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【伊藤が解説】NFTと仮想通貨の違い：未来の成長とグレーゾーン問題

2023.03.31

NFTと暗号資産の区別:日本金融庁の新ガイドライン

日本の金融庁は、暗号資産とNFTの違いやガイドラインを明確化することを目指しており、その解釈を整理しています。1号暗号資産は、ビットコインやイーサリアムなど既存の暗号資産で、資金決済法に基づく資金決済手段として扱われます。2号暗号資産は、新しい種類の暗号資産で、1号暗号資産と交換可能なものです。

NFTは、決済手段性がない場合1号暗号資産に該当しないとされており、実態調査が必要です。1号暗号資産と相互に交換可能な場合は2号暗号資産に該当するが、通常は1号暗号資産と同等の経済的機能を持たないものは該当しないとされています。

金融庁は、NFTの暗号資産該当性を個別具体的な評価で判断する方針を示しており、実態に基づく評価が重要とされています。日本政府は、Web3推進やメタバースやNFTを用いたコンテンツの利用拡大に取り組んでいます。

金融庁、NFTの暗号資産該当性など訊ねるパブリックコメントに回答

COINPOST

NFTと仮想通貨の違い：未来の成長とグレーゾーン問題

このニュース、 伊藤が解説します。

最近、NFT（Non-Fungible Token）という言葉が話題になっていますが、NFTは仮想通貨と同じものなのでしょうか。金融庁がNFTに関するガイドラインを発表したことにより、日本におけるNFTと仮想通貨の線引きが明らかになりました。

NFTは技術の名前であり、支払いとしての振る舞いをせずにNFT技術を使うことが求められています。
支払い機能を持たせることで仮想通貨としての法律が適応される可能性が高まります。（資金決済法）

具体的な例に基づいて、NFTが今後成長するかを考えてみましょう。

まだガイドラインが明確に発表されていなかった時、資金決済法を回避する目的のNFTプロジェクトが存在しました。
それは額面が記載されたNFTを発行しているケースです。今ではこの取り組みはNFTではなく仮想通貨に区分されることになります。
ややこしい点として現実世界で使用できない場合はNFTに区分されることになります。

例えば、100ドルと書かれたNFTがオンラインショッピングで100ドルとして使える場合、ステーブルコインのように100ドルの価値が維持されなくても、実際の商品と交換できる場合は仮想通貨として扱われます。しかし、100ドルと書かれていても、ゲーム内通貨として、ゲーム内のアイテムや土地にしか使えない場合は、NFTとして扱われます。

NFTと仮想通貨の違いは何でしょうか。一言で言えばその違いは『現実世界での有効性』です。

NFTで『100ゴールド』とゲーム内通貨のようにデザインされていても、現実世界のショッピングサイトAmazonなどで一定の価値を持って商品を購入できる場合、NFTではなく仮想通貨として扱われます。
一方、ポケモンカードのように現実世界で高額に取引される場合でも、明らかにゲームであることが明白な場合は、通貨ではなく高い希少価値を持つアイテムとしてNFTとして扱われます。

これまでのNFT業界では、現実世界の商業ビジネスとグレーゾーンの経済圏がつながっていましたが、今後はプロジェクトの方向性を変える必要があるでしょう。デジタル世界のものはデジタル世界で価値を発揮すべきだということです。

さらに線引きを複雑にするNFTがあります。それは特定の権利を持つNFTです。
これは宿泊券や食事券のようなものでNFTとして扱われておりますが、宿泊券や食事券、本券などさまざまな用途に使えるようになると、NFTの領域を逸脱します。この場合は前払式支払手段としての届出を出すことになります。

様々な企業とコラボレーションして、何にでも使えるNFTは価値が付きやすく魅力的ですが、行き過ぎると資金決済法の領域に入ってきます。
金（Gold）のNFTもすでにいくつか誕生しておりますが、現実社会の資産に裏付けられたNFTは現実社会における法律を遵守する必要があります。
NFTだからといってなんでも無届でやっても良いわけではありません。

今後はますますNFTを投資対象とする考え方が通用しなくなるでしょう。

NFTは単なる商品であり、NFT自体に価値を感じない限り、高額な消費になることは避けられません。
ポケモンカードのようなコレクターアイテムの市場がありますが、初心者が挑戦すると簡単に損失が増えることが容易に想像できます。

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