日経ビジネス暗号資産特集
日経ビジネス(2017年11月20日号)にて、暗号資産の特集が組まれました。
今回はその内容について解説していきたいと思います。
今回のテーマは、世界各国で開発が進む法定通貨のデジタル化です。
それぞれどのような思惑を持っているのか、中国と日本の動向を中心に取り上げられています。
中国勢が日本進出へ
ICOの禁止や取引所の閉鎖など、暗号資産の排除に動く中国国内でマイニング企業が戦々恐々としていると伝えています。
中国の関係者の間で、にわかに関心が高まっている国がある。
「規制強化がさらに進めば、拠点を海外に移す。最有力候補は日本だ。」
引用元:日経ビジネス
現金消滅 あなたの仕事も消える(2017年11月20日)より
中国に比べて、規制がさほど厳しくない日本に目をつけたようですね。
確かに同じアジア圏内の国であれば、時差などの問題も最小限に抑えられ、移住してくる中国人従業員の負担も軽くなります。
日本としても 経済がより活発になる ので、ありがたいことと言えるでしょう。
日本の政府当局の姿勢とは
金融庁をはじめとする日本の規制当局はこの状況にどう対応するのでしょう。
世界で初めて暗号資産の法的な位置づけを明確化したほか、金融庁が取引所の基準を示すなど、投資家保護にも目配りした。金融庁幹部は「イノベーションと利用者保護のバランスを取りながら、業界の健全な成長を促す」と説明する。
引用元:日経ビジネス
現金消滅 あなたの仕事も消える(2017年11月20日)より
様々な分野で後れを取っていると言われる日本ですが、この暗号資産ブームに対してしっかりと検討をしていることがうかがえます。
イノベーションをしっかりと理解し、 官民が一体となって成長をしていければ良い ですね。
そうした文化が世界にも広がることを願うばかりです。
暗号資産の実証実験を進める日銀
黒田総裁が今の暗号資産ブームに対してコメントしています。
「現時点でデジタル通貨を発行する具体的な計画はない」とする一方で、「金融システムや支払い決済システム全般の安定からも、中銀が新技術の内容を深く理解する必要がある」
引用元:日経ビジネス
現金消滅 あなたの仕事も消える(2017年11月20日)より
今後の日本円の在り方を考えると、こうしたトップの発言の元、実験をすることは大切になってきます。
世界は資本主義が主流となっていますので、市民の生活を守るという役割からも期待が集まります。
一方で、メガバンクが独自通貨の発行を検討していることについては 日銀が主導してまとめ役を担ってほしい という思いもあります。
ユーザーにとっての利便性を議論していくべきでしょう。
現金が既に消えつつあるスウェーデン
既に現金がほとんど使われなくなっているスウェーデンは、特に積極的にデジタル通貨の発行を模索している。
引用元:日経ビジネス
現金消滅 あなたの仕事も消える(2017年11月20日)より
現状として既に現金が消えつつあるということで、国民の立場から考えると、スウェーデンはデジタル通貨が受け入れられやすい状況ができていると考えられます。
世界最初のモデルとなれば、瞬く間に広がっていくでしょう。
しかし、デジタル化しても 中央集権的な管理体制は変わらない ということは市民が理解しないと、「ブロックチェーンだから安心」という誤った判断をしかねません。
中央銀行の狙いとは
非常にわかりやすい例が取り上げられています。
例えば、100万円のタンス預金は1カ月放置しても100万円だが、デジタル通貨であれば1カ月後に99万円と表示させることが技術的に可能になる。
引用元:日経ビジネス
現金消滅 あなたの仕事も消える(2017年11月20日)より
特に日本人に多い傾向ですが、人間は貯蓄が大好きです。
長期で手元に持ち続けることに安心感があり、それが安全だと思っています。
恥ずかしながら、私もそう思っていました。
しかし物価の高騰などもあり、 手元の現金は目減りしています 。
そのことに気づかせ、より運用という選択肢を取りやすくさせるために、こうしてデジタル化するという考えは大いに感心しました。
そうした世界に変わってほしいものです。
終わりに
法定デジタル通貨と暗号資産は、ブロックチェーンの仕組みが異なるということを理解しなくてはなりません。
今世界中の中央銀行がデジタル通貨の開発を急いでいる理由として、プライベートブロックチェーンが結局は中央集権的な仕組みであると国民に悟られたくないのでは、と私は感じました。
我々のようなオタクになる必要はありませんが、 身近な問題として多くの人々が本質を理解する必要がある でしょう。
日中の法定デジタル通貨の今後について知りたい方はこちら
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