イーサリアム次期アップグレードへの展望
イーサリアム財団は24日、次期アップグレード「Dencun」のテストスケジュールを発表しました。
まず「Sepoliaテストネット」で1月30日、次に「Holeskyテストネット」で2月7日に実施予定です。
テストネットが成功すれば、メインネットでの導入が行われる見込みですが、具体的な時期についてはまだ公表されていません。
Dencunアップグレードには「プロト・ダンクシャーディング」という重要な機能が含まれ、これによりL2からL1へのデータ転送コストを削減し、取引手数料を引き下げることが期待されています。
既に「Goerli」テストネットでは実施済みで、今後のメインネットでの実装日は不確定ながらも、今年の第1四半期中の実施が予測されています。
イーサリアム財団、次期アップグレード「Dencun」のテスト日程を発表/a>
COINPOST
2024年イーサリアムメインアップデート・Dencunの期待と懸念
イーサリアムの2024年メインアップデートであるDencunの進捗は順調です。そして、市場では期待と同時に懸念も生まれています。
Dencunアップデートに対する懸念点について解説します。
特に注目されているのは、イーサリアム(ETH)の供給量の増加に関する懸念です。
Dencunアップデートで最も期待されている点は、L1およびL2の手数料(ガス代)が現在よりも低くなることです。
現在のイーサリアムでは、一部の手数料が直接イーサリアムの供給量を減らすために使われております。
現在は手数料が高いものの、その恩恵として、イーサリアムの市場供給量は減少しており、ETHの単価は上昇傾向にあります。
しかし、Dencunアップデート後はこのメカニズムが逆転し、手数料が低くなりETHの供給量が増えることで、価格の上昇が難しくなる可能性があります。
これは単なる計算上の話であり、実際に何が起こるかはやってみなければ分かりません。
個人的には、供給量は価値を測る指標の一つに過ぎず、絶対的な尺度ではないため、影響は限定的だと考えています。
また、手数料が低くなった後にBOTが横行し、再び手数料が上昇する懸念もあります。
これまでのアップデートはいたちごっこであり、一つの問題を解決すると次の問題が生まれます。
Dencunアップデートで全てが解決されるわけではなく、その後も改善は続けられます。
2024年の仮想通貨市場は価格の乱高下が予想されており、市場の動きについていくと、戦略が短期的になりやすいです。
足元の情報に一喜一憂するのではなく、できるだけ長期的な視点を持ち、大局を見据えた判断が必要になります。
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