仮想通貨

日経ビジネス、日本は暗号資産のルクセンブルクに？

2017.12.15

日経ビジネス暗号資産特集

日経ビジネス（2017年11月20日号）にて、暗号資産の特集が組まれました。
今回はその内容について解説していきたいと思います。
日本が今後の対応を誤ってしまうと、以前のルクセンブルクのようになってしまうと伝えています。

日本政府は世界金融の主導権を狙っている？

イノベーションが生まれれば、日本は「暗号資産先進国」としての地位を手に入れるだろう。のみならず、フィンテックでも世界の主導権を握れる。日本政府にはこのような思惑があるのではとみている。
引用元：日経ビジネス
現金消滅　あなたの仕事も消える（2017年11月20日）より

確かに、日本の中央官庁はいわゆる「お堅い」イメージがあり、国民性から言っても革新というよりは保守志向が強い印象があります。
そんな日本は世界に先駆けて法整備を進めています。
やはりこの資本主義経済において確固たる地位を確立する絶好機と捉えていることがうかがえます。
幸い日本人の間には投資対象としてといえど、暗号資産に対しての興味関心が広がっています。
この潮流も利用できると考えている可能性は大いにありますね。

ビットコイン（Bitcoin）が地下経済を助長させるおそれも

日本は、「タンス預金」のように市場に出回らない紙幣も多い。地下経済や脱税の温床にもなりやすい状態だ。その上ビットコイン取引がしやすいとなれば、地下経済の拡大を助長しかねない。
引用元：日経ビジネス
現金消滅　あなたの仕事も消える（2017年11月20日）より

これは大きなジレンマと言えるかもしれません。
経済循環をより良くしたいと新たな技術を導入することは大切ですが、一方で暗号通貨の特性上はマネーロンダリングに使われるおそれもあります。
いわゆるトレードオフの状況にある中を、どう乗り越えるのかがカギとなりそうです。

専門家は技術の利用を模索している

専門家の間で考えられていることは、暗号資産を法定通貨の代わりとして活用することではない。暗号資産の技術を応用して、より安全で低コストの決済手段を開発することだ。
引用元：日経ビジネス
現金消滅　あなたの仕事も消える（2017年11月20日）より

これは非常に重要なことです。
特に初心者であるほど、「ビットコイン（Bitcoin）=ブロックチェーン」という認識を持っています。
暗号資産がこれだけ注目されているのは、ブロックチェーン技術が評価されたからなのです。
暗号資産はそのブロックチェーンを応用しているにすぎないと言っても良いでしょう。
政府機関は暗号資産とブロックチェーンを切り離して捉えるべきと言えます。

「分裂」が暗号資産の課題

暗号資産を利用する上での課題の一つが、分裂が起き得ることだ。（中略）分裂の原因は、絶対的な管理者がいないこと。取引データの固まりであるブロック（台帳）をつなぎ合わせるブロックチェーンという基盤技術を用いる暗号資産は、ネットワークに関わる全員で管理しているといえる。
引用元：日経ビジネス
現金消滅　あなたの仕事も消える（2017年11月20日）より

参加者全員の総意に基づいて運営されていると、意思決定が遅れてしまうという欠点があります。
そして皆が平等であるとい建前ではありますが、実際はマイニング技術は歴然としていることがあり、強大な力を持っているチームは独立にメリットを見出して、「分裂」が起こります。
これはこの先も続くと考えられるでしょう。
課題の克服というよりは、新たな仕組みを付け加えるなどの試みが必要なのかもしれません。

民主主義のデメリットとは

「管理者を置かない」という民主的な思想が根底にあるがゆえに、関係者の意見対立が激化した場合、まとめ役がいない
引用元：日経ビジネス
現金消滅　あなたの仕事も消える（2017年11月20日）より

大前提として、正しい考え方というものは存在しません。
しかしながら、世界中であまりにも民主主義という考え方が神格化している感も否めません。
中央集権的金融システムが批判される中で生まれた民主主義的システムですが、デメリットもあるということを念頭に置いておかなくてはならないでしょう。
必ずしも全員参加型のシステムが良いわけではないのです。