けてみると状況は一変します。まだまだ発展途上国の多くの人々は、金融サービスそのものを利用する事ができません。
発展途上国においては、回転型貯蓄信用講(ROSCAs)や累積型貯蓄信用講(ASCA)のようなコミュニティを主体としたマイクロファイナンスが今も盛んに行われています。
金融サービスを簡単に安全に利用したいというニーズは世界中に多く存在しており、DeFiはそれに応えるための新たな金融エコシステムとして注目されています。
中央集権的な機関ではなく、コミュニティによってコントロールされる仕組みは、オープンなピアツーピア(P2P)ソリューションとの相性がいいと考えられます。
スマートコントラクトを活用することで、事前に設定されたルールにもとづいて自動的に実行されるため、コニュニティにおける不正や人的ミスを防ぐ役割も期待できそうです。
DeFiまとめ
もう一つの懸念として規制が挙げられます。金銭の送金、資金融資、暗号資産の取引・交換などは、国内でいえば資金決済法や金融商品取引法で厳しく規制されています。一方で、DeFiは暗号資産を預かる運営が実在しておらず、融資の実行には何も介在するものがありません。DeFiはブロックチェーン上であらかじめプログラムされたスマートコントラクトで自動的に処理されます。
現在では法規制がありませんが、法的にはグレーな状態です。日本は暗号資産に対しての法規制はとても厳しいため、今後は規制される可能性も十分にあります。エコシステムとして広がっていくには、各国がどのような規制をとり、グローバルな規制と折り合いを付けていくのかに注目していくしかありません。
▼DeFiについての詳しい動画はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=IM7lXtSjDKE&feature=youtu.be
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