アレール氏、準備金の安全性を強調
米サークル社のCEO、ジェレミー・アレール氏は、同社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」の現金準備金は100%安全であると報告し、現在シリコンバレー銀行に預けられている現金については、BNYメロン銀行に移管される予定であることを明らかにした。
USDCは引き続き米ドルとの1対1の交換が可能であり、堅牢な流動性と準備資産を構築していることから、大きな取引高を処理することができるとしている。ただし、USDCの発行と償還の処理は、BNYメロン銀行を通じた決済に依存することになるとのことである。
Update thread on USDC
We were heartened to see the US government and financial regulators take crucial steps to mitigate risks extending from the fractional banking system.
100% of deposits from SVB are secure and will be available at banking open tomorrow.
— Jeremy Allaire (@jerallaire) March 12, 2023
米サークル社CEO、ステーブルコインUSDC準備金の安全性を強調
COIN POST
USDC暴落による仮想通貨業界への影響とは?
業界NO.2のステーブルコイン『USDC』が一ドルの価格を維持できず暴落をしました。米国の経済が悪くなろうが、法律で仮想通貨が禁止されようが、その下落は一時的で仮想通貨そのものが否定されたわけではないため、価格は元の水準に戻るという考え方が仮想通貨投資家の中では一般的です。
今回のUSDCの価格乖離は仮想通貨そのものの否定となりますので業界に与える影響はとても大きいです。今後の見通し含めて解説します。
ステーブルコインは度重なる問題が生じたため、現在のステーブルコインはかなり慎重に運営をしております。裏付けとなる担保資産は発行しているステーブルコインの100%以上の価値を維持していないければいけません。
もちろんUSDCは100%以上の資産を担保として保有しておりました。今回の問題は、米国経済ショックに伴う銀行の連鎖倒産です。
USDCの裏付け資産の10%を保有している米国のシリコンバレー銀行が経営破綻しました。これで、USDCは担保となる資産が100%未満となりました。結果、USDCの価格は暴落しました。
USDCの信頼度は高く、USDCを担保資産としているステーブルコインも巻き込まれた形で価格が一ドル割れを起こしております。ステーブルコインの担保は銀行が問題なく経営をしていることが前提条件となります。
さらに言えば、ステーブルコインの元となる法定通貨の価値が毀損してしまうと元も子もありません。結局、今回のUSDCの価格乖離騒動は回り回って米国ドルの信用不安という話です。
このような場面では政府が破綻した銀行を救済することが多く、今回も非常に早い判断で倒産した銀行の預金は政府が保証することになりました。その対策を評価し各ステーブルコインの価格の乖離は元に戻り、仮想通貨市場も一旦元に戻って安堵したという格好になっております。
これで全部良かったということにはなりません。2023年はこのようなことが何度か繰り返される可能性が高く、さらに、後になればなるほど政府の救済はできなくなる可能性があります。
このような危ない環境でのビジネスを避けるため、仮想通貨企業だけでなく、イノベーションを産むベンチャー企業の米国離れは加速することでしょう。
これから米国は落ち目になります。2009年のリーマンショックから僅か10数年で大手銀行破綻を起こしてしまった米国の内情はボロボロというのが正直なところでしょう。
今回のニュースは仮想通貨の話ではなく、米国ドルおよび米国政府の話です。米国ドルのステーブルコインはそれがUSDTであっても2023年は保有しない方が賢明です。米国株などの米国の経済に影響するリスクマネーも対比した方が良いでしょう。
その選択肢の一つとして仮想通貨は候補になりますが、仮想通貨の銘柄の中には米国経済との関係が強すぎるものもありますので、しっかりと分析をする必要があります。
米国ドルステーブルコインが使えなくなることで、DeFiブームも少し先送りとなりました。2023年はとりあえず6月までは様子見しましょう。
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