ニュース

【伊藤が解説】ビットコイン保有を検討するアマゾン、日本はどうする？

2024.12.09

アマゾンにビットコイン戦略提案、実現の可能性は？

アマゾンに対し、資産の5%をビットコインで保有する財務戦略を提案する株主提案が、自由市場推進シンクタンク「NCPPR」から提出されました。
この提案の背景には、インフレによる現金価値の目減り懸念と、ビットコインの高い投資リターンがあります。
同提案は、ビットコインの過去5年間の1,246%の上昇率や、同様の戦略を採用して成功したマイクロストラテジーの実績を根拠としています。
さらに、アマゾンの主要株主であるブラックロックやフィデリティがビットコインETFを提供している点も指摘され、提案の実現性を高めています。
企業によるビットコイン保有は広がりを見せ、他社も同様の戦略を採用していることが注目されています。

米アマゾンにビットコイン財務戦略の株主提案「資産5%の保有検討」を要請

COINPOST

ビットコイン保有を検討するアマゾン、日本はどうする？

このニュース、 伊藤が解説します。

米アマゾン社に対し、「資産の一部をビットコインで保有すべき」との株主提案が提出されました。
これは仮想通貨専業企業だけでなく、世界の大手企業がビットコインを資産運用に取り入れる流れを象徴しています。
これまで中小規模の企業が中心だったビットコイン投資が、アマゾンやマイクロソフトなどの巨大企業にも広がっています。

この動きの背景には、世界的なインフレ懸念があります。
各国の中央銀行が金利政策で経済を調整する一方、現金の価値が目減りするリスクが高まっています。
金（Gold）や不動産などのインフレヘッジ資産が注目される中、ビットコインはその高いパフォーマンスで特に支持を集めています。

例えば、米マイクロストラテジー社は、保有するビットコインで過去1年間にアマゾン株を大幅に上回る成績を収めました。このような実績が、他の企業にもビットコイン投資を促しています。

一方、日本では企業のビットコイン保有はまだ少数派です。
主な理由は、規制環境や税制の厳しさ、そしてリスク回避傾向の強さにあります。
日本政府は仮想通貨に対して慎重な姿勢を崩さず、自由に企業がビットコインに投資する環境を整えていません。

このため、日本企業はインフレヘッジや資産の多様化で出遅れるリスクがあります。
この状況を放置すれば、経済競争力の低下にもつながりかねません。

ビットコインの保有は、政府や企業の動向を待つだけではなく、個人が自ら行動して始められる点が特徴です。
しかし、正しい情報を持たずに投資することはリスクが伴います。

これからの時代、生き残るためには「情報を分析する能力」と「それを実践に移す行動力」が求められます。